犬塚理人『人間狩り』
人間狩り | |
クリエーター情報なし | |
KADOKAWA |
発売日:2018年10月12日
形態:単行本
ページ数:321
オススメ度:★★★☆☆
今の時代、特に珍しくもないいわゆるネットの“さらし”と呼ばれる行為に焦点を当てた小説。インターネット上の闇市場で、警察外に出回るはずのない20年前の猟奇殺人事件の犯行動画が売買された一件を追う刑事、法で裁くことの出来ない悪しき行いを断罪するために個人情報をさらす自警団と呼ばれる人々、そして更生したはずの少年A・・・。
かつて日本を震撼させた神戸連続児童殺傷事件がこの小説のベースとなっていることは間違いないと思います。それぞれの登場人物が、自らの正義に従って行動し、最後には読者に「何が正しく、何が悪なのか」を問いかけますが、先の読めるストーリーの答え合わせをするかのように読み進め、ラストまで意外な展開は訪れず。掴みが良かっただけに、途中少し退屈しました。テンポはいいのでちゃんと読み終えたけど。新しい題材なのに新鮮さを今ひとつ欠いた印象。
ただ、ブログやインスタグラムなど頻繁に利用する身として、自分の行動次第でいつでも現実に起こりうる内容でもあったため、より慎重に利用していかなければいけないと感じたのはあります。自分の身は自分で守らないとね。
もう一度読み直そうとは思いませんが、読みやすい内容ではあるので新幹線や飛行機など移動中、サクッと読むにはオススメです。
次は意外とこれまで読んでこなかった伊坂幸太郎の新刊を選んでみました。肌に合うかな。
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