33歳になりました。(時在服飾設計&mizuiroind編)

Clothes

2日目。プランは特になく、ホテルで9時半に予約した朝食を食べてから京都市内を散策することになっていました。私は一人で旅行する時、朝食は出来る限り早く済ませて目的はなくとも何か行動しないと気が済まないタイプなのですが、妻曰く「特に決まった予定もないんだから、朝食は一番遅い時間にしてゆっくりすればいいのよ」とのことで、なるほど大人だなと。朝食前には部屋は全て片付けていつでもチェックアウト出来る状態にした上で会場へ。美しい庭園を眺めながら窓際の席でいただきます。

土鍋で炊いたご飯が食べたい妻は和食に、写真で見たオムレツが美味しそうだったので私は洋食を選びました。「ご飯はたっぷりありますから、ご主人様も食べられるようにお茶碗ふたつ置いておきますね」とスタッフの方の気遣いのおかげで、私は結局妻のおかずも貰いながら3杯も食べてしまいました。美味しかった・・・妻は「これまでで二番目にご飯の美味しいお宿だった」と絶賛していました。ちなみに私たちの中で不動の1位は伊豆の望水です。結婚する前に泊まったお宿ですが、そのとき熟年の女性スタッフの方に「ご結婚されたらまた来てくださいね」と言われてから約束を果たせないままもう8年も経ってしまいました。来年あたり、また行ってみようかな。

朝食後は、今後のサービスの展開を検討し実験的に提供しているというバーカウンターでのお抹茶。庭園奥にある小屋で少しかしこまってお抹茶の先生が振る舞っていたようですが、敷居が高いのかあまり利用されるお客様がいないようでこうしてカジュアルにカウンターでいただけるようにするか考えているようです。好きな茶碗を選ばせてくれましたが、私と妻はここでは意見があって二人とも同時に丹波焼の口が大きく開いたものを指差しました。誕生日だからということで譲っていただきましたが、口の開きが小さいものはお抹茶が冷めにくいため冬向けなのだということを先生に教えていただきました。

お茶を飲んで気持ちが落ち着いたところで、素敵な宿ともお別れです。ホテル名通り、新しく生まれ変わったような気分で出発します。行き先は決まっていませんでしたが、とりあえず四条方面へ。結婚記念日に来たときにもう少し歩いて回ろうと思っていたのですが、意外と時間がなかったので今日はのんびり色々見て回ろうと。

9月とはいえまだまだ暑いですね。先月来た時よりは多少マシな程度で、日陰を選んで道を行きます。

タカシマヤでは妻が最近一番好きなブランドであるmizuiroindで色々と試着させていただきます。とても親切な女性スタッフで「三条の路面店にも是非行かれてみてください」とおすすめいただいたので、後で行ってみることに。その後も少し歩いて回りましたが、特にめぼしいものもなく最後に近くにあった藤井大丸内でお茶してから三条に向かおうということになりました。

エスカレーターに乗っていると「時在服飾設計」という気になる文字が飛び込んできました。百貨店にありがちなスーツのイージーオーダーのお店だろうか? ちょっと気になったので4Fで降りてみます。全然期待していなかったのですが、何やら見るからに絶対普通じゃない感じのお店を発見。

時在、と書いて、ときあり、と読みます。ホームページのブランドコンセプトには、

日常と非日常。現実とのずれにより生まれる幻想。
身体と観念の摩擦によって生まれる静かな気配を掬い出す。
重なり合う布、あなたの身体の表層に夢を描き出す。
あなたを隠す衣服は、あなたをより浮かび上がらせる。
騙し絵のルビンの壺のように。

とあります。なるほど分からん、とりあえず中に入ってみましょう。

驚いたのはとにかくシャツ、シャツ、シャツ。スタッフさんは一人、菅田将暉似の人間の芯の強そうなお兄さん(以下菅田兄)が佇んでいます。話を聞いてみるとまだブランドとしては1年経過したくらいで、社員は菅田兄と社長の2人のみ。店舗は京都のここだけ、他にはベルギーにひとつだけ卸先があるということでした。なるほどますます分からん、面白い。

