手縫いの名刺入れ

この夏の連休もありがたいことにたくさんの友人と会うことが出来ています。普段土日は仕事ですからこういう時に。

三日目となる昨日は、革細工を教えてくれた友人を招いて、自分のための名刺入れ作りを手伝ってもらいました。今使っているフェリージの、マチの部分が折れるようなタイプだと内側の名刺まで曲がってしまう為、そうならないものを。

その友人が過去に何度か作っていた名刺入れと同じものを作る為、今回は型紙は無しで出来ました。革は手持ちの中からどちらにしようか悩みましたが、ダークブラウンの艶のある栃木レザーに。

妻のカバンを作ったり、結婚式のテディベアを作ったりと、思えば自分の為に何か作るということがこれまでなかった為、結構ワクワクしながら。

当初ライニング無しの予定だったのですが、友人がグリーンのピッグスエードを持っていたので使ってみることに。高級バッグなどではよく使われる素材ですが、名刺入れに使うのは聞いたことがありません。(後からその理由の一つに気づきます)

スエードを張るための段漉きという作業は「お前にはまだ早い」ということで先生がやってくれました。他にも今回は友人が手伝ってくれた部分も多く、この日の夜はちょっと良い焼肉をご馳走しました。

段漉きを施すことでこのように表側を折り曲げるようにすることが出来ます。

オリジナルっぽく刻印も。少し気が早いですが来月が私の誕生日の為、自分へのプレゼントということで。

組み立てていくと・・・名刺入れとは思えない高級感。これはなかなか・・・。

あとは楽しい縫いの作業。カバン作りの時を思えば縫う距離も随分短いです。

途中焼肉屋へ出かける時も、早く完成させたくてずっと持ち歩いて作業していました。

縫い終わったらコバをヤスリがけしてコバインキで着色、そしてトコフィニッシュでひたすら磨く・・・そうして完成したがこちらです。

マチの部分に分厚いヌメ革を使うことで、内側の名刺が折れることを防ぐ構造です。収納可能枚数は少ないですが、これでちょっと角が曲がっていたりというようなストレスは感じずに済みます。

先生が段漉きしてくれた部分。こうすることで非常に高級感が出ます。

名刺サイズもぴったりです。現時点では12枚程度入れてあります。仕事柄200枚はいつもカバンに忍ばせてありますから、減ってきたらその都度補充しよう。

で、実はちょっと失敗してしまった点も幾つかあります。まず刻印を外側に打ちすぎて若干ステッチと被ってしまいました。ギリギリ見えるからよしとしよう。

特に悔やまれるのはこのマチの部分。かなりの厚みがあるため通常の菱目打ちでは穴が開けられず、先に片方側を菱目打ちで開けた後に一つずつキリで開けていくのですが、厚い分少しでも斜めに入ってしまうと裏側の穴の位置がズレてしまいます。途中コツをつかんだのですが、何点か曲がってしまったためステッチががたついています。次回は気をつけよう。

当然表側のステッチはすごく綺麗なんだけどね。手縫いの迫力が出て良い感じ。

そしてこれはまだ作りたての今の段階では失敗かどうか判別が出来ないのですが、ピッグスエードは結構滑りが悪いため出し入れの際若干手間取るかも・・・^^; 「それでピッグスエードが内装に使われた名刺入れは市販されていないのか!」と作った後に気づいたのでした。

ま、これも使っていくうちに少しは馴染むでしょうから、まずは盆明けから早速実践投入してみよう。お客様との話のネタにもなるかもしれませんしね。

とにかく、久しぶりのレザークラフト、楽しかったです。忘れないうちにまた何か作ろう。

コメント

  1. まんだはん より:

    Unknown
    素敵な名刺入れですね。
    欲しい形って意外と既成では売っていないので、
    自分で作ることができるのはうらやましい限りです。
    私もスエード地の名刺入れを持っていますが、
    湿気の多い季節は名刺に色が移ってしまってもっぱら秋冬用になっております。
    夏場はご注意ください~。

  2. オボイスト より:

    まんだはんさん(^^)
    こんにちは、コメントありがとうございます(^^) 遅くなってしまって申し訳ございません。

    私もまだ一人ではなかなか難しいのですが、自分で作れば愛着も湧きますし、結構楽しいんですよね(^^

    スエード、色移りの危険があるのですね。盆明け以降活躍中ですが、しばらく使いながら様子を見てみようと思います。アドバイスありがとうございます♩

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