富山金沢“出張” ①

Diary

さて、盛りだくさんすぎて何から書いていけば良いのか・・・とりあえず、時系列に沿って進めていきます。

4/21-22と私は半年ぶりに富山金沢旅行・・・否、出張に行ってきました。夏は金沢からの富山でしたが、今回は順番が逆です。主な目的地は前回と違いはなくFoggy&SunnyとKOKONです。21日の朝、富山に出発する前にヤマト運輸でピックアップしたこちらのマストタンクは、THE TRUNK BY OBIOSTでトランクショーを開催するVintagewatch Decoで購入したアイボリーローマン。職人によるヴェルメイユ再仕上げとメンテナンスを経て、私の元へ到着しました。前回の記事で登場した時は入荷したてでしたが、メンテナンス後はほぼ新品に見えるくらいに綺麗になっていました。

サイズはLMでクオーツムーブメントの個体です。自分で選んだストラップと組み合わせると、定番品ながら特別感が生まれますね。2針のためクオーツであることはぱっと見では分かりません。とにかくこのデザインとカラーリングが格好良すぎて。妻と私のブランドatelier meisaのブレスレットと重ね付けしてもよく合います。

手に入れたばかりの時計を腕に装着し向かったのはFoggy&Sunny。これで来るのは3回目、いよいよ周辺の地理もだいぶ頭の中に入ってきました。近隣のコインパーキングへ車を駐めて、この日開催されているT.Shirakashi Bootmakerと尾作隼人のWトランクショーを覗きに行ってみましょう。

「毎回土曜日は忙しいんだけど、日曜は比較的空いててね、いつものんびりやってるよ」と中川さんが出迎えてくれました。ずっと連絡を取り合っているので長いお付き合いのように錯覚してしまう白樫さん(実際に会うのは今回が二度目)、正真正銘初めてお会いする尾作さん。「パンチさんの投稿などでいつも拝見しています」と、写真で見るよりも随分とスリムな尾作さんが声をかけてくれました。

白樫さんの元へ靴作りの留学に来ているという、オーストラリアの靴職人ジョセフさん。ちょっとした合間に日本語を勉強する紳士です。オーストラリアは靴職人という存在自体が皆無だそうで、木型屋など靴関連の業者も全く無いとのこと。今回は靴作り自体を学ぶのと同時に、サプライヤーとのパイプを繋ぎにいらしたようです。白樫さんがあらかたお手伝いしてくれているのだろうから、ジョセフさんにとっても非常に心強く感じていることでしょう。

オーストラリアではカジュアルなスタイルや乗馬時に履けるようなデザインの靴が中心とのこと。国の文化によっても人気の靴が変わってくるというのも面白いですね。この日はご自身で製作されたスエードのチェルシーブーツを履いていました。

程なくして、Foggyで待ち合わせにしていたkinoさんが登場します。kinoさんは初日にも来られていたようですが、私のためにこの日は時間を作って会いに来てくれました。ブーツに続く2足目の靴も完成です。Uウィングダービーはトゥのボリューム感がしっかりあってデニムなどに合わせても格好良いでしょう。

kinoさんの靴の作り込みが凄すぎて、やはり私もビスポークが一つ欲しくなってしまいます。靴の持つ圧倒的なパワーというか緻密さの積み上げによる強固な塊感。最初にビスポークを頼むなら、やっぱりパンチドキャップトゥかな・・・などと想像しながら、まずは今頼んで納品を待っているブーツが来てからにしよう。

初対面の尾作さんは現在新規のビスポークオーダーは受付停止中とのことで、この日は納品がメイン。ビスポークとは別で尾作さんがパターンを引いたエミネント製パンツのオーダーを受け付けていたので、私も試着させていただきました。

「今まで作ってきた既製品・パターンオーダーラインの中でも一番気に入っている」と尾作さんが語るこちらは、ビスポークと比べると若干股上が浅くはなりますが十分な安心感があり、ストンと美しく落ちるシルエットがまさしく尾作さんのパンツらしい。価格帯もリーズナブルで、エミネントがまとめて生地をストックしてくれているからこそ実現できるものとのことです。こんなの我慢できるはずもなく、この試着サンプルをそのままいただきたいくらいでしたが、、、

「グリーンが好きで」と話すと尾作さんが提案してくれた、ヴィンテージファブリックのような表情の生地でお願いすることにしました。こちらについては既製品として展開のあるものだそうで、パターンオーダーである必要もなかったのでそのまま取り寄せてもらうことに。そのため商品代も1万円くらいお安く済みました。ラッキー。早ければTTBOのオープンイベントにも間に合うかもしれません。

いつもの日曜日よりは終始人の出入りがあり、職人の皆さんもお客様対応で忙しそうです。若々しい尾作さん、少し前に体調を崩されてから食生活を改善しかえって健康になったということですが、お肌もスベスベで羨ましい限りです。特別なケアをされているわけでも無いということで、私も臭いラーメンばっか食べてる場合じゃないなと反省・・・笑

