雪の日、友のLapelの納品。

Diary

新しく読み始めたカズオ・イシグロの『クララとお日さま』が個人的に久々のヒット小説、思うように他人との距離を縮められない今の時代に必要な物語。大事に、読み進めています。

読み耽っていたら約束の時間が近づいていました。今日は、先日Sewnオボイストモデルを彼女さんとペアでオーダーしてくれたばかりのさとしさんと、同じくオボイストトラウザーズをオーダーしてくれたばかりのおかてつさんにお会いする約束をしていました。

おかてつさんに会う前に、履いていく靴を簡単にメンテナンスしました。下手なワックス仕上げをしても恥ずかしいので、すっぴんに戻した後におかてつさんが以前プレゼントしてくれたBRIFT STANDオリジナルのシュークリームのみで仕上げました。肝心な靴は何を履いていくか迷いましたが、今日のメインイベントを鑑み、私が人生で初めてビスポークした靴であるボレロのジョッパーブーツにしました。このブーツが完成していなければ私はブログをやめていたかもしれず、そうであったなら彼らと出会うことも無かったのだろうと思うと感慨深い一足です。

おかてつさんを駅で拾ってまずはランチへ。私の行きつけで読者の方からも「あちらはどこですか?」などと問い合わせも多いお気に入り。冷たい風と雪が吹き付ける寒い日、ジルサンダーのオフホワイトのパンツに、おかてつさんのアイコンになりつつあるイノウエブラザーズのオレンジのマフラー。

靴はビカビカに磨かれたレユッカスでした。ここで改めて「朝、鏡面磨きにチャレンジしなくてよかった」と内心ほっとしていました。

少し待っているとさとしさんが到着。こちらも最近買われたというCIOTAのタイロッケンコート。CIOTAもまた、ブログの第一回オフ会に参加いただいてから仲良くさせてもらっているエンドウダイキさんとの繋がりも深いブランド。すらっと背の高いさとしさんにとても似合っていました。

せっかくなので私も撮ってもらいました。最近休日の8割は着ているSHINYAのクルーネックセーターにFumiya Hiranoのパンツ、Bunjirowのビーバーハット。ハリスツイードのジャケットは大体10年くらい前にマーガレットハウエルで購入したものです。当時購入した名鉄百貨店のマーガレットでお世話になっていた女性が店長を務める高島屋店、今月で閉店されるそうです。一通り揃ってからなかなか買うことがなくなっていますが、今でも私の大好きなブランドであることに変わりはありません。直筆でお手紙をいただいたので、今月中どこかで時間を見つけて行ってこようと思います。

おかてつさんはノモス、さとしさんはヴィンテージのシチズン。どちらもシンプルなラウンドで、清潔感の漂うおかてつさんの雰囲気に、そしてヴィンテージアイテムを中心にしながら今の時代にも通ずるまとまり感のある装いをされるさとしさんに、それぞれ解け込んでいました。

プレートランチはいつものやつ。もう見飽きたって方もいるかもしれませんが、お二人にもとても気に入ってもらえたのでご紹介して良かったです。

「明るいうちにシューサークルを撮りましょう」とご提案いただいたので店先で。さとしさんが履いているのはREGAL(チーニー製)のライトブラウンウィングチップ。足元を見るだけでそれぞれファッションの方向性が違っているのが面白いですね。

そして車を走らせ岡崎へ移動。妻が特に気に入っているケーキ屋さんで4人分のモンブランを買ってから到着したのは、ラペルさんのアトリエです。本日のメインイベントは、さとしさんの初ビスポークシューズ納品に立ち会わせてもらうこと。貴重な体験のお邪魔にならないか心配でしたが、興味津々だったのでお言葉に甘えてついて行ってしまいました。

奥の椅子で鎮座している靴がさとしさんのものであることは一目瞭然。迎えに来た持ち主を目の前にして、より一層の輝きを放ったように見えました。

ロングヴァンプのバルモラルウィングチップ。足長が実寸で26cmを超えるという足の大きなさとしさんの木型と、伸びやかなデザインのマリアージュ。3ピースのシューツリーもさとしさんのリクエストで作ってもらった特別仕様です。革はイルチアのラディカカーフ、ラディカにしては控えめなムラ感が却って好印象。

