Sewn shoe-maker × Oboist

Sewn shoe-maker×Oboist

京都オフ会をしている最中、一通の興味深いメールが届きました。

https://sewnshoemaker.com

愛知・豊橋でビスポークシューズを作っているSewn shoe-maker。手がけている隆太さんとは一度、そろそろさんと3人で飲んだことがありました。そんな彼から、

「メンズのパターンオーダーラインを立ち上げようと思っているのですが、一緒に作りませんか? オボイスト別注モデルとして。」

私がどれほど力になれるのかは分かりませんが、趣味でブログをやってるだけの私が、有名ブランドのOEMや修理などを一手に請け負う実力派シューメーカーとコラボ出来るなんて、夢のような企画! 隆太さんのお人柄についても一度お会いして分かっていましたから、二つ返事で快諾。こうして、オボイスト別注パターンオーダーシューズの企画が立ち上がりました。

大まかなコンセプトについては事前に伺っていまして、大まかに書くと以下の通り。

  1. カジュアルなレザーシューズ
  2. 国産オイルドカーフを使用
  3. マッケイ製法にフラットのクレープソールを縫い合わせ、マッケイながらソール交換を可能とし、さらにスニーカーのような柔らかい履き心地を実現

私があまりカジュアルに振った靴を履かないし、手持ちの中でクレープソールの靴はクラークスのサンダルだけ。なかなか難しいお題だったのですが、数日悩んで頭の中でのイメージが固まってきました。カジュアルと言えど、私の中でジャケパンスタイルには馴染むくらいの上品さを持ち合わせたく、さらに登板機会が増えるようなスリッポンタイプを考えてみました。私の頭の中のイメージを元に、妻に頼んでスケッチしてもらったのがこちら。

アッパーデザインは装飾を出来る限り省いたホールカット、そこにシングルのストラップをバックルではなくギボシを用いて。ストラップ内側は見えないようにゴムになっていて、シューホーンがあればストラップの着脱なしでスッと履ける靴を考えました。このデザインだったら私のスタイルにもなじみそうだし、クレープソールという特徴的なアイコンを与えることも出来る。

美味しそうな食パン屋さんの上

連絡をもらってから二週間、早速豊橋にあるSewnのアトリエを伺ってきました。駅から歩いて5分強の好立地。夕方16時頃にアトリエにお邪魔し、隆太さんが入れてくれたお茶を飲みながら世間話。私を見て隆太さん、「痩せましたねー!」と第一声。前に会ったのが2,3年前だったからな。

靴マニアには堪らない空間。アトリエは結構広くて、観葉植物や静かな音楽が流れていて寛げます。ズラッと並んだサンプルシューズも。

お客さまのラストなどが並ぶ。依頼される仕事は多く忙しそうです。

今回から企画が始まるメンズのパターンオーダーラインに先んじて始まっているレディースのパターンオーダーサンプル。先日SewnはTVに取材されて放送されていましたが、放送終了後の問い合わせは女性が圧倒的多数だったとのこと。

「それだけ、足のサイズや靴で困っている女性がたくさんいるってことなんです。そういう人の助けになるような靴も作っていきたい」と隆太さん。

ちなみに妻は真ん中のプレーントゥシューズ推しでした。

世間話もそこそこに、早速今回の企画について。改めてコンセプトを伺うと、上に挙げたような約束事はあくまでも暫定であって、柔軟に対応いただけるとのこと。まずは妻が描いてくれたデザインスケッチを見てもらう。

事前にメールで送って「面白いと思います」と回答をもらっていたので、この日は実際に使うラストや革について。候補となる3種類のラストの中から、写真一番右の一番トゥシェイプが細くツイストしているものをチョイス。

選んだラストで作られたグルカサンダルのサンプル

ここで私のワガママが早速炸裂・・・元々国産カーフということでしたが、候補の一つに隆太さんが提案してくれたのがエルバマット。いろんなカラーがあって魅力的だけど、私の考えたデザインと合わせるにはちょっと無骨な感じがして。

デザインがシンプルだから、出来ればアンティークフィニッシュのようにカラーに濃淡をつけて表情を出すのが面白いんじゃないかと、最終的に選んだのはなんとアノネイのベガノカーフ! 国産カーフからだいぶ跳躍!笑

カラーは写真下から二番目の茶色にしました。ブラックもカッコイイかなと思います。実際に市販される際にはパターンオーダーで革の種類・色は選べるようになる予定です。

結局イイ革
ベガノカーフを使ったサンプルシューズ。
トゥに向かってほんのり濃くなっていく濃淡が美しい。

さらに、元々フラットで予定していたクレープソールについても、オールデンのプランテーションソールのようなヒール付きのものに変えてもらいました。

実際に使われる予定のクレープソール

ギボシについては、ちょうどアトリエにあったものより一回り小さいものを仕入れてもらうことにしました。妻のスケッチにはシルバーと書いてありますが、ベガノカーフの色合いに合わせて真鍮のものを使ってもらうようにお願いしました。

