TTBOの準備をしながら、私はたくさん“買い物”をしています。建前上は「オーナーである自分が商品の良さを知るために、またなにか思うところがあれば改善できるように」ということにしているのですが、自分自身の趣向に沿って商品企画をしているのだから自分が欲しくなってしまうのは必然なんですよね。スーツやジャケットで作りたい生地もたくさんあり過ぎて困っていますし、時在シャツも既にオーダーしている自分用シャツを違うサイズで試してみたくなったりもしています。本当に楽しすぎて困ったものです。
昨日は、オープニングイベントでポップアップを開催していただく大阪のVintagewatch Decoの内藤さんにTTBOまでお越しいただきました。元々TTBOではアンティークウォッチの取り扱いをしたかったのですが、ツテもないし古物商の申請もしなくちゃいけないし、どうやるのが良いかなと考え始めた1月末頃。度々このブログにも登場している友人rainyforestが紹介してくれたのが内藤さん。rainyforest自身も内藤さんに会ったことはないそうですが、Vintagewatch Decoのアカウントがまだフォロワー数10数名だった頃からチェックし続けてきて、内藤さんもrainyforestのファッションに興味を持ちDM等でやり取りはしていたそうです。
rainyforestはTTBOのオープニングイベント期間中に念願の内藤さんとの対面を果たす予定ですが、私は一足早く打ち合わせで直接お会いして話す機会を得ました。お忙しい中新幹線でTTBOまでご来店いただき、イベントに向けて準備の整いつつある商品群の一部をチェックさせていただきました。これも要は「自分用はどれにするのかをみんなに買われちゃう前に選んじゃうぞ!」という職権乱用の一例です。
DecoはMust de cartier、通称マストタンクに特化した時計店です。実物を見るまで私はマストタンクについて「タンクの入門機」というイメージしかなく、いろんなデザインの文字盤があるのは魅力的だと思いながらも、自分のコレクション(Naoya Hida TYPE1C,Patek Philippe 5022G,KURONO TOKYO 34mm Persimmon)と比較したときに「物足りなさを感じてしまったらどうしよう」と内心不安に思っていました。時計については数を持っているわけでもなく経験が豊富なわけでもありませんが、今まで自分なりに厳選して手に入れてきた自負があるために失礼な話「マストタンクで満足できるの?」という自問自答を何度も繰り返しました。
しかしどうでしょう。内藤さんの仕入れたマストタンクはどれもキラキラしていて、提携する専門の職人さんが作ったものをはじめとするセンスの良い時計ストラップが組み合わされています。国内の提携職人による丁寧な仕上げ(ヴェルメイユの再加工やガラス交換、オーバーホールなど)を経たマストタンクは、これまた失礼な話Decoのインスタで見ていた写真より数倍素敵に映りました。「インスタの写真、あえて全てiPhoneで影とか入っちゃってる感じで撮ってるんですよ。実物見たときに、感動してほしくて」と語る内藤さんの策略に、私はまんまとハマっていました。スクエアの時計はずっと一本欲しかったこともあり、本気でどれにするのかを悩み始めました。「お付き合い買い」も視野に入れていましたが、この場で私は完全なる消費者に戻っていました笑
イベント時にはもう少し本数が増える予定ですが、私が特に気に入ったのは3本。国際永久保証書付きのグレーダイヤル、オパランと呼ばれる放射状に広がるローマン文字盤が魅力のモデル、そしてブラックローマンとともにマストタンクとして最初に発売されたアイボリーローマンの3つです。グレーダイヤルは内藤さんの言葉を借りれば「一番エロイ」モデルです。小さめのインデックスとグレー文字盤のバランスが秀逸で、Cartierでのメンテナンスが永久に無料(一部有料の修理内容もありますが)になるという保証書のついた貴重な個体です。最後まで迷ったオパランは他のモデルと違ってホワイトシルバーに輝く文字盤の仕上げがこの上なく美しく、バルコニーに出てお日様のもとで眺めると思わずうっとりしてしまうほど。オパランは男性だけでなく女性からも人気のモデルのようで、最近はなかなか手に入れるのも難しいそうです。
ギリギリまで悩んだ結果、私はド定番のアイボリーローマンを今回自分のコレクションに加えることにしました。抜群の肌馴染みと優しい雰囲気、そして提携職人が手縫いで仕立て「もう入荷しない予定だ」というTTBOカラーのグリーンアリゲーターストラップを組み合わせたときの衝撃的な腹落ち感にやられました。ずっと前から私のコレクションにいたかのような安心感です。TTBOをスタートさせるこのタイミングで、最初に発売されたというマストタンクの原点のようなモデルを手に入れられることにも意味があると思います。
お会いする前日に入荷したばかりでまだ修理前のため、ガラスも割れていてヴェルメイユも一部剥がれています。これから内藤さんがバチバチの状態に戻してくれるので、納品されるまであと1~2週間はステイです。既に待ちきれなくてそわそわしています。イベント時にはほとんどのモデルがメンテンナンス済みの状態でやってきますので、お買い上げいただいた場合は基本的にそのまま持って帰ることが出来ます。ベルトもたくさんの種類の中からお好きなものを選ぶことが出来ますし、尾錠は全てCartier純正品です。「マストタンクはベルトで遊んでほしい」という内藤さんの考えもあり、ベルトはイージークリックが搭載されています。時計好きには気軽に着用できるデイリーウォッチとして、はじめて良い時計を買いたいという方にはCartierが「持ってなくてはならない」という意味を込めて命名されたマストタンク、とても良いチョイスになると思います。
その晩、時在シャツの試着をしにさとしさんとおかてつさんがTTBOにやってきました。内藤さんがいることは伝えていましたが、時計を買うような話は全くなかったはず。それなのに気が付いたらさとしさんが、試着したブラックローマン(内藤さん一番おすすめの手巻き限定モデル)を即買いされていた姿には驚きました。さとしさんはそのままお持ち帰りです、正直、悔しい。笑 私より先に手に入れられるなんて・・・・羨ましいぞ!
まだまだ増える予定ですが、今ある中でも素敵なモデルばかりです。欲を言えば全部ほしいくらいなんです。ライブ中であることも忘れて途中ガチ悩みしてる私と内藤さんによるインスタライブ内で、何本かご紹介しております。よろしければ下記リンクからご覧ください。
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