5月にオーケストラの本番で神戸に行ったとき予約しておいた鞄が、いよいよ出来上がりました。
予約しておいたのは、ルボナーのマエストロ。幾色か出来上がった中から、シュランケンカーフのオレンジ色とソフトスノーカーフのワイン色を名古屋まで送ってもらいました。
モノを選ぶとき、迷っていても実物に触れてみればそれほど迷わずに決まる性質です。
その時の心境に寄り添うものを選ぶようにしていますから、その日の服だとか、元気なのかそうじゃないのかとか、そういった諸々の影響を受けながら。
しかし今回は迷いに迷いました。どうやっても決められないから、アイスコーヒーを飲みながら時間をかけてただ眺めてみたり、バッグを膝の上においてみたり、屋外に連れ出してみたり。
そうすることで少しずつ、今の自分にとっての答えが見えてきたのです。
最終的に選んだのは、ソフトスノーカーフのワインのマエストロ。
ワインを選択した最大の理由が以下の2点。
・今回のテーマは“休日を豊かにしてくれる鞄”であること
・仕舞われていた箱から出てきたときの感動
“オレンジ色の良いカバン”は私にとって憧れのもののひとつでもあります。
オレンジのマエストロを持ってみるとすごく印象が変わるし、ジーンズにも合う。悪いところはありませんでした。
ただ、鞄を実際に持ってみると、より持ち主に馴染み、寄り添うような心地がしたのはワインだったのです。
これは、革がソフトスノーカーフであったことも大きな要因といえます。
シュランケンカーフはソフトスノーカーフとすごく似ていましたが、比べてみると若干ではありますが硬く、触れた感じはなんというか・・・乾いています。
それに比べてソフトスノーカーフは油分を多めに含んでいて、より柔らかく、もっちりとした感触。
手に提げたとき、重力によってタテ方向に長くなったときのシルエットもこちらの方が好みでした。
本当に、若干ではありますが、オレンジのほうが硬い分四角いシルエットを残そうとする力が強かったのです。ワインはぶりんっと、少しサイドが内に入って美しくなるというか。
持っていて落ち着く、私に合わせてより姿を変形させて身体にフィットするのはスノーカーフだと感じました。要するにこちらの方が私にとっては“休日向き”だったのです。
2点目については完全にフィーリングです。
大きな段ボール箱にふたつ、仕舞われていたのですが、ワインが出てきたときの方が感動が大きくて。理由はよく分かりません。
(たぶんこのあたりが目に入ったときに心が動いたんだったと思います・・・ワインとシルバーのコントラストの景色がすごく美しかったのです)
そんなわけでようやく手に入れた理想の鞄・マエストロ。
ワイン色に至った理由だけで随分長くなってしまったので、次の記事にて、マエストロの詳細について記していきます。
コメント
[…] バッグはルボナーのマエストロ。ぺリンガーのソフトスノーカーフで仕立てられた珍しい個体。手に入れてから現在6年2ヶ月ほど経ちますが、じっくり経年変化してくれています。20年後の表情が楽しみな鞄です。 […]