THE TRUNK BY OBOIST HIBIKI NAKAMINAMI ①

THE TRUNK BY OBOIST

TTBOでこの冬発表予定のアイテムについてHIBIKI NAKAMINAMIと打ち合わせをするために、軽井沢を訪問してきました。この春に東京から拠点を移し、ブランド自体も新たなフェーズへ移行する準備を進めているヒビキさん。このブログがきっかけでレザーのショルダーバッグを手に取られた方もいらっしゃるかもしれません。早朝に愛知を車で出発しゆっくり向かって4時間半。今回はヒビキさんに会うことのみを目的としていましたので、企画以外のことも話題も含めてじっくりお話しを伺ってきました。

10時半頃に軽井沢市内のコンビニ駐車場で待ち合わせしていると、ヒビキさんが車で迎えに来てくれました。「別荘が立ち並んでいて分かりにくいので」と彼が運転する車についていき、まずはご自宅へと案内していただきました。

軽井沢の地価はコロナ以降一気に上昇し、近くにはビルゲイツの別荘(6600坪ですって)もあるとのこと。自家菜園の収穫がひと段落したところだという庭のベンチに座って、チョコレートのような味のするコーヒーを淹れてもらいました。

「コレクションの時期って1~2日で1アイテム決めていくんです、非常にスピーディな意思決定の連続で、コレクションに並んだ中からいくつかのアイテムを量産用に選んでいくのですが、たまに“これって何の意味があるんだろう”って思えるときもあって。軽井沢への移住も、急に思い立ってその翌日に現地の不動産屋を見に行ったら“昨日空いたところなんだけど”とここを紹介してもらったんです。スピリチュアルなものを信じているわけではないんですけど、こういうタイミングをいつも大事にしようと思っていて」

と語るヒビキさん。とある日の早朝、野菜の収穫をしながら「オボイストさんに連絡しよう」と思っていたところに私から企画についてのDMが届いたそうで、とても驚かれていました。お互いに“今この瞬間、動き出すべきだ”と感じていたとは、嬉しい偶然もあるものです。

コーヒーをいただいてからはベーカリー&レストラン沢村へ移動して、食事をしながらTTBOで企画するアイテムについての認識をすり合わせします。向かいにある蕎麦屋・川上庵は以前妻や甥っ子家族と食べに行ったことがありますが、沢村も川上庵の会社が経営しているそうです。月曜日でしたが街には観光客がたくさん、駐車場もほとんどのところで満車となっていました。

テラス席でカルツォーネを注文ししばし歓談。虫や鳥の囀りで起床し、ご自宅の2階からは季節によって毎日表情を変える浅間山がよく見えるとのこと。早起きしてパートナーの方と二人で必ずコーヒーを飲むのが日課で、食事もゆっくり作ってゆっくり食べる。「人間は最終的には第一次産業に帰結すると思っている」というヒビキさんが、本来の人間らしい生活を送りながら感じたことが反映される次の展開が待ち遠しいですが、TTBOでの企画がその先駆けとなれることを大変光栄に思っております。生地がもちもちで美味しくて、隣接するパン屋コーナーではお土産に食パンとクロワッサンを買って帰りました。

道中に小諸で見かけた丸山コーヒーというカフェまで移動し、企画の詳細を詰めていきます。軽井沢の小さな一軒家のような本店から始まったという丸山コーヒー、「市内に2つしかない」というスーパーでもここの豆が売られていて、住民たちにとってコーヒーと言えばここというくらい馴染み深い存在になっているようです。小諸まで行くと平日の昼下がりの広い店内は空席もあり、ゆっくりと過ごすことが出来ました。

写真でいくつかのイメージを確認しながら「これは違いますよね?」「これの正面からはいまいちだけど、斜めから見たこの雰囲気は良いですよね」などと二人の間で感覚の齟齬がないように擦り合わせていきます。これから作っていただくアイテムはブランドとしても初めての試みです。

「デザインする上でのバランスが非常に難しいアイテムで、ずっとブランド単体ではなかなか取り組めなかった。ただずっとやりたい気持ちはあったので、TTBOで実現出来るのが嬉しいです。ここ半年ほどしばらく野菜のことばかり考えていたので、久しぶりにしっかりデザインすると楽しいですね笑 最適解が必ずあるはずで、間違いなく格好良く仕上がるイメージが出来ています」

早ければ年内にはTTBOでサンプルを披露できるかもしれません。受注は年明けに期間を区切って限定的に、納品は2025年秋頃…受注時にはヒビキさん自身のTTBO在廊日も設けたいと思っています。随時詳細を明らかにしていきますので、スペシャルなこの取り組みを皆様も是非楽しみにしていてください。

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