弾丸東京一人旅(T.MBHでオボイスト別注アイテム作っちゃうぜ編)

Diary

さあ、ようやく一人旅最初の一人行動です。念願かなって訪問出来たT.MBH。オートロックのビルのチャイムを押し名前を名乗ると「お待ちしておりました」と女性スタッフの声でロックが解除されます。ワクワクしながら3階へ。

浅草橋直営店は店内の約8割は作業スペースになっていて、商談スペースには机と商品のエイジングサンプルなどが置かれていました。座って豊富なサンプルを手に取りながら、岡本さんによる各作品の解説をしていただきました。

こちらはペンケース専用の木型。いろんなペンに合うようにそれぞれの木型が準備されていて、持ち込まれたペンの形状に近いものを必要があれば修正したりしながら使っているそう。

ペリカンのスーべレーンがピッタリと収まるこちら。通常市販されている一本挿ペンケースと違って、マシンを使わずに全て手作業のため無駄なスペースをほとんどなく作り込むことが出来るため、ペンそのものの大きさとほとんど変わらないように思えるフィット感。工房にはこの日二人の職人さんが出勤して商品を黙々と作り続けていらっしゃいましたが、岡本さんと話している間にも聞こえてくる機械音はゼロ。コバ仕上げもグラインダーなども使わずに全て手磨きにこだわられているT.MBHの静謐な空間を見て、この身で感じて初めて「T.MBHの商品がどれも“整っている”理由」が分かった気がします。

ガルーシャとシルバー925のコンビネーションが美しいバングルも拝見。こうした金属を使う製品も全て原型は岡本さんがご自身で作られるそうです。バリのない精緻な作りです。

YouTubeなどにもアップされていますが、こちらが岡本さんが「これ以上のものは作れない」と口にするペンケース。右に見切れている設計図をもとに、知恵の輪のようなカラクリを盛り込んだとてつもない仕上げで「今はここまで手の込んだものを作る時間は取れないですね、当時お客様からオーダーいただいて作ったものですが“これは岡本くんが持っておいた方が良い”とここに置かせてもらっているのです」とのこと。左右についた凸部分を内部の溝の迷路に這わせて蓋をする構造です。どうしたらこういうものを作ろうという考えに至るのか、凡人の私には想像もつきません。

前回の名古屋で買わせていただいたエレファントのおりつむスマートと、トープヌバッククロコの二つ折り財布の使い心地について岡本さんに報告。エレファントはどんどん艶が出てきてエイジングが進んできましたし、二つ折りについては私の持っているカードが全てコンパクトに収納できてしまう優れもので、ものすごく便利になりました。

ところが人間欲深いもので、ちょっとした時に持ち運ぶバッグや財布が小さくなって喜んでいたと思ったのに、使っていく上で「免許証とクレジットカード1枚だけで良い時に限っていえば、二つ折り財布でもまだ大きい」と感じてくるものなのですよね。いや、無理矢理自分にそう思い込ませて新しいカードケースが欲しいだけなんですけどね^^;!!! そんな話をしながら岡本さんに葉合わせ名刺カードケースを見せていただきます。こちらは名刺が15~20枚ほど収納可能なタイプで、ステッチのない葉合わせ製法のおかげで非常にコンパクトながら見た目からは想像もつかないほど大容量さを持ち合わせています。

既にこの商品は非常にコンパクトなはずなのですが、私が今求めているアイテムは「二つ折り財布ですら大きいと感じる場合に限って、カードが2枚程度持ち歩ける超コンパクトなケース」なんですよね。「名刺カード入れはあくまで名刺も入れる想定で作っているわけですから、名刺よりもサイズの小さいクレジットカードや免許証のみ少量入れば良いと割り切ってしまえばさらに小さいケースも作れます」と岡本さんが仰ってくれて。“コンパクトで大容量”がウリの葉合わせ製法で作る超コンパクトで小容量なカードケース。これをオボイスト別注的な感じで作ってしまおうと!!!

「じゃあ革をどうしようか」と話していたところに岡本さんが持ってきてくれたのがこのエレファントのヌメ革。時計ベルトやおりつむで使っていて元々私の大好きな革ですが、こちらはタンニンの色そのままのヌメ。今月全国各地で予定されている「とにかく明るいオーダー会」イベント用に仕入れられたという革で、丈夫で美しいエレファントが飴色に変わっていくエイジングが楽しみなヌメ革で登場となれば、大好きに決まっています。同じ革で作られた葉合わせコイン札を見ればますます楽しみになってくる。

「せっかくエイジングの楽しめるヌメエレファントで作るなら、ライニングも同じくエイジングが特徴的な革が良いのでは?」ということになり、通常はノブレッサカーフで作るところを今回はヴォーバレニアのブラウンを採用することに。こちらも岡本さんの私物のコインケースでエイジング具合を見せていただきましたが、革本来の皺や使っていくうちに艶が出る感じなどが堪りません。表面の柔らかい革なので爪の引っ掻き傷などは付きやすいので新品のうちは一喜一憂するかもしれませんが、そういった傷も含めて表情の変化を楽しめる革かなと。

今回作っていただくカードケース、非常に小さく仕上がる予定でそこがミソなわけですが、小さいながらも所有欲が満たされるようにライニングについては通常よりも僅かに(0.1mm)厚く仕立てていただきます。数値で見ると僅かに思えるこの差が、仕上がった時のふっくらもっちり感に繋がるそうです。革との出会いも、こうしたアイデアも、やはり東京へ足を運んで直接お会いして議論を重ねたからこその賜物です。無理矢理仕事休んで本当良かった(泣)

そんなわけで、

“コンパクトで小容量”
“もっちり満たされる所有欲”
“全方向エイジング”

という3つの特徴を持ったオボイスト別注葉合わせカードケース、驚きの5月末完成予定です、早っ。お忙しい中御対応いただいた岡本さん、そして職人の皆様には感謝しかありません、本当にありがとうございます。完成後は「オボイスト特注のヤツ」と伝えていただければどなたでも買えるようになるはずですので、ちょっと今回は本当に楽しみにしていてください!!!

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