SusieSvelt×Oboist ③

革製品(靴以外)

今回は表にはぺリンガーのシュランケンカーフのようなもっちりとしたシュリンクレザーを使いながら、裏打ちに張りがしっかり出て長年使っても型崩れしないようなものを選びたいと思っていました。シュランケンカーフはご存知の通り素晴らしい発色と質感の革で、そのものを使ってももちろん良いのですが、今回は個数限定とはいえオボイストコラボアイテムとして量産して発売する目的のバッグです。自分で使うなら素材や仕立てのクオリティに妥協したくない私のわがままと同時に、バッグのオーダー経験が無い方が、このコラボをきっかけに少しでも手が届きやすい価格で体験出来るようにすることも同時に大切なポイント。

最初に鈴木さんが提案してくれたのは、こちらの最近界隈で“価格破壊だ”と話題だというイタリアのタンナーの型押し革。非常に色が豊富で、しかもかなり革自体の値段が安いそうです。イタリアのタンナーという響きも相まって採用といきたいところですが、若干私が求めているシュランケンカーフのような厚みのあるもっちり感は物足りず。革小物を作るならまずこれを採用していたと思います。

エルメスでも有名なトリヨンクレマンスのサンプルも見ました。ずっしりとしながらも柔らかすぎてこれはこれでブリーフケースにするには心配、それと高い。第三の矢としてご提案いただいたのが下の写真の国産シュリンクレザー。触ってみると、シュランケンカーフにも負けない良い厚み・弾力が感じられます。感触は、ぺリンガーシュランケンカーフとソフトスノーカーフのちょうど中間といった感じ。シュランケンほど乾いた感じでもなく、ソフトスノーカーフほどオイリーでもない。シボの入り方も、上の写真で紹介したイタリアタンナーのものよりも理想的。そして国産なので余計な費用がかからずに仕立てられそうな点も、今回のコラボにはもってこいの素材です。

それでも鈴木さんとじっくり悩みました。一般消費者向けに考えれば、いくら手触りがイタリアタンナーのものより優れていても、商品のキャッチコピーに「上質なイタリア産シュリンクレザーを使用」などと書かれていた方が響くんじゃないかと。(実際には、驚くことに上の国産シュリンクよりイタリアのものの方が原価は少し安いくらいなのです)

ただ、ここはいつも私自身が大切にするモノの選び方を押し通そうと。たとえ無名の国産レザーでも、良いものは良い。タンナーが不明のため商品説明には“国産のシュリンクレザー”としか書けませんが、実際に触れていただければ素晴らしい質感なのが分かってもらえると思います。「イタリアだから良い革」「イギリスだから良い生地」「日本だから丁寧」「中国だから雑」などといった凝り固まった価値観は、今の時代にはもう通用しません。メイドインジャパンでも残念なモノ作りは存在するし、中国に素晴らしい無名の靴職人がいることは「名も無きビジネスシューズ」などを展開するLEATHER PORTさんの活動などで靴好きの間では当たり前の事実。(LEATHER PORTさんについては我らがブロガーズのまるすけさんの記事を参照されたい)

3月にFugeeさんを訪問した際も、アフガニスタン産のキッドレザーを日本で鞣して手揉みしたという、素晴らしい質感の革を見せていただきました。どこの国で作られたかはもはやあまり意味合いを持たず、目の前にあるモノの価値を個々人が正しく捉えて理解していくことが大切です。

というわけで、今回はこの国産シュリンクを使用することにしました。色展開はご覧の通りですが、私は最初からこのコラボバッグに使いたい色がありました。

ちょっと見辛いですが、それが下の#432のカラー、ダークグリーンです。こだわりたかったのが「靴やスーツの色を問わずに持てるバッグ」という点。以前のビスポークバッグに採用したヴォーエプソンのトープもその傾向があったのですが、お気に入りのバッグは毎日でも持ちたいものです。しかし靴好き・服好きはいろんな色の靴や服を持っているため、いわゆる小物色合わせ問題に直面しその都度バッグを選んでいる方も多いと思います。

その点、ダークグリーンはネイビーのスーツにもグレーのスーツにも合います。ブラウンシューズを履いている日には全体の印象を引き締め、ブラックシューズでコンサバティブな装いに合わせれば良い塩梅の外し役に回ります。あまり他人と被らない点も個人的にオススメのポイント。ステッチの色はまだ迷っています、革より少し明るいグリーンステッチにするか、写真にあるようなエレファントグレーか、もしくはえんじ色で上品さが香り立つような雰囲気を作るか・・・こうして迷っている時間が楽しいひと時ですよね。

ちなみに、いくら私がグリーン推しでも、もう少し普通の?色が欲しい方も絶対いると思いますので、カラー展開はダークグリーン・トープ・ブラックの3種類を予定しています。革は全て同じ国産シュリンクです。上の写真の#702がトープ、ブラックはサンプルで見せてもらった色です。

