T.SHIRAKASHI BOOTMAKER“Felix”納品編

Shoes

書きたいこと、書かなければならないこと、たまっているのですが、会社員・個人事業主の両面で多忙を極めており、ブログ執筆がままなりません。そんな中でもこの渾身の一足については「紹介しないわけにはいかない」という強烈な意欲を掻き立ててくれる仕上がりでした。

3月のTHE TRUNK BY OBOISTでトランクショーを開催したT.Shirakashi Bootmakerの白樫さんから「オーダーいただいた皆様の分、鋭意製作中にはなりますが、ひとまずオボイストさんのFelixが完成しました」と連絡があったのが土曜日のこと。「月曜か火曜には発送出来ると思う」とのことでしたが、ちょうど水曜日に東京でコートの納品個別対応や2027S/Sの生地打ち合わせを予定しており、東京での仕事が終わってから横浜のアトリエを訪問し直接納品いただくアポイントメントを入れました。元々当日の朝新幹線で上京し日帰り出張の予定だったのですが、妻が今仕事にしているアクセサリー製作用の部品などを仕入るために同行したいということで、火曜日の仕事終了後に久々に車で東京へ向かいました。

順調に納品や打ち合わせが完了し、横浜まで移動して夫婦でランチをしたのち、インペリアルビルに向かいました。前回訪問した際は4階に移動したばかりで什器などがまだ揃っていない様子でしたが、几帳面な白樫さんのことです、今ではすっかりいつも通りの整然としたアトリエになっており、そしてその真ん中に私のボタンブーツFelixが鎮座していました。

Felixについての詳細はオーダー時の記事を参照いただければと思いますが、改めてこのボタンブーツの持つオーラは特筆すべきものがあります。白樫さんの拘りがギュウギュウに詰め込まれているモデルですから、ファンとしても特別な感慨があります。

T.SHIRAKASHI BOOTMAKER “Felix”
相変わらず月に一度程度、何かしらの用事が出来てしまって東京への出張が続いているのですが、今回は私にとって特別な内容でしたのでブログに残しておこうと思います。今回は月・火と東京で一泊し火曜日の夜には大阪へ移動、水曜日から大阪のDECOでトラ...

履き口にはこのモデルのために開発したという新しいタイプのブランドネームが箔押しされています。シューツリーも私はアップチャージで屈折式の4ピースタイプをオーダーしていましたのでツリーの着脱が幾分か楽になります。9分仕立てが標準仕様ですが、こちらもハンドソーンに変更いただいております。最近は靴の足数もかなり増えて来ましたので「この段階でどうせお願いするなら後悔が残らないように」とオプション代をケチることはしなくなりました。ダブルワークでギリギリまで働いてもまだまだ裕福には程通い私ですが笑、そもそも高い靴を買うのに数万円のために満足度が数%減少するのは逆にもったいないなと。

とても目を引くデザインですから、それ以外の部分はあえて脚色せずに、ソールはオールブラック仕様、リボンも同じく黒、ライニングも色を入れずにナチュラルにしました。引き算が上手くいくと「私も少しは大人になったな」と自画自賛したくなります。自分にしか分からない小さな拘りです。

ボタンブーツの着脱には、特に新品のときはボタンフックがあった方が便利です。私は納品を待つ間にアンティーク品を色々と見て回りましたが、最終的に黒檀×純銀のボタンフックを手に入れました。1920年代英国製というのもくすぐられますね。白樫さんの受け売りですが、オーダーしてから納品を待つ間に自分にぴったりのアンティークボタンフックを探すというのも、良い時間の過ごし方だと思います。

早速出来たばかりのFelixを履いてみました。ボタンフックの使い方を白樫さんに教わりながら、慣れない手つきでたどたどしくボタンブーツを履いていきます。革がある程度馴染んでこればフックなしでも履けるようですし、これは後日談ですが次の日履く際には随分フックを使った着脱にも慣れてしまいました。不器用な私ですら使いこなせるようになったので、慣れればどなたでも時間かからずにブーツの着脱が出来るようになると思います。

白樫さんが作るブーツの履き心地自体は1足目のバルモラルブーツで既に体験済みですが、相変わらず最高です。つま先から足首までが防護されている感覚。レースアップと比べるとボタンブーツの方が足首まわりが余裕ある感じになるものかと思っていたのですが、少し感触は違うもののかなり高い精度で足首にもフィットしています。バルモラルブーツはスエード、ボタンブーツは手揉みキッドレザーという素材の差もあるかもしれませんが、そのあたりはもう少し履き比べてみないと何とも言えないところ。今の時点でひとつだけ言えるとしたら、足首周りはあまり硬すぎない革にした方が気持ちがいいと思いますし、ボタンの着脱も楽かなと。白樫さんがおすすめの素材を教えてくれるのでそれに従っておけば間違いないですが、履きにくい靴はそのうちに履かない靴になってしまう恐れがありますから、あくまでも実用性についてはきっちり考慮して素材を選ぶと良いと思います。