熱心にお客様のお話を聞いて丁寧に靴の説明をする白樫さん。ちょっと驚いたのは、この日納品のお客様で革靴の知識はほとんどない状態で白樫さんの靴の納品を迎えたお客様がいらっしゃったことです。中川さんのお知り合いとのことですが、靴の基本的なメンテナンス方法(ブラッシング等)やデザインの種類などについても全くご存知ではありませんでした。ただしとても足の大きい方でなかなか合う靴がなく困っていたところに、中川さんの提案により初めてのビスポークを白樫さんでお願いしたとのこと。

「最初ちょっときついのかなと思ったけど、履いているうちにどんどん馴染んできてる!すごいなこれは、感動だ」と心から嬉しそうにされている姿が非常に印象的でした。最初に選ぶ高級な革靴が白樫さんの靴となると、もう他を選ぶことは出来ないんじゃないだろうか。

ジョセフさんも手伝いながら受注を重ねていく白樫さん。TTBOでも秋頃にトランクショーを予定しておりますので「こんな感じなのかな」とイメージを膨らませることが出来ました。ジョセフさんにも拙い英語で「もし日本でトランクショーをすることがあれば、僕でよければいつでも協力します」とお伝えし仲良しになりました。

kinoさんにはご試着していただくために持参してきていたTTBOスーツを試していただきました。私のサイズなので完全ではありませんが、スタイルを気に入っていただき5月末にTTBOまでオーダーしに来てくださる予定です。その日も受注会として開催しようと思っていますので、他のお客様で気になる方がいれば引き続きチェックをお願いいたします。

そして中川さん。去年の8月にFoggyを訪問していなければ、きっとTTBOを立ち上げようという決心はつかなかったと思います。中川さんにはお店のことを直接お伝えしたかったのであえてDM等でお知らせしていなかったのですが、ようやくご報告することができました。とはいえkinoさんやインスタを経由して私がお店をやることについてはご存知で「オボさんらしく、楽しんでね、スローにさ」と中川さんらしいエールを送ってくれました。富山でこんな素敵なショップを構える中川さん、私も三河安城という辺境の地で、頑張ってみます。

楽しい時間はあっという間にすぎ、中川さんや白樫さん、尾作さんらが荷物を段ボールにまとめてトランクショーは閉幕です。白樫さんとジョセフさんは靴関連の知人に会いにいったん金沢へ(宿泊先は富山でまた戻ってきたそうですが)。尾作さんもですが、職人さんたちをその場に居合わせたお客様たちがそれぞれ車で駅まで送っていってくれて「チームフォギー」のリレーションシップを感じました。私はkinoさんと夜ご飯をご一緒する予定だったので、予約してくれていたお店へと歩きます。

「グルメな知人がリピートしているのをみて、私も初めてなのですが・・・」とお店に到着です。富山の海の幸をしっかり味わうのは今回が初めてです。店員さんに予約名を告げて、カウンターの席に案内されます。ブログをやっていてよかったなと思う瞬間の一つは、全国どこへいってもご当地の誰かがお店や道を案内してくれることです。

メニューの選定はkinoさんにお任せして、ホタルイカや水だこ、お刺身などを注文しました。「金沢はおしゃれな感じで小盛りのお店が多いのですが、富山はこんな感じでどさっと出てくることが多いです」とkinoさん。食べるの大好きな私は完全に富山向けの胃袋です。特に今年豊漁だというホタルイカの美味しさが衝撃的で、絶対私の方がいっぱい食べちゃったと思います。実家と妻へのお土産もホタルイカの沖漬けにしたくらいです。是非ともまた食べたい。その他全ての料理が本当に美味しくて、富山に来たら絶対にまた行きたいお店となりました。

kinoさんとは年齢も近いのでいつも安心してお話しすることができます。Foggyに連れていってくれたのも、去年KOKONを案内してくれたのもkinoさんですから「人との出会い一つで人生が大きく舵を切ることもある」ということを痛感します。TTBOを支えてくれる職人さんたちはもちろんですが、読者さんたちもまたとても楽しみにしてくれていることが伝わってきて、もっともっと頑張らななければと気合が充填されました。暑い日が続いていたというのにニットを着ないと寒いくらいだったこの日の富山で、熱く語り合いました。私にとってプレシャスな時間です。

kinoさんに駐車場まで歩いて送ってもらって、この日は割と早めに解散しました。次の日は金沢へ行く予定をしておりました。kinoさんからも「旅の結果をブログで読めるのを楽しみにしています」と言っていただいているので、なるべく近日中に、この前編以上に濃くなりそうな後編を書きたいと思います。kinoさん、中川さん、白樫さんとジョセフさん、尾作さん、そしてフォギーで出会った“フォギイスト”の皆様、この度は素敵な時間に居合わせていただきありがとうございました♩

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