クオーツのフラッグシップ

一人旅から帰ってきた翌日。誕生日の妹がお盆としては4年振りに東京から帰省していたので私も実家へ行くことにしました。妹は最近プロポーズをされて婚約していて、婚約者も私の実家に泊まりに来ていましたので家族+彼と一緒に誕生日ケーキを食べました。

私は彼(以下Tさんとします)とお会いするのは初めてでしたが、実はすでに妹経由でお世話なっていて。青山の店舗予約限定だったこのクロノトウキョウの34mmは、私が東京へは行けなかったためにTさんと妹で代理抽選予約に行ってもらって手に入れたものでした。どのみちNaoya Hidaは修理中でしたが、その節のお礼を伝えるためにももちろん時計はしていきました。

T.MBHがアウトレットツアーをする際、ツアー日程の初日は浅草橋本店での開催でした。妹にも私から情報を伝えてTさんと二人で訪問したのですが、その時から二人はT.MBH製品の愛用者になっています。私のものと二人のものを合わせると結構なボリュームになっていました。中でもTさんの選んだオリーブカラーのオーストベリーカードケースは素晴らしく、買い取りたいくらい私好みの色合いと質感でした。

その場は弟とTさんとでゲームをしたりして過ごしたのですが、妹から「婚約指輪のお返しに20-25万くらいの予算で自動巻きの時計を贈ろうかなって考えてるんだけど、なんかおすすめある？」と聞かれ、いくつか提案したのですが私の中でも何かしっくり来ない。そこで、返信が早く時計に詳しい人としてすぐに思いついた東京のナオキさんに連絡を取り、同じように条件を伝えると、ものの数分で具体的な提案内容が送られてきました。それは「全体的に値上がりしている時計市場で20万台の自動巻きだと(時計マニア目線で)満足出来るクオリティの選択は難しいので、敢えて9Fクオーツを積んだグランドセイコーはいかがでしょうか？」というものでした。考えるより先に身体が動く私は、妹に一応の許可を取ってすぐに時計屋さんの知人(仕事上のお客様)にLINEを送り「明日はご出勤されていますか？」とアポイントメントを取り、翌日Tさんを含む3人で時計を見に行くことに。私は個人的にお客様にお願いしてあることもありましたので、かえって好都合でした。

Tさんはとても控えめで優しい方で、言い方が正しいか分かりませんがなんだか犬のような人でした。優しくしてあげたくなるキャラクターを持っていて、こちらの話をふむふむとただ聞いてくれるような一緒にいて落ち着く人でした。初対面のTさんがいても初めましての緊張感のようなものは全く感じず、私はTさんもいるリビングのソファであろうことか二度も寝落ちしていました笑　そこは兄、起きて世間話とかしろよと思いますが、神経が図々しいので・・・(^^;;

さ、そして時計屋さんで見てひと目で気に入った(私が)のがこちら、SBGX295です。GSのクオーツは年差10秒という脅威の精度を叩き出していますが、外装の仕上げもこの価格帯の時計では敵無しかと思います。美しく研磨されたケースや針、寸分の狂いもなくピタリと静と動を繰り返す秒針、37mmという完璧なサイズ。妹もTさんも時計に詳しいわけではないので、他にいくつかユンハンスやセイコープレサージュ、ハミルトンなどをその場で見ましたが、明らかに他とは存在感が違うGSにTさんも気に入られた様子で、妹も贈り物として理想通りの時計だと感じたよう。その場でこちらに決定しました。(ちなみに若干予算からはみ出していますが、そこは私のお客様がゴニョゴニョで・・・全て上手くまとまりました)

購入が決まってからは場所を移し、ブレゲのスペースで手続き。GSの販売店は何段階かにランクが区分されているのですが、こちらは上位ランクの店舗でしたので8年以内のオーバーホール時の特別価格など、有難いサービスもいくつか案内していただけました。クオーツの場合、カルティエなどは中身の機械丸ごと新しいものに変えてしまうらしいのですが、GSは手間がかかっても元々入っている中身をバラして調整してくれるそうです。

Tさんの腕に装着された状態がこちら。細い方なのでやはりこのくらいのサイズがよく合います。GSのモデルは今までもいくつか欲しいと思ったものがありましたが、トータルバランスで今私が自分で買うとしても同じものを選ぶかもしれません。

贈り物の場合、GSはメーカー純正の桐箱と熨斗まで準備があるのは驚きました。Tさんの腕に合わせてDバックルのサイズ調整をしてもらったのち、一旦綺麗に包んでもらった時計を実家に戻ってからみんな揃って開封していきます。

撮影係は私ですので、自分のものを撮る時よりも慎重に・・・時計の置き方は諸説ありますが、私は飛田さんのアトリエを訪問した際に「正解はありませんが、最近のパテックフィリップはリューズを下に置くそうですね」という話を伺ってからリューズを下に置くことにしています。改めて、非常に美しい時計です。

ポリッシュされたケースが黒光りして見えます。磨き抜かれたアプライドインデックスも素晴らしい。

Tさんも腕に着けてからずっと時計を眺めていました。ついつい見続けてしまう気持ち、分かるなあ。妹は私と比べても強く逞しい人なので特に心配していませんが、二人で仲良く暮らしていってもらえれば嬉しいです。一緒に良い時間を過ごさせていただきました。

P.S. お客様から少し前に「パテックフィリップウォッチアートグランドエキシビションのカタログがありますが、よろしければ差し上げます」とご連絡をいただいていていました。この時はまだパテックフィリップの購入を決める前でしたが、納品に向けて気持ちを高めていく良いアイテムをいただきました。ただ貰いに行くというのも気が引けていたので、妹たちの時計購入で少しでも貢献できてよかったです。私も自分の時計納品がますます楽しみになってきました。