Sewn shoe-maker×Oboist ⑩

この日のメインイベント、Sewnのアトリエに到着しました。まず最初にチェックしたのは、出来立てホヤホヤのオボイストモデルのレディースサンプル。実物を見るのは私も初めてです。

ありました！　既存のSewnオリジナルレディースシューズと並んで、オボイストモデルのサンプルが！　思ってた以上に可愛い・・・！　小さい靴でもしっかり作ってあるとこんなに良いものなのか。

既に出来上がっているメンズサンプルと並べてみました。羽根の開きや、ストラップのゴムが隠れるようにするなど、メンズサンプルを作った経験から改善を加えてあります。日本中のカップルにペアで履いてもらいたい笑

早速妻に試着してもらいました。「可愛い！　歩きやすい！　履きやすい！」と妻もかなり良い反応。私の妻であるのに、私が企画に絡んでいることなどはあまり関係なくシビアにジャッジするタイプの女性なので、この感想は素直に嬉しいです。クレープソールの感触がかなり気に入った様子。

「歩くとかかとが気持ちいい！」と妻。クレープソールですがクラークスなどと比べてあまりぐにゃぐにゃし過ぎない固さがありますので、クッション性がありながらしっかりとした安定感を味わっていただけるかと思います。

ペアで履いてみました。妻の方で気になるのは、足を踏み込んだときに履き口が笑うこと。「ベビーカーフで柔らかいのと、後はラストの問題かも」とsewnと私が話していると妻から「少し大きいのかもしれない」と。そういえば私が勝手に22.5で頼みましたが、妻は靴によって22.0を履いたり、私と同じくRIZAPの効果で足が小さくなったんだった。

そこで、Sewnに妻の足を計測してもらいました。靴のオーダーなんて、この日履いていたKOKONベルギーラインのホールカットを頼んで以来だから、当然計測も久しぶり。「すごくアーチが高い足ですね」と隆太さんに言われていました。

結果、「21.5か22.0ですね」という衝撃の事実が判明。22.5じゃ全然デカいじゃん！笑　そこでレディースの郵送試着サービスにも利用するフィッティングサンプルのパンプスを履いてサイズ感を確かめます。

最終的には妻の感覚で22.0を選びました。採寸した数値だけでみると21.5でも履けそうでしたが、足幅なども考慮し22.0で着地。サイズが合っていれば履き口の笑いも解消されそうです。このように女性の足(本当は男性もだけど)は痛みにも弱いですし、より正確なフィッティングの為にも、購入検討中の皆様には是非郵送試着サービスを有効活用してもらいたいところ。

友人にもオボイストモデルのサンプルを履いてもらいました。KOKONのハンドメイドラインなど、良い靴を持っている彼からも「ソールの感じがとても良いし、小さめのヒールカップでしっかり掴まれるのが気持ちいい」と最高のコメントをいただきました。仕事で脱ぎ履きが多いという彼も、実はオボイストモデル購入検討中の一人です。靴べらだけでスポッと履けるオボイストモデルは彼のように一日に何度も着脱を繰り返すという方にもオススメしたい靴です。

メンズモデルで使う予定のベガノカーフを見せてもらいました。肌理細かくて適度な革本来の光沢と柔らかさがあり、いかにも良い革。フランスのタンナー・アノネイ社のタンニン鞣し、磨けば光るし手入れを繰り返すことで良い光沢が出てきます。同じアノネイのボカルーよりも、靴磨きの醍醐味を味わえる革だと思います。

「メンズのラスト、今なら修正が効きます。捨て寸の長さなどはいかがでしょうか」とSewnから相談を受けて、デザイン・履き心地共にこのままでも十分良いと思いますが、個人的な好みでほんの少しだけ、トゥシェイプを細く修正しようと思います。このラストは私専用ではなくこれからのSewnの靴に使っていくものですし、らしさが消えてもいけないので修正は最低限に留めますが、製品版は「言われてみれば」くらいの感覚でシルエットがすっきりすると思います。

それから、インソックの刻印についてですが、妻と友人にも聞いてみたら「ヌメ革に素押しが良い」というアドバイスをもらったので、こんな感じでいこうと思います。黒にシルバーで検討していたのですが、正直私のように足汗が多い人だと箔押しはすぐに剥がれてしまうし、素押しの方が良いかなーとも思っていたところでしたので、二人の意見が後押ししてくれました。

で、この日訪れた本来の目的である早期予約特典印鑑マットの話題に。私が持参した栃木レザーを隆太さんに預けます。

この革も私が一目惚れして一枚購入したものですので、なかなか良いと思います。妻に作ったバッグは間も無く丸4年が経過しますが、程よい艶が出てきています。

印鑑マットの材料に使おうと思っているのはこの栃木レザーと、3mmのナチュラル色のクレープ材です。革に合わせて色を染めることも検討しましたが、いかにも「クレープソール」感が出た方が良いですし、バーガンディとクリーム色の相性も良い気がするので染めは無し。

「サンプル、今作ってみて欲しいなー」と無茶振りでお願いしたら、やってくれました。忙しいのにすみません。まずは私が指定したサイズで型紙を作り、栃木レザーをカット。

クレープは取り寄せないとないのですが、ソール用のゴム材の余りを代用。実際にはもう少し薄い色のクレープになります。

革をカットし、お互いの面を接着しやすいように荒らして、接着剤を塗り乾くのを待ってから貼り付けてコバを綺麗にして・・・と、全部の工程を入れたら待ち時間も入れると一時間では出来上がりません。プレゼントにしてはやり過ぎかな、とも思いましたがせっかくんばら早期にご予約いただいているお客様に喜んでもらえるものを作ろうと。

この日は隆太さんに丸投げでしたが、二月のレディース早期予約期間が終わって個数がはっきりした段階で、私が一日Sewnのアトリエに篭って印鑑マット製作のお手伝いをする予定です。

こうして手間暇かけて出来上がった印鑑マットのサンプルがこちら。おおー！　写真では立体としての質感が伝わらないと思いますが、手に持ってみるとめちゃくちゃ良いです。この革の色なら朱肉が付着しても目立たないだろうし。

横から見るとこんな感じ。どうですかこの感じ、市販の印鑑マットには絶対にない靴屋らしいデザイン。実際に印鑑を押してみた感じも上々です。

今週日曜日には刻印用の金型が届く予定ですので、実際にはこの辺りに打とうと思います。売り物にしないのがもったいないくらいだ笑

ちなみに印鑑マットを作っている間の時間、妻はアトリエにあるSewnのサンプルシューズを色々試していました。履いてみないと分からない女性靴、どれもとても履き心地が良いと言っていました。爪先を覆う部分が最近のパンプスはみんな小さいそうで、このオリジナルパンプスをかなり推していました。オボイストモデルは買ってあげるから、パンプスやその他シューズは自分で買ってな。

というわけで、オボイストモデルレディースインプレッションと印鑑マット、そしてメンズモデルのラスト修正について一気にお伝えいたしました。日曜日に刻印の金型が届いたら、押してみた感じをまたお伝え出来ればと思います！