本編の前に一つご報告。今朝カメラが故障しました。
特にぶつけたりした記憶もないのですが、突然フォーカスが出来なくなりエラーメッセージが出てシャッターも切れない。毎朝の定点観測のためにもカメラは必需品なのですが、ひとまず見積もりを出すだけでも2週間かかるそうで・・・現在カメラのキタムラに入院中です。
RX-1Rのフルサイズセンサーで撮影した写真に慣れてしまうと、とてもiPhoneで撮った写真では満足出来ないんですよねー・・・綺麗な写真を撮ればブログを書く意欲も湧いてくるのですが、スマホ撮影ではイマイチ気持ちが盛り上がりません。修理期間を含めると一ヶ月ほど愛機と離れ離れの生活。更新スピードが落ちるか、割り切ってスマホ写真で更新していくか、どっちに転ぶか分かりませんがどちらにしてもすみません。
さて、先回「これでしばらく打ち合わせすることもないだろう」というようなことを書いたのですが、お互いに絶えず新しいアイデアが湧いてくるのでやっぱり電話やLINEで連絡を取り合っています。
前作の通称“血潮滾るビスポークバッグ”では、表の革にヴォーエプソン(割と硬めの型押しレザー)、裏地にラムナッパ、そしてそれらにサンドウィッチするように銀付きのゴートレザー、要所要所に補強材、といった構造を採用しました。今回は元々少し価格を抑えるためにもよりシンプルな構造を考えていて、表にはシュリンクレザー(厚みはあるが柔らかめ)、裏面に硬めのヌメ革、という二枚仕様にするつもりでした。それぞれの革の特性に頼って作るバッグにし、材料費も削減出来ると踏んでいたのです。
しかし鈴木さんから「やはり芯材を入れた3枚構造の方が良いような気がしてきました」と連絡をいただき、構造について再考。現在、まだ検討中ではあるのですが、芯材として硬めの革を仕込めるのなら、ライニングには前作と同じラムナッパのような柔らかい革を使うことも出来そうです。このブログを読んでいただいている方でしたらご存知かもしれませんが、羊革には「シープ」「ラム」と種類があります。この中で最も安価なのが生後1年以上経過した原皮であるシープ、それ未満はラムと呼ばれます。前作のライニングを触っていただいた一部の方には分かっていただけると思いますが、すべっすべのラムはグローブなどに使われるべき革で、通常バッグのライニングに使うなんてもったいないくらいの超ハイグレードレザーです。
ただ、前回はたまたま?スージーが隠し持っていたストックにあった為、アルカンターラなどを取り寄せるよりも安価に採用していただいたのでした。そして今回、あまり高くなってはいけないのですが、下の写真のカラー限定で10枚ほどストックがあるらしく、この色だったらほんの少しのアップチャージで採用していただけることになりました。バッグ3色どれにでも使えるスタンダードなベージュカラー、そして何より触った途端に気絶しそうなくらい気持ちの良いラムナッパを、今回採用出来るとは思っておりませんでしたので・・・即座に「これでお願いします」と鈴木さんに伝えました。※一応、まだ検討中ですので仕様が変わる可能性もあります。
そして前回、フラップ部などに使った補強材はベルポーレン・ウェブロンといった副資材でしたが、この間アトリエを訪れた際に「いつも使う補強材の代わりに硬めの革などがあればオーガニックな素材でバッグが作れるのですが、それはそれでコストがかかるし悩んでいる」と鈴木さんが話していたのを思い出し、そういえば我が家には私が趣味で隠し持っているストックレザーの中に、前回オボイストモデル早期予約特典に使ったオイリーな栃木レザーとはまた別の、硬めな仕上げがされたダークブラウンサドルレザーが余っていることを思い出しました。まだ150デシくらい余っているので、もし使えそうなら今回の企画のために提供しようかと思っています。鈴木さんに写真を送ったところ「ちょうど良い厚さ・硬さかもしれません」とお返事をいただきましたので、今度実物をチェックしてもらおうと思っています。
これ、結構良い革なんですよ。デシ単価もそれなりにしたような・・・笑 これも本来見えないところに使うような革ではないのですが、私が隠し持っておくよりも有意義な使い方だろうと思いますし、これなら材料費ゼロでクオリティをアップすることが出来ます。皆様に届く値段はそのままに、より贅沢な仕様を。
さらに、間に挟む硬い革についても鈴木さんから驚きの提案が。「どうやら、イギリスのブライドルレザーの床材があるそうなんです」と。ブライドルレザーについてはもはや説明不要ですよね、馬具などに使われる丈夫な革です。ホワイトハウスコックスやFugeeのバッグなど、一級品の素材として知られるブライドルを、これまた全く見えない芯材として使うとは・・・どれだけ贅沢なバッグなんだろうと。ただ、確かに堅牢なブライドルレザーの床材を使うことが出来れば、柔らかなシュリンクレザーを支える役としてはバッチリ。実際に芯材として使えそうかどうかは実物を見てみないと分からないため、今度鈴木さんと愛知県内のとある革問屋へ一緒に行く約束をしました。それまでにカメラが直ってくれると良いのだけど。
とにかく、まだ未確定情報ながら、企画者である私も心が躍る展開になってきました。ご検討いただいている皆様も続報を楽しみにしていてくださいね。
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