Dear AYA No.1

2月3日は彼女の誕生日、一緒に迎えるのはこれで5回目となります。

私は本来、大のサプライズ好きで、毎年誕生日には自分の考え得る最良の演出をもってお祝いをします。水彩色鉛筆で苦手な絵を描いて送ったりエプロンを手作りしたり、時にはお手製のコース料理を振る舞ったりとこれまで色々とやってきました。

それが、昨年の彼女の誕生日、どうにも仕事のことで頭がいっぱいになってしまっていて、いつものようにお祝いしてあげることが出来ませんでした。寂しそうな彼女の表情が脳裏に焼き付き、後から大変な後悔をしたものです。

そんな苦い思い出もあってこその今の二人だ、と都合の良い解釈も出来なくはありませんが、今年は例年にも増してより一層力を入れて、こっそりと準備を進めてきました。

「今の私がしてあげられることは何だろう」と、去年の誕生日以降ずっと考えて過ごして来ましたが、きっかけとなったのは去年の8月。革細工が得意な友人と出掛けた日でした。

「彼女に革の鞄を作ってやれないだろうか。」と何ともなしに彼に相談してみたところ、全面的に協力をしてくれると力強い答えが返ってきました。

私は手先が不器用で、とても革細工をやるのに向いている性格だとは思えないのですが、以前私の誕生日に彼女が頑張って作ってくれたレザートートバッグを今でも気に入って愛用していることを考えると、どうにか努力して私も彼女に手作りの革の鞄をプレゼントしたいという気持ちに。

その日急遽名古屋の東急ハンズで革細工をやるのに必要な道具を一通り揃え、友人に教えを請い、まずはハンズで買った適当な革で文庫本カバーを作ってみました。

「文庫本カバーくらいなら・・・」と高を括っていたのですが、とんでもない、初めての革細工に戸惑うことばかりで、結局半分夜を徹して何とか作り上げたのでした。こんな調子で本当に鞄が作れるのか、と大変不安になったのを覚えています。

とはいえ、やると決めたら徹底的にやらなければ気の済まない性質ですから、翌月のシルバウィークには友人を連れて東京、もしくは大阪の革問屋へ納得のいくクオリティの革を探しに行こうという話に。

そして迎えたシルバーウィーク。彼女には「ブログで仲良くなったシロさんに会いに行ってくる。」と半分だけ嘘をついて東京へ。普段休みが合わない分、連休は私たちにとって貴重な旅行の機会なので若干顰蹙を買いながらも、この時点では他に言い訳も出来ないから心を鬼にして。

最初は日暮里の繊維街に向かいましたが、日暮里はどうも安い革を大量に仕入れるのに適した場所のようで、私が求めるような革はありませんでした。

続いて浅草の革問屋を何軒かまわり、ようやく彼女好みのワインレッドのオイルカーフを入手。たまたまこの色は訪問した問屋さん別注の特別色、そこでしか買えない色だとのことでしたから、はるばる東京へ行った甲斐があったというものです。

道具と素材は揃いましたが、肝心のデザインがこの時点では決まっていませんでした。彼女が普段使っている小ぶりのショルダーバッグ(アダムエロペ製)が少しずつ傷んできていることを知っていたので、漠然とショルダーバッグにしようというくらいしか考えていませんでした。

密かにアンテナを張り巡らし、今どんなバッグが欲しいのか何かのタイミングで口にしないものかと狙って過ごす日々。そして10月、日帰り旅行帰りに名古屋でウィンドウショッピングをしていたときに、彼女があるバッグを手に取っていよいよ「良いなー」と言ったのです。それは私も聞いたことのない、LOST PROPERTY OF LONDON、という英国ブランドのショルダーバッグでした。

まさに色も私の仕入れたワインレッドのオイルカーフにぴったりのショルダーバッグでしたし、実際に非常に美しく格好良いバッグでしたから、基本デザインはこのバッグを参考にしようとバレないようにiPhoneにブランド名をメモ。

(画像はHPよりお借りしました)

その後、友人にこちらのブランドの本国ウェブページのURLを送ってチェックをしてもらったところ、「きっと大丈夫」とのことでしたから、年末年始の連休で私の家に来てもらって指導してもらえることに。鞄作り前のリサーチも完了し、ひとまず一安心。こうしてサプライズ大作戦は次の段階、実際に鞄を作成するステージに進みます。(No.2へ続く)

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