二人のプロフェッショナル

2月にFumiya Hiranoさんから、

「4月のオーダー会でビスポークブレザーの最終チェックをさせて欲しい。自分のBoleroの靴も仮縫いだから、その後に渡邊さんとディナーでもどうですか?」と連絡を頂いていました。

それからというものこの日が楽しみで・・・気合を入れて臨んできました。

足元はもちろんBoleroのウェディングオックスフォードで。少し崩した着こなしをしたくて、タブカラーシャツをノータイでFumiyaさんのブレザーに合わせ、大江洋服店のデニムで。

いつ訪れても心躍るトランクショー。

この日はFumiyaさんの新たな試みとして、イギリスでFumiyaさんが気に入って買い付けたアンティークのカフスも販売されていました。

現行品ではどうしたって出せないアンティーク品の魅力。まさに一期一会。価格も可愛くて、今後気に入ったものがあれば一つ手にしてみるのもいいかなと思ったり。

ブレザーのフィッティングは完璧で、Fumiyaさんに見てもらっても特に直すところが見当たらないほどでした。着ている自分が一番身体にフィットしているのを感じています。

バンチがずらっと並んでいるとついオーダーしてしまいたくなるのが服好きの悪いところ。

レアブラウンのものでグッとくる生地があったのですが、、、今回はなんとか堪えました。時計も買ったところですし、次回10月の受注会までにしっかりと資金を蓄えなければ・・・。

それと、またFumiyaさんからの英国土産で紅茶をいただいてしまいました。ありがたく、休日の昼下がりにでも味わおうと思います。

そうこうしているうちにBoleroの渡邊さんがマリオットホテルに到着。前回は私の中縫いの後に栄にあるBoleroのアトリエにお伺いしましたが、この日は名古屋まで渡邊さんが出張してきてくださいました。

Fumiyaさんのダブルモンクの一度目の仮縫いです。

ストラップをしっくりくる位置で留めて、じっくりとフィッティングを確かめます。

Fumiyaさんの奥さんのジェニーさんも、初めて見るビスポークシューズの仮縫いに興味津々。非常にキュートでチャーミー、それでいてたおやかな雰囲気を纏った、なかなかいないような素敵な女性です。

立って座って、何度も、いろんな角度から、渡邊さんも見極めていきます。

Fumiyaさんも真剣な眼差しでその行程を見つめています。

ある程度の要望を伝えてからは、「詳しいことは分からないのであとは渡邊さんにお任せします。」と一切のことを渡邊さんに託しているFumiyaさんの姿勢が印象的でした。職人同士でしか分かり得ない信頼関係が二人の間に生まれているのかもしれません。

渡邊さんもこの表情。「出来れば、今回の仮縫いで終わりにして、次回は完成品をお渡しできれば」との事で、順調に行けば10月頃にはこの靴が完成しそうです。

最後に仮縫い靴をカットし、中の様子を確認。スケッチブック上で再度の計測をして、仮縫いは完了。

私も写真を撮りながら、高層ビルから眺める名古屋の夕暮れに見惚れていました。

(Fumiyaさんの履いていたフォスターアンドサンのプレタポルテ。)

しばしの歓談の後、約束の通り飲みに行く流れに。

(待っててねレアブラウン…)

マリオットのロビーでせっかくなので4人で記念撮影。

テーラーと靴職人とカッティングアシスタントの奥様と一般企業の営業マンが一緒に歩いて飲み屋を探す・・・なかなかレアな光景です。

極々日本的な、いわゆる居酒屋に入り、語らう。ジェニーさんも日本語のリスニングは大丈夫なようで、楽しそうにしてくれていたので好き勝手話している自分も気が楽でした。大学でもっと真剣に中国語を学んでおけばよかったと、ジェニーさんに会うといつも思います。

あっという間に時間は過ぎ、一緒にご飯を食べているうちに私はすっかり次に渡邊さんに作ってもらいたい靴のビジョンも見えてきてしまって。しっかり働いて稼がねばなりません。

「10月のトランクショーの際にも是非」と固い約束を交わし、大満足で帰路につくのでありました。

二人のように、私もプロフェッショナルな仕事人になりたい。職人でなくとも、雇われの営業マンでも、それは出来るはずだから。

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