20歳〜30歳。

日常

1990年9月生まれの私は、今年30歳を迎えます。10歳の頃にどんな節目を迎えたのかは覚えていませんが、20歳の成人式に両親が贈ってくれたモノは覚えていますし、それはその後の10年に多大な影響を与えました。

20歳前までも服は嫌いではありませんでした。それなりにこだわっているつもりでしたが、それは今とは全く方向性が違って、その都度てんでバラバラなベクトルのファッションをその場限りで楽しんでいました。(衝撃の告白かもしれませんが、ニコルクラブを好んで着て茶髪パーマにしてみたと思ったら、黒髪テクノカットにチェックのサルエルパンツを穿いたり)

初めてREDWINGのベックマンを買ったのが2009年頃。服は相変わらずでしたが、その頃の私は革靴の最高峰がREDWINGだと信じていました。そのREDWINGの中でも最も高級なラインとして発売されたベックマンブーツを手に入れ、優越感に浸ろうと思っていたら、買ってから色々と調べていくうちにブーツ界にはホワイツ、革靴界にはオールデンなどさらに高いブランドがあることを知ります。「靴に10万!?」と大学生2年生の頃、オーケストラが忙しく時給800円のバイトに週2,3日しか入れない私は衝撃を受けました。

その後レッドウィングはレアアイテムを含めて全部で4足買ったけど
手元に残っているのは最初のベックマンだけ。

それから間も無く、成人式の季節がやってきました。私は三人兄弟(私・妹・弟)の長男、我が家で初めて子どもが成人式を迎えるにあたって、両親は「せっかくだからスーツの上に着られてずっと使える良いコートをお祝いに買ってあげよう」と提案してくれました。

“良いコート”が何なのかよく分からないなりに、自分で気に入るものをまず探してみなさいと言われたので名鉄百貨店や高島屋などを歩き回ってみました。色々試した中で、最も気に入ったのが当時三陽商会が日本で展開していたBURBERRY BLACK LABELのグレンチェックのダッフルコートでした。一度帰って母に相談し、写真などを見せてから後日ウキウキで買いに行ったのを覚えています。「バーバリーはバーバリーしかない」と思っていたので、ロンドンだとかブルーレーベル、また三陽商会のライセンスブランドではない本国オリジナルがあるということも当時はもちろん知りません。ただ漠然と私の中で「そうか、これからは高くて良いものを買って、長く使っていこう」という意識が初めて生まれた瞬間でした。ほぼ時を同じくして、私は雑誌ブルータスの2010年10月号「職人、高くて良いもの。」という秋冬ファッション特大号に出会います。この一冊で「高いものには高いだけの理由があるのだ、職人さんが手間隙かけて作った想いの込められた作品が素晴らしいものなのだ」という基本スタンスを植え付けられます。

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BRUTUS 2010年 Maison Martin Margiela Book

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長くなりましたが、かくして私は20歳になった頃に、両親が送ってくれた初めての“良い服”と一冊の雑誌によってその後10年の服飾に関する理念が固まり、それ以来マーガレットハウエルやエドワードグリーン、ジョンロブなど様々な良いモノを大学生のうちに体験します。バイトは続けるうちに時給が815円になっていました。家庭教師もやりました。稼いだお金はほぼ全て服や靴につぎ込みました。それでも、今まで集めてきた名品たちは今でも現役、成人式のダッフルコートだってまだ使っています。三陽商会だろうがブラックレーベルだろうが、とても思い出深いコート、今着たって全然おかしくありません。もちろんファッションのことだけではないですが「良い10年だったなあ」と今振り返ってみてしみじみ感じます。

「じゃあ、これから先の10年はどうする? どんな30代を過ごしたい?」

このテーマについて、今度は書いてみようと思います。 

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