「この春夏は社長が“シャツがやりたいから、シャツしかやらない”と決めてまして。メンズウィメンズの区分けはなく、サイズで合うものを選んでいただいています。是非試着してみてください」と菅田兄。デザインが原本のまま壁に展示されているのはとても斬新で「この空間から人の手によって作り出されています」という既製服を買うときに忘れがちな事実を思い知らせてくれます。

色々試着させていただいたのですが、驚くことに全部良い。ちょっとこれはただ事ではないぞと感じ、最終的には黒いスタンドカラーシャツをとりあえず1枚買って帰ることに。これだけ世界観の整った服屋さんが新しく見つかるなんて体験、今となってはなかなか出来ないので本当にテンションが上がりました。言うまでもなくディテールは素晴らしいです、ステッチも細かくギャザーも綺麗で生地も最高、着心地も無茶苦茶良い。しかし何よりその佇まいというのか、寡黙な服の醸し出す雰囲気が素晴らしいです。ブランドコンセプトの“あなたを隠す衣服は、あなたをより浮かび上がらせる”という一文が最も適切な表現であると感じます。

本当ならもう1枚欲しいくらいでしたが・・・まず買って、実際に着込んでいくうちに見えてくることもあるでしょうから我慢。菅田兄はあっけらかんと色々と教えてくれて「このシャツコートはポケットの位置を下げすぎて手が足りないことに気づいたので今から作り直すんです」など、商品の開発秘話も聞くことが出来ました。こうした“未完成”の衣服が百貨店に並んでるの、私は初めてみました。これこそアトリエって感じで大変刺激を受け、旅の帰り道は妻と以前から話すには話していた「自分たちでブランドを作るならどんな風にするのか」というテーマで盛り上がりっぱなしでした。時在に影響を受けまくったので、とりあえずシャツかな。

気に入りすぎてそのまま着て帰ることにした時在のシャツに包まれてからは、当初の目的通り大丸内でケーキを食べて休憩したのちに三条へ。朝は晴れていたのですが急に雨が降ってきて、傘をさしながらmizuiroindへ。明治時代からある時計屋さんの建物に入った風情のある店舗で、スタッフの方に聞いたら撮影OKということでしたので、妻が試着している間写真を撮ってまわっていました。

階段をのぼって2階から服を見ていきます。年季の入った造形の美しい木製の手摺り、今同じように作ろうと思ってもすぐに出せる雰囲気ではありません。

mizuiroindの服は私から見ても妻に似合っているものが多いです。最近はevamevaかmizuiroindが多く、made in japanの上質なカジュアル服を選ぶようになってくれてなんだか私も嬉しい。一緒に買い物していても、こういうお店の方が見ていて楽しいです。evaみたいにメンズも作ってくれれば良いのにな。

妻もここでシャツを手に入れたところで、2人とも十分満足したのでそろそろ帰ることに。大津のサービスエリアで551の豚まんをテイクアウトし、私の要望で滋賀竜王アウトレットだけ寄っていきました。前にももしかしたら書いたかもしれませんが、ここの靴下屋はホーズの在庫が多くしかも全部半額になっているので、関西方面に行った際は必ず寄って5~10足買って帰るようにしています。新しい靴下ってとても気分が上がりますよね。

というわけで、33歳の誕生日は妻のおかげで特別な日になりました。年齢を重ねるとともに諦めていくものも多いのだろうかと、もっと若い頃は思っていましたが、なんだかまだまだいろんなものを手に入れられるような気がして二人の未来に希望しか感じません。時間が経つのは早いですから、やりたいことをやり残さないようにこれからも共に支え合ってチャレンジしていこうと思います。

コメント

タイトルとURLをコピーしました