原田ひ香『DRY』

原田マハを探していたら、その隣に気になる一冊を発見したので読んでみた初めての作家さん。
 
 
原田ひ香『DRY』
 
 
発売日:2019年1月30日
形態:単行本
ページ数:300
オススメ度★★★☆☆
 
 
読後のレビューがたくさん掲載されている読書メーターでは非常に評価が高いこの一冊。出来るだけ先入観なく楽しみたいので基本的に読む前にレビューを見ることはなく、この本についても読み終わってから調べてみたのですが、私の中ではう〜ん・・・という感じで。
 
 
 
 
半分くらいまで読み進めて「暗いし、出てくるの意地汚い女ばっかりだし、この先面白くなるのかしら・・・」と不安になってきたところでいきなり!急転直下のサスペンス。おおこれは・・・と期待しましたが、ちょっとグロい描写が続きそのままラストまで。
 
 
 
 
 
確かに、元々育ちは悪いがプライドは高い女が、袋小路に住む隣人や祖母・母親の影響でどんどん人として堕ちていく描写は見事だったし、隣人の「私の介護労働はどこにいっちゃうの? 私は介護したんだから、正当な報酬を受け取る権利があるんじゃないかな」という言葉は、たとえ狂気の中にあっても、昨今の老老介護の社会問題を盾にすればある程度の正当性を感じざるを得ないし、人殺しの主張に正当性を感じてしまうような日本の現状に対する問題提起も。一体何が・・・多分、単純に肌に合わなかったのかな。
 
 
300ページとちょうどいいページ数ですので、出掛ける気力のない陰鬱な気分の休日のお供にいかがでしょうか。たちまち次の日へのやる気が・・・湧いては来ませんが、「ここまで堕ちぬように真っ当に生きよう」とは思えることでしょう。
 
 

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