香港から待ちに待った荷物が到着しました。
マークチョーとアレンシー率いるArmouryのオリジナルシューズについては、以前もブログで触れたことがあります。フクダヨウヘイ氏がラスト・デザインなどを監修し、ノーザンプトンの歴史あるシューメイカーで作られるArmouryのシューズコレクションは、どれも高い完成度を誇る一方で手に取りやすい価格帯で展開されており、いつか香港に行く際には必ず買って帰ってきたいアイテムの筆頭。
ある日、Armouryのアウトレット店でもあるdrop93で、そんなArmoury shoesのマイサイズが叩き売りされているのを見つけました。ブラックのウィングチップで、シューツリー付き。しかも写真を見る限りではほとんど履いていないミントコンディションで、よく見えないけどこの一足だけシューツリーがやたら高そうなものが付いている。靴箱は付属しないということでしたが、私はほとんど全ての靴箱を捨てる派ですので全く問題なし。新年一発目のお買い物はこれだ!と思い即決・・・したいところでしたが、履いたことのないブランドの靴ですからやはりサイズや足との相性が心配です。
そこで、厚かましいかな・・・と思いながらも、飛田さんの時計の件で少しだけやりとりをさせていただいたマークチョーさんご本人にサイズについて質問してみました。instagramでメッセージを送ったところ、ものの10分ほどでお返事をいただきました。下手な英語を駆使し(最近“要は伝われば良いのだ”と割り切ってる)、私が履いている代表的なサイズの合う既成靴をピックアップし記載しました。改めて見返すとEdward Greenについては一体何のラストの6.5Eなのかこれでは分かりませんね笑
すると「多分大丈夫だよ! 我々のラストはエドワードグリーンの6.5E UKととてもよく似ているからね」と返信が。憧れのマークさんと少しだけでもやりとりを生じさせるきっかけとなったこの靴、やはり買わないわけにはいかないとすぐに決済。翌日には発送をしてくれて、発送から5日で我が家に到着しました。コロナ禍でも迅速な配達、感謝致します。
実は私、中古の靴を買うのはこれが初めてでして・・・少々不安だったのですが、梱包を解いていくうちに解消されました。こちらです!
モデル名はGloucester。香港にある有名なストリートの名前に由来するそうです。KOKONを取り扱う横浜のグロスターロードと同じGloucester。ウィング部分に注目、ステッチで表現したイミテーションフルブローグです。横から見たシルエットが非常に美しいですね。
インソックにはショップのロゴがヌメ革に刻印されています。履き込まれていれば一番に汚れが目立つ箇所かと思いますが、ほとんど履かれた形跡がありません。
ソールはオークバークを全カラスのチャネル仕上げです。余計な装飾を入れないところに美学を感じます。やはり履き下ろしで一度履いた程度、トゥもヒールもほぼ減りなし。
待っている間、ノーザンプトンのどこの工場なのだろうと色々と調べていましたが、どうやらチーニー製のようです。オフ会などでもお世話になっているシーマンさんが教えてくれましたが、インソックの刻印である程度メーカーが判別出来ることを知りました。
アッパーはワインハイマー。「タンナーで革質が決まるわけではない、どの革のどの部分を何に使うかが重要だ」というのが私の持論ですが、こちらの靴も最高級のものとは言えないが必要十分な質感だと言えます。決して悪いわけではありません、少し硬め、磨いていくうちに自然な艶が出てきそうなところはいかにもワインハイマーらしい。
最上グレードではないにしても、この革をフクダヨウヘイ監修のラストにグッドイヤーでオークバークソール・・・元々500ドルを切る値付けがされていますが、プロパーでも十分に買いです。
そして一番の謎であるこのシューツリー。Armouryのサイトで販売されているオリジナルのものとも異なりますが、完全にこのラストのために作られたと思われるフィット感、そして上質な素材が使われていることが分かります。
何より驚いたのはこの肉抜き加工です。これはBoleroなど一部のビスポークシューメイカーでも採用されているようなタイプで、非常に軽く通気性も高い代わりに、手間がかかるため1セットで3万円ほどするのが玉に瑕。第三回オボイスト会でお会いしたMさんもインスタで「サンクリスピン製に見えますが、ツリーだけで販売価格の倍以上する気が、、、」とコメントしてくれました。なぜこんなに高価なものが付属されていたのか謎ですが、私が思うにこの靴自体が製品版を発表する間際に作られたサンプル品か何かなのかと。一応マークさんに質問しているので、お返事がいただけた場合には追記しようと思います。
そして早速足入れ・・・うーんこれは良い靴のフィッティング、サイズもバッチリです! 羽根も程よく開いていますが、グッドイヤーウェルトですから沈んだ後に完璧な具合に収まることでしょう。
ウィング部は大きめに取られていて足が大きく見えます。クラシカルでありながらも非常にエレガントな雰囲気を醸し出しています。ソフトチゼルトゥも私の好みど真ん中。
履き口の笑いなどもありませんし、トゥにかけては割と広めな設計をされているため私のような幅広の足の方にはおすすめ出来るラストです。ヒールカップも小ぶりで、まだ新品なので左足のみほんの少し浮く感じはありますが、これは経験上履きこむうちに食いつきが良くなるものと思われます。(オボイストモデルの時もそうだったように)
いても立ってもいられず、プレメンテナンスを施したのちに早速履きおろし。めちゃくちゃ格好良いではありませんか・・・オークバークソールの上質感もダイレクトに伝わってきます。アッパーの革質よりむしろソールの質感に惚れました。アウトサイドの直線的な伸びも良いですね〜。ここが丸い感じの靴はあまり好みではありません。
というわけで、あれだけ各方面で「中途半端な靴は迎え入れたくない」などと言っていたのにも関わらず、新年早々新入りをゲットしてしまいました。セールでお得だったことも、靴自体が素晴らしいことも嬉しいポイントではありますが、私にとって何よりプライスレスなのはマークチョーさんとご縁が出来たこと。香港情勢とコロナが落ち着いた暁には、必ずこの靴を履いてArmouryに会いに行こう。
コメント
オボイストさん、こんにちは!
年始早々、素晴らしい買い物ができましたね(^^)。
それにしても何とも羨ましいポスト、嫉妬してしまいます。。
数は厳選しなければ、なんていつも思うのですが自分もついつい数が増えてしまいます。
今回はまた印象深い1足だけになおさら手に入れないわけにはいきませんよねぇ。
オボシャツの方も順調に進んでいるようで、いやはや年始早々ワクワクするネタがいっぱい!
ブログのファンとしては嬉しい限り!
今年もよろしくお願いします♪
gohkitiさん、コメントありがとうございます、そして遅くなりましたが本年もよろしくお願いします♪
いやー今回はツイてました! 結局シューツリーもサンクリスピンのもので、このタイプのツリーを中古で買うような値段で綺麗な靴まで手に入るとは。
Armouryは気になるものがたくさんあるのですが、スポーツチノとオリジナルシューズは絶対に欲しかったものなので、この機会にお試し出来て良かったです(^^)
オボシャツ、マルヤスさんの仕事が早いのでもうサンプルが仕上がってしまいそうな勢いです! 完成後またアップしますので是非アドバイスをください。
本当に、書くのが追いつかないほど面白い企画がたくさんですが、ブログ9年目もフルスロットルで駆け抜けたいと思います♪