平田手袋でペッカリグローブをオーダーしてから、次の約束まで少し時間がありそうだなと思っていたところ、代表の平田さんが「香川のうどん、食べられました?」とうどんランチをお誘いしてくれました。この後はTTBOのお客様とご紹介いただいたピッツェリアでお会いする予定があったのですが「今回はうどん、食べられないかな」と思っていたところだった私は喜んで連れて行ってもらうことに。ご当地のおいしいものが食べられるのが、出張の醍醐味ですよね。平田さんのフィットに乗り込み、私が来た時とは違う安全で広い道を通って、うどん屋さんへと向かいます。

「うち(平田商店さん)のすぐ近くにもおすすめのところがあるんですけど、今日は定休日だったからそっちはまた今度」と今回連れて行ってくれたのが手打ちうどんマルタツという、和三盆だしを使用したうどん屋さん。ホテルのビュッフェでも和三盆が使われたお料理が並んでいましたが、香川や徳島の名産品なのですね。道中の車内で私からいろんなお話を振ると、平田さんはどんな話でもとても親身になって聞いてくださるのです。丁寧で優しくて、実直な人。最近特に、自分で事業をするようになってから感じているのですが、一時的な盛り上がりや流行は小手先で生み出すことが出来ますが、長く続けるのに一番大切なのは結局のところ人間性なのかなと。人が良いだけでは続けられない、しかし誠実に取り組んでいればいざという時には必ず周りの方が助けてくれる。商売は、良い時もあれば悪い時もあります。どんな事業でも長く続けられているだけで私からしたら大リスペクトなのですが、平田さんとの会話中、ふとそんなことを考えてしまいました。

よく食べに来ているのであろう平田さんは、うどん屋さんの店主ともお喋りしていました。「愛知から来られたんだよ」と私のことを紹介してくれて、平田さんと同じ肉うどんをオーダーしました。透き通ったスープは徳島や香川で出会った人たちの温かさを彷彿とさせる嫌味の全くない澄んだ味がして、つるつるの麺を夢中になってすすりました。

帰りしな、平田さんがマツタツさんのだし醤油をお土産に持たせてくれて、結局うどんもご馳走になってしまいました。ペッカリーグローブが仕上がったら、きっと身に着けるたびに今日という日を思い出すだろう。またひとつ、私にとって大切なご縁が繋がったように感じました。春頃仕上がった暁には、是非また受け取りに行きたいな。今回バタバタで結局何も持たずに訪問してしまったので、次には愛知のおいしいものをお土産に持っていこう。

平田さんと別れてからは、単身津田の松原方面へと向かいます。わざわざ香川県から二度もTTBOへと足を運んでくれたお客様に会うためです。平田商店訪問のために香川へ行くことを連絡したところ、わざわざ午後の仕事を休んで予定を合わせてくださいました。指定されたピッツェリアへと走っていると、少し開けたスペースで海を見て佇むスーツ姿の男性が目に入り、すぐにAさんだと分かりました。(ご本人に許可を取っているので、顔出しでご紹介します)

最初にオーダーいただいたHARRISONS FRONTIERを使用したTTBOSUITに身を包んだAさんと、PORTO PIZZAという海沿いの店に入ります。この辺りの津田地区は、香川県外から移住されてきた方などが新しいお店を開いたりと活気のある地区で、さぬき市全体でも新しい街づくりを積極的に促進されているとのことです。移住したくなる気持ち、分かるなあ。
古着屋で購入したという可愛いネクタイをホワイトシャツに合わせたAさん。まだお若いですが、最初にTTBOへ来たときと比べると見違えました。「これ本当の話なんですけど、このスーツを着るようになってから、仕事や私生活がどんどん良い方へと向かっているんです」と嬉しいエピソードを聞かせていただきました。もう少ししたら「幸運を呼ぶスーツ」として怪しい壺みたいな売り方、始めようかな。(平田さんの人間性のくだりは一体なんだったのか)

さっきうどんを食べたところですが、大食いの私はもちろん大好物のピザを注文。時間帯のせいもあってか店内は私とAさんだけでしたが、おかげでゆっくりとお話しすることが出来ました。自宅では盆栽なども嗜むというAさんは「なかなか服の話ができるような人が周りにいなくて」ととても嬉しそうな顔をして私に付き合ってくれました。もともとこのブログを始めたきっかけは、2012年当時22歳だった私が30代くらいのブロガーのお洒落な先輩たちと交流したかったことです。若いというだけで取り合ってもらえないのではないかと、年齢不詳でスタートしました。ペンネームだって「オーボエ吹いてるからオボイストでいいや」と深く考えずに決めました。こんなに続いているのはある意味奇跡的です。その頃と比べて、今はSNSも発展して簡単に繋がることが出来るようになりましたが、TTBOという場所が同じような思いを持つ人たちの集会所のような役割を持てていることは、我ながら結構意義深いことだと思っています。
食事のあとは津田の松原を散歩しました。「すみません、あまり何もなくて・・・」とAさんが申し訳なさそうにしていましたが、酸いも甘いも経験して干からびかけているミドサーにとって、何もないということがいかに有り難いことか。ないものねだりかもしれませんが、私は年に数回、わざわざ合掌造りの古い山奥の宿にこもって、デジタルデトックスをしています。心身ともに、情報の波にさらわれそうになるのです。散歩中は背の高い松の木の緑と、その先の青い空だけが目に入り、心洗われるようでした。

そうかと思えば、松林の先には目前に瀬戸内海が広がります。Aさんが教えてくれましたが、この辺り出身の写真家で、瀬戸内海のブルーに目をやられてしまっているのか、どんな写真を撮っても青っぽくなってしまう方がいるくらいだそうです。香川ではありませんが、私の好きな小説で今治を舞台にしたものがあり、今度来るときはスケジュールに余裕をもって四国一周旅行も計画してみたくなりました。
Aさんは年に数度、愛知へ来られる用事もあるようですし、私もきっとまた徳島・香川の地へ戻ってくるような気がしています。「次はシャツや靴ですかね、いやそれともブレザーかな」などと将来の構想もお話し出来ましたし、きっとまだまだAさんは格好よくなっていくのだろうと、また会える日がより楽しみになりました。

元々香川を夕方出発してからは愛知へ帰る予定だったのですが、妻が急遽二泊三日で京都一人旅をするというので「それなら香川の帰りに京都で合流して一泊して帰ろう」ということになりました。往路は岩田さんが隣にいたので安心でしたが、正直香川→愛知を一人で運転して帰るのはトランクショーによる身体の疲れもあって少し心配だったので、非常にありがたかったです。一泊目は誰もが羨む高級宿に泊まったそうですが、私との二泊目はそんな豪勢なところではなくてもよかったので、そこそこの価格で温泉を楽しめるところに。京都へ来たらフグ刺しを食べに行くいつものお店で、ウーロン茶で乾杯。なんだかんだ言って、妻の顔を見ると心が落ち着きます。好き勝手している私を受け止めてくれる大切な人は、もうすぐ誕生日。今年は韓国で過ごすことになっています。
長くなりましたが、今回の徳島香川滞在記はこれにて完結。今回の訪問で徳島も香川も大好きな街になりました。Aさんとともに訪れた石清水神社では「また元気でここへ戻ってこられますように」とお参りしてきましたし、そう遠くないうちに、きっと。滞在中親切にしてくれた皆様、本当にありがとうございました。











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