先期に残すことの出来たある記録について、本社で表彰される機会がありました。
入社以来「営業人生で一回でも獲得できたら」と思って頑張っていた賞なのですが、4年目の締めくくりに、想定していたよりもいいペースで獲ることが出来ました。それでせっかくの表彰式なので、スーツを一着準備しようと思っていたのですが、なんだかんだで忙しく、ギリギリまで動くことができず。
式の二日前になってようやく見に行くことが出来て、トゥモローランドのオリジナルのものを購入しました。
生地はエルメネジルドゼニアのサマーウールを使用した一着。
黒いスーツを・・・と思っていたのですが、フミヤさんに頼もうとも思っているし、試着してみたら結局ネイビーのが似合う気がしてこちらのものに。
買った翌日、まずは着られればいいとパンツの直しと袖のボタン付のみを近くのところで頼みました。(これが対応・仕上がりともに酷いもので、、、後日、サルトに持ち込んでしっかりやり直すつもりでいます)。
靴はボレロのウェディングオックスを。ビシッと決めたい時にはまずこの靴です。気持ちが引き締まる。
当日の朝、この件で掲載される社内新聞用に寝起きの妻に撮ってもらった写真。シャツはボリエッロの出来たてオーダーシャツ。
同じ賞が、実は今月もチャンスがあり、うまくいけば連続受賞の可能性も・・・ということでもうしばらくは仕事中心の生活が続きそうです。こういうのは勢いのあるときにやってしまった方がいいから。
とはいえ、そろそろ何か例の「待つ楽しみ」が欲しくなってくる頃。Instagramで「仕事でここまでやったらエルメスのサックアデペッシュが欲しい」と発言しておりましたし、実際にエルメスにも見に行って、中古市場も漁ってみました。
これまで、私の中にある「エルメスはとにかく最高」という幻想から逃れるために、それに敵うブランドを探したり日本のカバン職人を調べたりしてきました。しかし結局は、一回はエルメスのバッグを持ってみないことにはいつまでもそのイメージの支配から抜け出せないと思った為です。エルメスのすごいところは、手縫いのハイクオリティのバッグが世界中で既製品として手に入るというところにありますが、それにしてもやっぱり・・・高い!!
で、結局堂々巡りというのか、自問自答。
「エルメスのバッグを一つ買うのか、同じお金を出して同じく憧れのFugeeやOrtusのバッグを二つ揃えるのか、自分はどっちがいいのか」
やっぱり、自分の中で答えは決まっていて、それなら私のために作られたたった一つのバッグの方が、どうしても価値があるように思えてしまうのですよね。
そこからさらに考えるのは、「東京までバッグをオーダーしに行く必要性がどの程度あるのか」ということ。オーダーしたからにはその後のことも考えて、例えば錠前が壊れたり革が切れたりコバが削れたり、長年使っていれば自分で出来ない修理も必要となってくるでしょう。その度に東京へ送るか持ち込むかして直しに出すのか・・・それだったらいっその事、日頃何気なく遊びに行ける範囲にいる腕の効く鞄職人に作ってもらった方がいいのではないか、と。
そんな話を、次に頼みたい靴のイメージをボレロのアトリエで話している時に出てきたのが、やはりスージースヴェルト。妻に財布をプレゼントし、先日gohkitiさんも同じ型の革違いを買われた名古屋の工房です。渡邊さんが個人的に頼まれたという手縫いの財布を見せていただき、「腕の確かな人だから」と言われたのがやはり心強くて。靴と鞄、モノは違えど同じ職人さんから見てそう思えるのだから、間違いないでしょう。
早速、雨の中スージースヴェルトさんを訪問してきました。
私がスージーさんに行ったのは確か2,3回程度でしたが、店主の鈴木さんは私のことを覚えていてくれました。ルボナーのバッグが印象的だったとのこと。スージーさんのブログで、最近ルボナーの松本さんに会いに行ったという記事を見ていたので、この日はマエストロで訪れたのでした。
私の持っているイメージを鈴木さんに伝える。革については、元々はシュランケンカーフのトープで考えていたのですが、鈴木さんに見せていただいた「エルメスの端革」だというヴォーエプソンのエタンがとにかく気に入ってしまって・・・FugeeやOrtusと違って錠前は市販されているものを使われている為、気にいる物があるか心配していましたが、イタリアの上質な錠前で最高に格好いいブラスのものを写真で見せてもらって。
いろいろと私が細かく注文する為、ひとまず見積もりに二週間ほどかかるとのことでした。その後、どうするかまた考えたいと思っています。連絡を頂き次第、こちらでもご紹介します。
コメント
バッグ探し
オボイストさん、こんばんは!
そして表彰受賞、誠におめでとうございます!
