中村憲一さん、初めての愛知【豊橋編】

時在服飾設計の中村社長から「TTBO訪問と一緒にアルデックスの工場を見学してみたい」とリクエストをいただいて、中村社長の人生初・愛知訪問をサポートさせていただきました。

朝は豊橋駅で中村社長と待ち合わせ。珍しく私が電車移動の日でしたので、アルデックスの岩田さんに迎えに来ていただく段取りになっていました。待ち合わせ場所に現れた中村社長は、ブラックリネンのTOBARIにからし色にストール、頭上には素材感のあるパナマハット、オリーブグリーンスエードの大きなトートバッグというスタイルでした。程よく力が抜けていて、いつもと同じ柔らかな表情で「今日をとても楽しみにしていました」と笑顔。

程なくしてお迎えに来てくれた岩田さんが操る社用車に乗り込み、アルデックスへと移動します。県庁所在地の名古屋市ではなく、通好みの豊橋と三河安城から愛知デビューを果たす中村社長に「豊橋は練り物が美味いんです、ちくわとか」「飲み屋もたくさんあって」などとたどたどしくツアーガイド役を演じているうちにアルデックスに到着。いつも通り、併設されるテニスコートではシニアの方々が楽しそうにラリーを続けています。岩田さん曰く「日中は平和なテニスコートですが、夕方くらいからは学生たちが真剣に練習しに来て、時折コーチの怒号が飛んできたりします笑」とのこと。飛び交う怒号を背にスーツのオーダーをするのも乙なものかもしれません。

二階のショールームに上がってから、二人は改めて名刺交換を。この日のために中村社長は長く眠らせていた構想や今後のことなどを岩田さんに相談し、岩田さんも中村社長が持参したスケッチ(これがまた見せられないけどめちゃくちゃ格好良いのです)を見ながら、アルデックスで出来ることについてのプレゼンや中村社長への質問などを行っていました。

打ち合わせがある程度進んだところで、一旦工場見学へと移ります。中村社長から「オボイストさん(中村さんは私のことを今も本名ではなく“オボイストさん”と呼んでくれる)はこちらの工場にもよく来られるのですか？」と質問があったのですが、私が答えるよりも先に岩田さんから「オボさんは最近、弊社の小島より来ていますね」と回答があり思わず笑ってしました。確かに撮影や生地の持ち込み等でちょくちょく訪問しています、皆さんの邪魔になっていないと良いのですが。。。笑

私が最初に訪れた時と同じように、型紙制作室から生地の裁断、縫製、出荷場までを順番に回っていきます。時折中村社長から岩田さんに質問をされて、岩田さんが実際にご自身の手を動かしスーツ作りの工程を紹介しながら説明していました。

一通りの見学が終わり、少々打ち合わせの続きを行った後、工場長の村松さんが私たち3人を豊橋駅へと送ってくださりました。出荷前の製品は全て村松さんがチェックしているそうです。一度TTBOにもお越しいただきたいと思っていますので、皆様にもご紹介出来る日が来るかもしれません。

お昼ご飯の時間だったので、豊橋駅前のみゆきで餃子とラーメンを食べることにしました。昔、Sewnの隆太さんとそろそろさんと来たこともある思い出のお店です。低い天井と横に長いカウンターが懐かしく「あの頃は自分の店を持つなんて想像だにしていなかったな」などとここまでの歩みを静かに振り返ったりしていました。