長野慶太『神隠し』

元々自分で読んだ本を忘れないため、という理由で初めてみた読書後のレビュー。
ファッション関連の投稿をした日と比べると極端にPVが少なく「私のブログに求められているコンテンツではないんだろう」と薄々感づいてはいましたが、先日私のブログを読んでくれている読書好きの友人に「今は本屋大賞ノミネート作品追っかけてる、いつも楽しみにしてる」なんて言ってくれる奴もいたし、今日も自分のためと、少ないかもしれないがどこかにいる小説好きの読者の方々のために書いていきます。
長野慶太『神隠し』
 
発売日:2013年2月21日
形態:単行本
ページ数:317
オススメ度:★★★★☆
オボイスト家の車が一台になってから、二人とも休日となる月曜日に揃ってスーパーや薬局に行くのが定番になっていますが、時々スーパーの中にある本屋で妻が雑誌なんか買う時にはついでに私にも一冊買ってくれたりします。この日もジゼルの最新号を買う時に「一冊買う?」と言われて、立ち読みしながら好みの本を探しました。
初めから決めていたタイトルや作家で買うわけでは無い場合は何ページか読んでから書いますが、やはり最初から引き込まれる本を選びがちです。『神隠し』は冒頭、新聞記者の主人公に空港職員から匿名で「空港内で子どもの誘拐にあったと騒いでいる女がいる」と一本の電話が入る場面から始まります。何やら最初から不穏な雰囲気。
話の舞台はアメリカ。登場人物も一部日本人も登場するものの、基本的にはアメリカ人が中心のお話。洋書を翻訳した本には苦手意識がありますが、日本人が書いたアメリカの話ですから私には大変読みやすかった。
著者の長野氏自身もアメリカでの生活が長く、空港内の描写なども非常にリアルで緻密に描かれています。ビジネス書を多く出版されている方ですが、淡々とした文章の端々から知性を感じられ、非常に頭の切れる書き手なのだろうという印象。押し付けがましく無いから読んでいて気持ちがいいですね。
日本人は一部登場、と上記に書きましたが、後半にいくにつれて実は日本との関係が色々と出てくるわけですが・・・セキュリティチェックの厳しい空港内で起きた完全犯罪、その全貌、その後の物語まで、一気読みさせる読み物。オススメです。ハリウッドは空港が舞台の映画、面白いものも結構あるし、是非映画化して欲しいですね。でもちょっと地味かな。
 
 

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