重松清『木曜日の子ども』

これはもうまさに大好物・・・と思ったんだけれどなあ。
重松清『木曜日の子ども』
 
発売日:2019年1月31日
形態:単行本
ページ数:419
オススメ度:★★★★☆
本来順番で行けば冲方丁を読むはずが、その不気味な表紙とタイトル、そして少し立ち読みしてみれば七年前にニュータウン・旭ヶ丘の中学校で起きた凄惨な事件から始まるこの本。ぐっと引き込まれて3分の2くらいまでは正体不明の恐怖で先が気になり、それこそ夢中になって読みました。
ずっと独身だった主人公は42歳の時、14歳の連れ子のいる妻と結婚。旭ヶ丘にある一軒家をリフォームし共に住み始めるわけですが、連れ子の晴彦との距離感を上手く取れずに悩んでいる描写はまさに男として共感できる部分、つい感情移入して読んでしまいました。
私は連れ子のいる女性と結婚したことはないし、自分の子どももまだいませんが、年頃の男の子と急に一緒に住むことになったらそれはそれは難しいことなんだろうな・・・と。
やがて、まわりからは7年前の事件の犯人と晴彦は面影がよく似てると言われ始め、主人公はすでに解決済みと思われた過去の事件に巻き込まれていくわけです。
本当に面白かったのに・・・。
最後の方、どうした???
世界の終わり、福音、聖者・・・いきなりカルトっぽい用語が並び始めて、まあそれならそれでいいんだけど、犯人たちの意志も目的もイマイチよく分からないまま中途半端に救われてジ・エンド。いっそのことバッドエンディングにしてしまえば良かったのでは・・・? 途中まで本当に面白かった分、非常に残念。この手の小説にありがちだけど、あんまり話を広げ過ぎると回収するのが大変なのかな。クドイですが、途中まで本当面白いです、なんだかんだ言ってそこそこオススメ。でも最後どうした。

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