フミヤヒラノさんが久しぶりに名古屋トランクショーを開かれるということで声をかけていただき、初日の最後の枠でお邪魔してきました。最近は既製品のパンツブランド、フミヤヒラノTHE TROUSERSも大きな反響を呼んでいるフミヤさん、出会ってから早いもので7年半になります。「来週からのニューヨークトランクショー前に急ぎで仕立てなければならないオーダーがあったりで昨日は徹夜でした」と乾いた笑顔を見せるフミヤさん。この細い身体のどこからそんなバイタリティが生まれてくるのか。もちろん自作のビスポークスーツに、Boleroで仕立てた一足目のダブルモンクを履いていました。一緒にオーダーしに行ったのが懐かしい。(写真消えてますが過去記事)
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多くのバンチは既にニューヨークへ送ってしまっているそうで、いつものトランクショーと比べると少ない印象。あんまり多くても選べないし、フミヤさんのおすすめ以外を自分で探すこともほとんどないので、私にとってはノープロブレムです。
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以前よりFumiyaさんから「オボイストさんが次に仕立てるのはコートです」と言われ続けてきて、もう3,4年寝かしてきたのですが、革や時計と同じく生地についても昨今は値上げ幅がえげつなくて。生地をたっぷり使うコートはオーダー価格もぐんぐん上昇していて、ブロガーズ会の時にシロさんが着ていたポロコートに憧れ続けている私は「このままではもうオーダー出来なくなるのでは?」と段々心配になってきました。
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中でもフミヤさんが特におすすめされているテーラーアンドロッジのラムズゴールデンベールは、ロッジがハリソンズに買収されたことが原因で、今後は名前が変わり一気に値上げされるとのこと。庶民の私には一生手の届かない存在になってしまいます。一度しかない人生、納期は2年後、35歳。ハァ・・・
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・・・というわけで、逝ってきます。ラムズゴールデンベールのポロコート。フミヤヒラノ最後の大物。もう何も仕掛けないで、何も薦めないで。だってシロさんも、太郎さんも、格好良い大人はみんな持ってる、素敵なポロコート。憧れを憧れのまま、終わらせられない。出来上がるまでに、それに見合う男になっていてみせる。
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ARCHIVE COATという100%ラムズゴールデンベールの極上生地。通常のウールと比べてしっとりと、ビロードのような重厚な上品さを備えています。
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基本的にオーダーすると決めた時点で私の頭は使い物にならなくなっていたので、全部フミヤさんにお任せ。サラサラっとシートに手際よく仕様を書き込んでいきます。
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完成したオーダーシートがこちら。ターンナップで作るカフスはボタン無しに。「全体にずっしりとした印象があるポロコートなので、袖までボタンをつけると重たい印象になる」というアドバイスをもらったためです。また背面のベルトについても、長年の使用に耐えうるようにフミヤさんおすすめの仕立てで。コート内側には英国の伝統的な仕様だというマガジンポケットを付けてもらいます。実際に仕様することはないかもしれませんが、フミヤさんに頼むならとことん英国で。
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一人でしたので撮影は無理でしたが、採寸もジャケットのオーダーとは一味違って興味深かったです。名古屋トランクショーは他の都市と比べ新規のお客様からの予約が入りにくいらしく(名古屋のお客様はむしろ東京のアトリエまで自分で出向いてオーダーされるそうです、意外と近いもんね)「次回以降どうしようか」と悩んでましたが、すみません、私のコート完成までは来てください。お願い。
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ほな、さいなら〜・・・とはならないのがフミヤヒラノの恐ろしいところ。THE TROUSERS大人気ですよねって話から「MTMは既製品ラインの手の込んだモデルと比べると価格差が意外とない」と・・・バンチを捲りながらパンツにおすすめの生地を教えてもらいます。
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最初にフミヤさんの一押しだったのはハリソンズのメルソレアというチノ。中でも変化球のネイビーがおすすめだそうで、真夏以外の長いシーズンで活躍出来る生地だということ。
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で、いろいろ見せてもらって迷ったのですが「ある特定のシーズンしか履けない生地って、特別感があって、尚且つ必然的に穿く頻度が減るので長持ちしますよ」と見せてもらった私の大好きなFoxのフランネル。黒に近い濃紺、とても重たい生地です。これでフミヤさんのトラウザーズ、男らしさ満開。じゃあこれも逝っとくかと。感覚が麻痺してしまっています、こわいこわい。
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パンツについては自分の好みの形がある程度分かっていて、2プリーツのボタンフライ、バックポケットは右だけ。ポケットはいつもならボタンなしにするところですが、MTMの場合はあったほうが安心・・・というこれもフミヤさんのアドバイス通りで。
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果たして私はどうなってしまうのでしょうか。今後の鬼のような働きに乞うご期待ください。フミヤさん、よろしくね。結局はあなたしかいないの、信じてますから。
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