細かく色々指定して大体固まったところで隆太さんが「一回軽くスケッチにしてみます」とペンを取る。

明るかった外は気づけば夕方に。打ち合わせは3時間に及びました。

そうして隆太さんが描いてくれたのがこちら。羽根の周囲には同じ革でパイピングを施します。ストラップはサイズ調整というより装飾的な意味合いが強いのですが、あえて一つ穴で作ることでよりオーダーっぽい雰囲気が出せるかなと。

まずはこれで一旦製作を進めていきます。4,5ヶ月後を目処に一旦仮靴が出来上がり、細かいデザインなどの修正点を確認した上で、製品版製作に入ります。ちなみに気になるお値段については絶賛協議中ですが、オーダーシューズとしては非常に手が届きやすいプライスに落ち着く見込みです。

Sewn shoe-maker × oboist

打ち合わせが終わった後は、仕事終わりのそろそろさんも合流しご飯に。赤のれんという豊橋駅西口にある老舗の餃子屋へ。昭和な雰囲気のお店で、とにかく安くて美味いんだって。

店内の天井の低さには驚いた。172cmの私ですれすれ。

これで並盛り。370円だったかな? もやしとキャベツが盛られていて、餃子と交互に食べるとさっぱりして美味い。狭いカウンター席で肩を寄せ合い、ハイボールと一緒に。

餃子の後に二軒目に行って、今度は刺身などを食べてまた少し飲んで。写真を一枚も撮っていないという致命的なミスを犯してしまいましたが、靴屋さんとしての苦悩や今後の展開についてなど、色々と興味深いお話が伺えました。

そんなわけで始まった、Sewnが作るオボイスト別注・パターンオーダーシューズ。発売までリアルタイムで、企画段階の様子をそのままお伝えしていきたいと思いますので、どうぞ楽しみにしていてください!

ぜひ一度Sewnのサイトを覗いてみてください。
最近リニューアルされてますます見やすくなりました。
https://sewnshoemaker.com

コメント

  1. まるすけ より:

    オボイストさん、おはようございます!

    素敵な企画がスタートしましたね!インスタで30日に…と書かれておられたので何が始まるのだろうとワクワクしていましたが、まさか自分の別注シューズとは^^
    どのように洗練されていくのか、今後も楽しみにしております◎

    • oboist より:

      まるすけさん、コメントありがとうございます♪

      はい、どの段階で情報をオープンにして良いのか分からなかったので伏せていたのですが、ようやくブログに書けてスッキリしました!笑

      私とのコラボモデルとして発売されるので、ちゃんと売れるのかとっても心配なのですが・・・笑 マーケティングなどについては全く無知なので、とにかく今自分が欲しい靴を作ってもらうことにします)^o^(

  2. gohkiti より:

    オボイストさん、おはようございます。昨日はお楽しみ中のところ大変失礼しました。
    何を楽しいことをしているのかと思いきや、コラボシューズの企画とはビックリです!
    「別注」というキーワードがあったので、今回もオーダー品の発注かなぁとも思いましたが、響きが違ったので頭に?が浮かんでいたところでした。
    「なるほど!」と同時に「えぇ!?」って思いましたが、想像の遥か上をいく靴をデザインされ、読んでいてすでに欲しくなってしまうあたり、数々の名品に触れられてきたオボイストさんのディレクション力の高さを感じずにはいられません。
    仮靴は半年弱先とのことですが、個人的に最近気になるワンストラップだけに次の展開が本当に楽しみです!

    • oboist より:

      gohkitiさん、コメントありがとうございます!
      とんでもありません、WordPressについて、というよりむしろパソコンに弱い私ですので、これからも色々助けてください(泣)

      そうなんです、完全に初めての試みなのですが、たまたま新ブログ立ち上げと同時に素晴らしい企画も動き出し、8年目の当ブログは攻めの姿勢でいきたいと思います!

      欲しくなってしまう・・・とは、大変心強いお言葉です)^o^(
      自分が履くためだけのオーダーでしたら全く気にすることもないのですが、別注モデルとして実際に売られるわけですから、ちゃんと売れるかな・・・?という不安でいっぱいなんです。しかし「売れそうなモデル」を考えることは私より得意なプロの方がいくらでもいらっしゃるでしょうから、結局は自分好みのモデルで行くしかないんですよね。

      販売される際にはラストは決まっていて、サイズとアッパーを選んでオーダー出来るような形態になるかと思いますので、ご家族で出かける際にサッと履く普段靴として、是非お客さん第一号を・・・)^o^(笑

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