魂の狂縁 ②

Diary

SusieSveltのアトリエを発ってからはボレロへ。EDOさんYUMEKAさんは渡邊さんとも交流があるということで、是非完成した絵を見て欲しくて。

ボレロのアトリエに行くのはこの日が初めてというYUMEKAさん。「ずらっと並んだ木型から、ボレロさんが紡いできた歴史のようなものを感じますね」と興味深げに眺めていました。こういう景色から得るインスピレーションも絵に還元されるのでしょうか。

基本的にここで一日中誰とも話さずに靴作りの没頭している日が多いという渡邊さん、異業種ではありますが、画家と靴職人、己の腕一本と感性を信じて作品を作り上げる点において、相互にリスペクトし合える関係なのかもしれません。この日は3人+私での会話を楽しまれていたように見えました。

「軽くお茶でもどうですか」と渡邊さんが提案してくれたので、アトリエ近所にあるアンティークショップ兼カフェへ。「いつ撮られたか分からない」と私の写真について話す3人、こうして盗撮することがこの日の役目と心得ておりましたので、珍しい3ショットもしっかり写真におさめてきました。

Susieの鈴木さんはオボイストブリーフケースの製作を始めた頃からもう一年以上断酒していらっしゃいますが、渡邊さんも3ヶ月ほど飲むのをやめたらかなりお痩せになったそう。最近はまたお酒も嗜んでいる様子で「どうやって鈴木さんをコッチ(の世界)に引き戻してやろうかって考えてるんだけど」とお悩みの様子でした笑 2月に東京で予定されているEDOさんたちの個展についても話がおよび、なかなか生でしか聞けないような、映画みたいなストーリーを聞かせていただきました。憧れる大人たちに囲まれて私はつくづく運が良いなと。

撮影はしませんでしたが、カフェ二階のアンティークショップは広大なスペースに、ぎっしりと様々なアイテムが並んでおり短い時間ではとても見きれませんでした。ボレロの近くへ行った際は是非覗いてみてください。

お二人のちょっとした用事でパルコに立ち寄った後、再びSusieの鈴木さんとも合流してイタリアンレストランへ。この日の前夜に「アートディレクターで面白い人がたまたま名古屋にいるから、みんなで食事しましょう」とEDOさんから電話をもらっていました。鈴木さんは作ったばかりのクラッチバッグサンプルを持って参戦。

まるでベートーベンのようなふわっとしたパーマのグレイヘアーで現れたTさんは、いかにも“そっちの世界の人”という感じで最初はビビってあまりお話出来ませんでした。が、世界中に拠点を移しながら様々なフィールドで活躍されてきた経験から来る根拠のある様々な論説につい引き込まれてしまい、最後は「私これからどうしたらいいのでしょう」的な相談まで持ちかけてしまっていました^^; この方もまた普通ならお会いすることすら叶わないような人物ですが、非常にセンシティブな内容の話まで出来て、刺激的な晩餐会となりました。

ちなみにTさんやEDOさんYUMEKAさんのご友人の紹介だというイタリアンはどれも絶品でした。間違いなく再訪しますが、服好きのオフ会などを企画する機会があればまずここを候補にあげようと思います。

食事の後は「コーヒー飲みに行きましょう」と大須へ移動。てっきりスターバックスのような空間を想像していたのですが、到着するとそこはまるで異世界。ここもEDOさんたちの行きつけということで、閉店時間過ぎに到着しても快く迎えてくれました。

真っ暗な店内でスポットライトに浮かび上がる赤い花びら。メニューはコーヒー類のみ。私はアイスコーヒーをお願いしました。

こんなこと言うと失礼だけど「雰囲気重視のお店なのかしら」と思ったら大間違いで、一杯一杯信じられないくらい真剣にコーヒーを“創り上げて”いました。豆だけでなく水までブレンドしたりととにかく拘る店主、このスタイルで17年間コーヒー一筋でやってきたということです。とてもお若く見えたのですが、実は鈴木さんより歳上で「コーヒーにはアンチエイジング効果がありますから」と仰っていました。私もガンガンコーヒー飲もうと思います。

芸術的なアイスコーヒー。なるほど、芸術家が好むお店は何もかもがアートなんだと思い知った次第。

お昼の時間でもこの暗さなんですって。雰囲気抜群の店内で煙草をくゆらせる一行…私はおそらく永遠に非喫煙者ですが、流石に格好良すぎて憧れてしまいます。

最近夜の街に繰り出していなかったので、非日常を存分に体感出来た素晴らしい日でした。ためには夜遊びもしないと世界が狭まってしまうな、「夜にしか現れない人間もいますからね」とEDOさんも言っていたし。

ストーリーにはまだ続きがありますが、長くなってしまったので一旦ここでおしまい。別記事で今後の展望についてなど書いていきたいと思います。

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