イタリアの至宝

相変わらず毎日忙しくて、文字通り心を亡くして過ごしていますが、つかの間の休日にまたとんでもないものに出会ってしまいました・・・。

ジャズドリーム長島が昨日からスケールアップオープンしたということで、メゾンマルジェラにエストネーション、マッキントッシュやバブアー、サンローラン、ビショップ・・・等々、出来たら良いのにと思っていた店舗がほとんど出来てしまいました。結婚してから住んでいるアパートからは高速道路で30分足らずの距離ですから、ますます買い物が捗りそう。

ちょうど二連休を頂いていたので、一人でふらっと行ってきました。一番のお目当はエストネーションの「9月生まれの方さらに20%off」という企画。

マルジェラでは’17S/Sのトレンチコートが半額になっていて、試着してみましたがシルエットが私の求めているようなものではなかったのでパス。エストネーションもメンズはあまり数がなくて、パンツは充実していましたが特別欲しいと思えるものもなくて。

いつも見るのはストラスブルゴとトゥモローランド、時々マーガレットハウエルですが、3店舗とも今回は収穫なし。

今特に欲しくもないけどマッキントッシュだけ見て帰ろうか・・・と歩いていたら、見慣れないシューズショップが出来ているのに気付きました。

“International Shoes Gallery”

見た感じ、スコッチグレインやカルミナなど、中級クラスの革靴を取り扱ってるお店のようですが・・・靴は好きなので、一応入ってみることに。入り口に近い方には予想した通りのラインナップで、奥に入っていっても特別な靴は無さそう・・・と思って見ていたら、ロブスが並ぶ列の中に二足ほどオーラのある靴が。手にとって見てみると、エンツォボナフェ。スエードのチャッカブーツとブラックカーフのショート丈サイドゴアが置いてありました。それも結構お値打ちに・・・これはもしかしたら探せば掘り出し物があるのかも、と店員さんと話をしてみると、

「お見せしたいものが何点かありますので、奥から出してきます」

ということで、出てきたのはボナフェの型押しのブーツと、3つの木箱。

ステファノベーメル。言わずと知れたイタリア最高峰ブランド。実際に見る機会は名古屋ではほとんどなくて、私も初めて触れました。カーフの肌理の細かさに圧倒されます。

そして何より、この存在感。木箱に入っていたのはネイビーとグレーのプレーントゥと、ブラックのバルモラルウィングチップでしたが、私の目はブラックウィングチップに釘付け。

非常に派手で、一歩間違えばダサくなりそうなデザインなのに、至極エロティックなラインのラストにハンドソーンウェルトで仕立てられた一足は、信じられないくらい足にフィットしました。プレタポルテとは思えないほどです。

長年探してきたバルモラルのウィングチップ・・・キツネグリーンは外羽根だし、当初ボレロに頼むつもりだったウィングチップは結果的にレイジーマンになったし・・・これは欲しいぞ。

ベーメルの価格はAmazonでよく見ていたのでとにかく高級なことは知っていました。このモデルも216,000円が定価のはず・・・それが、アウトレットプライスで129,600円になっている。シューツリー付。

しかし正直、これから少しずつ買い物を控えたいと考えていたところでしたので、いつものようにハイ買います！とならずに店員さんを巻き込んで結構な時間悩んでたら、

「オープン記念だからさらに5%offしますよ」と背中を押されて・・・崖から落ちそうになりながらも、いやいやでも、靴、靴・・・とさらに迷っていたところに、店長さんが出てきて、

「特別に10、やります」と。

この言葉に、ここで行かなきゃ多分半年くらい引きずると思って、ついに落ちました。

めちゃくちゃ大きな木箱を持って、あとは何も見ずに、帰ってきました。

帰ってから改めて箱を開けると、ツイードっぽい保存袋。

この瞬間、興奮しますよね。

いやー、すごい。すごすぎてよく分からない。

ソールは半カラス。ヒールとトゥに飾り釘。

この立ち上がり・・・お世辞抜きにビスポーク並みです。

ライニングのヌメ革も非常に上質。

これはなかなか、やはりイタリア靴でしか成し得ない色っぽさがあります。

帰ってきてから気づいたのですが、ショッピングバッグの中にブラシが二本もおまけで入っていました。なんて良心的なお店なんだろう。この一足でポイントが6,000円分も貯まってしまったから、シューケア用品でもまたリピートしなくちゃ。

しかしこの靴も、ちょっと普段仕事に気軽に履くのは躊躇われます。あまり歩かない、特別な日に・・・来月末かその辺りで行われる表彰式。前回の時はボレロを履いたけど、今度はベーメルで臨もうかな。

かくして、また宝物が一つ。使った分取り戻すために、明日からまた必死に働こう。