まだ若いのにとても落ち着いた雰囲気のさとしさんも、この一足を前にしては流石に興奮を抑えきれないようで「ヤバい!!!」と連発していました。語彙力を失う感覚、よく分かります。

早速足入れ。しゅぽっと気持ちの良い音楽。ビスポークは特に、オーナーに履かれた姿こそが最も格好良いと思っています。この靴に合う足を持った人間は、この世にさとしさんしかいないわけですからね。

いやーこれは羨ましいですね・・・見るからに良い靴。横で「良いなあ」って何回言ったか分かりません^^; せっかく作ったマイ木型、これからさとしさんがオーダーを繰り返す度にブラッシュアップされていくのでしょう。次はラペルでどんな靴を頼まれるのか、気になって仕方がありません。「いつかは結婚式用にストレートチップを」と仰っていましたが、その前にレイジーマンを個人的なオススメとして挙げておきました。さとしさんがレイジーマン頼んでたら多分私のせいです。

「きっと淹れてくれる」と勝手に期待していた美味しいコーヒーを船越さんが準備してくれたので、持参してきたモンブランを。船越さんも来店に合わせて、同じケーキ屋さんでカヌレを買ってきてくれたようで、そちらもみんなで美味しくいただきました。居心地の良いここでは、時間の流れ方が変わります。結構な時間滞在して、色々とお喋りを。

EDOさんに預けていたオボイストアートスカーフのサンプルがちょうど返ってきたので、お二人にも試着してもらいました。まずは購入してくれているおかてつさん、私に教えてくれたリングを使った巻き方で。スカーフを着け慣れているので流石によく似合います。

さとしさんも。実はここに来る前おかてつさんから「さとしさんはアートスカーフは買われないんですか?」と聞かれて「そうですね、90×90のサイズ感は少し大きいかなと思っていて、今回は見送ろうと思っています」と答えていたのですが、いざ巻いてみるとめちゃくちゃ格好良くハマってます。リングは私のアンティークリングをお貸ししました。

あまりにもハマっていたので、一度脱いだビスポークシューズにもう一度履き替えてもらって写真を撮らせていただきました。前に来た時には無かったEDO&YUMEKAの絵画を前に。さとしさんもスカーフの実物を目にされて心が動いたのか「締め切りはいつでしたっけ?」と。アートスカーフ、早期打ち切りをする予定だったのですが、仕事でバタバタしていたら月末が近づいてきてしまったので、当初の予定通り2/28までの受注分で予約打ち切りとさせていただきます。「多分いっちゃう」というさとしさんを含め、ご検討いただいている読者の皆様もよろしければ是非試してみてください。

ちなみに、YUMEKAさんがラペルに頼まれたビスポークジョッパーブーツもほぼ完成していて、アトリエの隅で異彩を放っていました。ご本人が既に見られたのかが分からないので写真を撮るのは遠慮しましたが、使われているバックルだけ。EDO AND YUMEKA、そしてLAPELの刻印、髑髏と蛇がデザインされたオリジナルの真鍮バックルです。

楽しい時間を共有させていただき、光栄でした。さとしさん、おかてつさん、船越さん、本日はありがとうございました。

追伸

おかてつさんから「ayaさんの誕生日プレゼントです」といただいてしまいました。(Ayaじゃなくてayaだよ、と妻にこの前指摘されたので小文字で)

「なんか最近見たばかりな気がする」と思ったこの箱は、この前のクリスマスに妻とお互いへのクリスマスプレゼント交換をした際、妻が私に選んでくれたものと同じ。中身はさらにびっくりで、妻が私にくれたタオルハンカチの色違いと、4~5年前にラシックのポップアップで妻が私に買ってきてくれたボディクリームのブランドの、全く同じ香りのバスソルトでした。私たち好みのプレゼント、とても嬉しかったです。気を遣わせてしまい申し訳ありません、いつもありがとう。

(ブログに書いたつもりだったけど、見当たらないから上げてなかったかな? 去年のクリスマスの写真を。私から妻へはevam evaのカシミア腹巻きを選びました。最近毎日使っています。)

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