4年で達成されえるのはかなり速いペースなのではないですか?今月もチャンスがあるなら、乗っている勢いのまま、ぜひ連続受賞を獲得しちゃってください(^^)
さて、バッグの件ですが、本当に悩ましい選択ですね。
とある目的のモノを探す場合は、値段や作りなど、モノ同士を比較して選択することができるのですが、明確に「これが欲しい」というモノがある時はなかなか代替が利かないですし、妥協をすると用は足りてもその後もずっとモヤモヤしたものが残ってしまいますから厄介です。
個人的な意見ですので参考になるかわかりませんが、今ならまだ手が届く範囲のモノも、いずれ子どもができたり家を建てたりしたら、大なり小なり今よりは自制心が働き我慢することも増えてきます。
私の場合はベルルッティのエ・ミーオでしたが、背伸びしたおかげでその後は自分にとってこれ以上のモノはいまだ出てきませんし、「これがあるからバッグはもういい」と言う気持ちにもなり、もはや「アガリ」の感すらあります。
「憧れ」って値段や質の良さ以上に価値や重みを増すことがあって、個人的には手が届くうちは背伸びしても手にしておいた方がいいと思っています。
何とも年寄り臭いアドバイスですが、子どもが生まれるまでの間に散財してくれたおかげで、今では買えないような靴やカバンが当たり前のように使えていると思うと、決して倹約家ではなかったですが、過去の自分のおかげで今があると思い、感謝に似た気持ちが湧いてきます。
スージースヴェルトさんの見積もりもこれからでしょうし、まだまだたくさん迷われると思いますが、ゆっくり可能性を1つずつ検証し、オボイストさんにとってぜひ最良の選択をされてください。続報を期待しています!
gohkitiさん(^_^)
いつもコメントありがとうございます♪
おかげさまでなんとか仕事もプライベートも順調で、日頃見守ってくださっているgohkitiさんにも本当に感謝です。
今回受賞したものは私のいる営業所では史上初とのことですので、つくづく私は運が良いと感じるとともに、思い出深い出来事になりました。年間三回の期間で争われるのですが、一回ではまぐれと思われても仕方がありませんので、このままの勢いで今回も受賞を目指して頑張ります^ ^
おっしゃる通りで、憧れを抱いているものに関しては実際の質以上に持ち手にとっては意味を成すようで、私はファッションに興味を持ち始めた頃からエルメスのバッグという特別な存在に憧れ続けている為、何を買うにしてもいつも天秤にかけてしまいます。
ただ、これまでただ憧れるだけで実際に見たことも触れたこともなかったエルメスのバッグを、実際に店頭で見て触って感じたものは、「非常にいいけど、まあこんなものか」という感触だったのも本当のところです。
大江洋服店やKOKON、ボレロと違って、作り手の血が通った、触れた瞬間に感じられる体温のようなものを、今回感じませんでした。
職人が一つ一つ手作りで作っているのはもちろんですが、あまりにビッグメゾン過ぎて実際に思い浮かぶ「人の顔」が無いことに起因しているのかもしれません。
その点、スージースベルトさんと打ち合わせをしていた時はやはりビスポーク特有の、「話し合いを経て私の趣味・趣向を理解してもらった上で、職人の技術・知識を持って生まれてくる」ということに、この上ない喜びを感じました。
まだ見積もりも来ていませんし、場合によっては状態の良い希望のカラーのエルメスがひょっこり現れるのを気長に待つことになるのかもしれませんが、ひとまず今の時点で感じたのはこんなところです。
それこそ、中古で見つかるのを待っている間に、もしくはFugeeやOrtusで頼んで完成を数年間待っている間に、子どもや家の購入などのビッッグイベントが起きてしまうかもしれませんし・・・^^;
Unknown
初めてコメントいたします。いつもオボイストさんの素敵な人柄が伝わって来るブログを楽しみにしています。
まずは表彰おめでとうございます。私も営業職ですが、よく思うのが「神様はみているなあ」ということ。自分に甘んじていると、やはり商いの切っ先が鈍るような気がします。今回の表彰も日々の努力の賜物ですね。(偉そうにすいません)
ここのところ、すっかり物欲を失っていたのですが、今回のブログを読んで、ただ作り手、売り手の思いが伝わって来るような物が欲しいだけだったんだ、と改めて考えさせられました。
私も諦めかけていた「最良のバッグ」を手にいれるべく、また動き出そうと思います。続報楽しみにしています。
J様^ ^
いつもお立ち寄りいただき、ありがとうございます。オボイストと申します、よろしくお願いします(^^)
ありがとうございます、仰ること、非常によくわかります。はっきり言って24時間365日常にパワー全開で臨むことは私は不可能だと思っていますが、不思議なものできっちり仕事していればちゃんと返ってくるのが営業職の面白くもあり大変なところですよね。
たまたま運も味方して今回達成することができましたが、二度やってこそ本物だと思いますし、引き続き仕事も頑張ります(^^)
使っていて心が豊かになるようなモノには、必ず作り手の思いが込められているように思います。使う人を想って、より便利に、少しの工夫を最高の職人技で実現されたモノにしかない魅力ですよね。
バッグ探し、なかなかインターネットだと難しいですが、実際に足を運んで話してみると色々と捗りました( ^_^) いいバッグに出会えたら是非また教えてくださいね♪