何よりもこの、佇まい。こんなの見たことがありません。前回トランクショー時「格好良いけど、自分には履きこなせるか分からない」というお客様も何人かいらっしゃいました。履きこなせているかなんて私も自信があるわけではありませんが、そんなことは置いておいて、とにかく「なにこれ!かっこいい!!履いてみたい!!!」と本能を揺さぶられるこの体験こそFelixを選ぶ醍醐味ではないでしょうか。私はもう、もっともっとボタンフックを上手に使いこなして、会社の飲み会のときなんかにチャッチャッチャっとさりげなく見せびらかすのが楽しみでなりません。

この日は白樫さんもFelixの試作品を履いていたので、インペリアルビル内の各所で記念撮影をしました。アトリエ、踊り場、階下のテーラー、玄関など。ここまでこだわり尽くされたボタンブーツは他に見たことがありませんが、それが2足も揃うとそれだけでまず圧巻です。これからTTBOでオーダーいただいた分としては2足のボタンブーツを製作いただくわけですが、Felix完成を記念して白樫さんとは『ボタンブーツクラブ』を発足し、白樫さんと私、そしてお客様と一緒に、ボタンブーツをドレスコードにした小旅行を計画しています。旅行の日程や訪問先についても既に決定しているのですが、そのあたりのお話はまた機会があればブログでご紹介したいと思います。

翌日も我慢できずに、会社へFelixを履いていきました。H.Lesserの11/12ozで仕立てた今シーズン最高のTTBOSUIT匠と合わせて、シャツはRYO IKEDAのビスポーク、そしてネクタイはFox Brothers。なんとなく、きっちりタイドアップして履きたくなるブーツです。自然と背筋も伸びるような高貴な靴。

1足目のガロッシュブーツと並べて記念撮影。こちらも国内&海外旅行の相棒として各地を歩き回り、ソールに穴が開いてしまっています。今回納品時に白樫さんには修理をお願いしたので、まもなくアトリエに里帰りの予定につき、つかの間のペア撮影。ライトブラウンと黒が揃ったので、あと足りないとすれば焦げ茶でしょうかね・・・人生で一回は頼んでみたいと思っていた白樫さんのブーツが、贅沢にも既に2足揃ってしまいました。

ただこれは、白樫さんの件に限らずですが、お気に入りの職人や店、商品やサービスが当たり前に存在し続けてくれる保証など、何処にもないのです。ボタンブーツFelixにしたって、ボタンホールを白樫さん自身が手縫いして仕上げるなどその生産工程はやはり大変のようで「来年分はもしかしたら受注分減らすかも」とのことでした。減るくらいならまだ良いですが、たった一人白樫さんが「もう靴作り、やーめた」と気が変わった時点で、FelixどころかT.Shirakashi Bootmakerの靴は二度と手に入れることが出来ません。TTBOにしたって今のところおかげさまで事業を続けることが出来ていますが、私が急に体調不良で倒れることだって十分考えられます。元々「推しは推せるときに推せ」という考えは持っていましたが、自分で事業を始めてからはよりその思いを強くしました。そういう意味では、資金繰りギリギリの中でも短期間で2足オーダーしてきた過去に自分に対して、全力の拍手を送りたいという思いはあれど、後悔の念など微塵もありません。

大変お忙しい職人さんですので、白樫さんのトランクショーは定期的に開催することになっているわけではないのですが、前回ご注文分のご納品もありまして12月27日および28日にTTBOで三度目のトランクショーを開催予定です。詳細の発表はまだですが、各種MTOモデルや、新製品であるRTW版ガロッシュブーツのご予約も承る予定です。2027年生産分のボタンブーツFelixにつきましても、足数限定にはなりますがオーダーを受付します。既にご常連様からは、オーダーの相談などご連絡をいただいております。予約開始についてはInstagramなどで告知していきますので、T.Shirakashiファンの皆様は年末の爆散を覚悟しておいてください。私もこれだけ煽っているので、真剣に考えます笑 一緒に頑張りましょう!

コメント

タイトルとURLをコピーしました