上のステッチサンプルは手縫い専用の糸ですが、今回のコラボモデルは形・素材はそのままに縫製を手縫いorマシンで選べるようにしようと思っています。下の写真はマシンステッチ用の糸です。私は個人的には手縫いステッチの何とも言えぬ雰囲気が好きなのですが、完全な趣味の世界ですので、同じ形でお値打ちに買えるならマシンステッチでも全然アリだと思います。“手縫いのが丈夫”というイメージがあるかもしれませんが、糸に限って言えば手縫い用の麻糸をいくらロウ引きしたってマシンステッチの化繊には敵いませんし、一概にそうとも言えないと思います。どちらの製法を選んだとしても、丁寧なスージースヴェルトの作りの良さは感じていただけると思いますし、長年お使いいただく中で不具合が出たときにはアフターメンテナンスも安心して任せられます。

未確定な要素として、シュリンクレザーを支える張りのある裏打ちについてです。Fugeeさんで聞いてきたお話では「裏にこそしなやかで腰の強いボックスカーフが最適」ということですし、本当はボックスカーフを使いたいところなのですが、問題は商品がかなり高くなってしまう点です。ですので、革のプロである鈴木さんに相談し、シュリンクレザーの選択と同様にビスポーククオリティを維持しながら価格を抑える革を探してもらっています。確定したら逐一ご報告していきます。

錠前についてもまだ確定しておりません。ひとまず、前回ビスポークした際にも使ったイタリアMMコロンボ社の時計型錠前で見積もりを作ってもらっています。前回は丸型でしたが、今回はもし採用する場合は四角を使おうと思います。とにかく高いので、商品の価格が上がりすぎてしまったら再検討するかもしれません。

というわけで、現在決まっていること、検討していることについてご報告でした。また近くスージースヴェルトに行く用事もありますので、何か進展があればその都度ブログにアップしていきます。

コメント

  1. まなくん より:

    オボイストさん、こんばんは。

    最近の私の日常の中で、この記事のシリーズが最も楽しみにしているものです。
    更新があると分かると、即アクセスしております笑
    (んー、多分平均1日5回位見てますw)
    そんなに更新ないと分かってはいるのですが…
    楽しみすぎて…もう、、これを楽しみに生きています。

    本当に素敵な企画をありがとうございます。

    因みに…もし、あの錠前が採用可能なのであれば…丸か四角か選択出来たらものすごく嬉しいなと思います。
    (以前の丸い時計型の錠前が本当に素敵だったので…)
    きっと四角のタイプもとっても素敵だと思うのですが、オボイストさんのビスポークバッグ第一号に一目惚れした身としては、是非あの錠前も復刻して頂きたい気持ちでいっぱいです。

    不可能であれば…ご無理はいいません。
    ご検討頂けたら幸いです。

    続報、心から楽しみにしております。

    • oboist より:

      まなくんさん、ありがとうございます(^^) こういったコメントは、私のような趣味ブロガーにとって大変励みになります。いつもお読みいただきありがとうございます♩
      スージーとのコラボ商品は、発売自体はまだまだ時間がかかりますので、気長にお待ちいただければと存じます…!

      錠前の件、スージーの鈴木さんと共有させていただきました。実は丸型時計錠前の在庫がほとんど無く、再び仕入れるとしてもかなり高くなってしまっているようでして、現状入手可能な四角ダイヤル(これも個数限定にはなりそうです)を採用した経緯がありました。
      完成時に在庫が残っていれば、多少プラス料金のオプションになってしまうかもしれませんが、対応させていただくようにしたいと思います。
      バッグチャームの形状など、まずは四角ダイヤル基準でカッコ良く仕上がるようにスージースヴェルトと協力して頑張りますので、楽しみにしていてくださいね♩

  2. まるすけ より:

    オボイストさん、こんばんは!

    いや〜靴に続き鞄も続くとは思ってもみませんでした^^文章からその想いがグングン伝わってきます。
    しかもダークグリーンを選択されるあたりがさすがですね、本当に合わせやすくて私も大好きな色です◎

    仰るように、ステレオタイプではもういろいろなところで通用しなくなっている現代ですから、お二人を通して作られる鞄、続報も楽しみにしています!

    ※リンクのご紹介、ありがとうございました^^

    • oboist より:

      まるすけさん、コメントありがとうございます! レザーポートさんの記事、勝手にリンク貼ってすみませんでした^^;
      はい、私もです笑 スージースヴェルトは最も私がコラボしたかった相手でもあるので、どんな商品が仕上がるか、今からワクワクが止まりません!
      ダークグリーン、良いですよね♩ オボバッグで仕事する自分の姿を想像するだけで、成果が爆上げしそうです笑
      オボイストモデルのサンプルの時同様、製作中こちらからアドバイスを求めることがあるかもしれませんが、その際には是非とも忌憚のないご意見を聞かせてもらえたら幸いです。。。!

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