Bolero Wedding Oxford

二度目の仮縫いから三月経過し、ついに結婚式で履くためのハレ靴が出来上がりました。

Bolero Wedding Oxford

至って普通顔の黒のストレートチップですが、各所にこだわりをちりばめてあります。アッパーカーフはワインハイムレダー。革に詳しくなってくるとついタンナーや銘柄で頭でっかちになりがちですが、Boleroで靴を頼むようになってから感じるのは、「大事なのはタンナーじゃなくて、作り手がいかにして上質な革を選び、上質な部分を使うか」であることに気づかされました。今回も相当に良い革の良い部分を使ってあるのが見て触れて、一目瞭然です。

まず外観ですが、甲周りのステッチの形にこだわりました。通常の真っ直ぐ一本のタイプやスワンネックでは面白くないと思い、渡邊さんにそれ以外で馴染むデザインを、と無理難題を振って採用されたのがこちら。ゆるやかなカーブが美しく、靴全体のエッジが利きながらもどこか優し気な雰囲気作りに一役買っています。

もう一つ象徴的なのはヒールの方で切り返されたステッチによるデザイン。それも、ヒールカップに革を被せているわけではなく、この靴は完全な一枚革から成り立っているのがミソです。シームレスヒールでエレガントさが際立ちます。

かかとの後ろから履き口の真ん中あたりまではダブルステッチになっています。この辺りは渡邊さんのバランス感覚、これがシングルだったとしたら若干デザインに間の空きを感じるところでしょうが、細かいところまで抜かりがありません。

靴ひもに関しては先端が黒いブラスのものが付いていますが、渡邊さんにお願いして結婚式用にリボンタイプのシューレースを探してもらっています。

全体像。前回のスクエアトゥからラストを修正して、ラウンドトゥ寄りに。元々ラウンドトゥが好きなのですが、このほんのりとスクエアの名残を感じるあたりが絶妙で、トゥの形に関して私の中で完成した感があります。

Bolero第一号のジョッパーブーツと並べて。

ラストに関してはトゥ以外にも修正したい部分がいくつかあったのですが、今回はいよいよ完璧な履き心地に。上から比べてみると違いが良く分かります。

KOKONのStaffordと同じく、この靴もおそらくビジネスで履くことはほとんどない宝物靴に分類されるでしょう。ここぞというときの為の。

半年後の式に備えて、ゆっくりと馴染ませたいと思います。屋外での着用写真などを撮影して、またこちらで紹介させて頂きます。

コメント

  1. gohkiti より:

    満を持して・・・!
    オボイストさん、こんばんは!そして完成おめでとうございます(^^)
    黒ストは前に主張する靴ではない分、完成した靴に無言の凄みを感じます。
    控えめながらアデレイド状の曲線を描くステッチや、1枚革のシームレスヒールなど、品と美しさを湛えた靴に思わず唸ってしまいました。
    ジョドファーの経験もしっかり次に生かされていて、ビスポークの醍醐味を再度実感。もう羨ましくて仕方がありません。
    結婚式は半年後とのことですが、いよいよ役者が揃ってきて、入籍ももう目前。今から本当に楽しみですね♪

  2. オボイスト より:

    gohkitiさん(^ ^)
    コメントいただきましてありがとうございます!

    せっかくビスポークなんだから…と、つい他にないデザインにしたくなってしまってボレロさんを困らせたかと思いますが、結果的に大満足の一足になってとても嬉しいです(^ ^)

    木型に関して、何足か作り上げて行く中でトゥシェイプや履き心地を追求して、段々と木型も洗練されていくのを感じられ、あーこれがビスポークか…と噛み締めているところです。(次はスエードのダブルモンクが欲しいんです…笑)

    準備期間が楽し過ぎて毎日幸せです、一緒に住むのも間もなくですから残り少ない独身生活を謳歌したいと思います(^ ^)笑

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