原田マハ『常設展示室』

マンションに引っ越してから度々「本棚が欲しい」とInstagramなどでも書いていましたが、スペースが限られている中で大きな本棚を置くのは勿体無いような気もして、今のところ買っていません。その代わり、キッチンのダイニング側にある収納スペースを本棚として使うことにしました。
実家に置きっぱなしにしてあった本の一部、お気に入りの作品を持ってきただけでかなり埋まってしまいましたが、とりあえず。買ってもしまうところがないことから、最近ちょっと読書から離れてしまっていたし、これでまた読書熱が高まってきました。
そしてブログに掲載する本の紹介、これも大変難しく苦手なのですが、実家から持ってきた本を眺めていると「そういえばこれ、同じものをこの間また買おうかと手にとっていたな」とか「読みたいと思っていたけど、読んだんだっけ」と色々忘れていることもあるので、あくまで自らの備忘録として誰の参考にならなくてもとりあえず残しておきたいと思います。
というわけで、東京旅行の際にGINZA SIXの蔦屋書店で購入した一冊。
原田マハ『常設展示室』
発売日:2018年11月22日
形態:単行本
ページ数:190
オススメ度:★★★★☆
短編集ってあまり好んで読まないんですよね昔から。やっと物語の世界観にどっぷりハマったと思ったらまた別の世界に行かなきゃならないことに、頭の切り替えが追っつかなくて。
それでも、大ファンの原田マハの本だし、元々東京から名古屋へ帰る間に読みたいと買ったものだから、今回に限っていえば短編集の方が結果的には都合が良かった。
六篇のストーリーの主人公たちは、皆それぞれ異なる立場・状況で美術館を訪れます。絵画の専門家である主人公もいれば、役所で働く公務員もいる。そんな主人公たちが美術館で出会った絵がきっかけで、心のベクトルに変化が生じる瞬間を切り取ったストーリーが描かれています。
私は絵画には全く詳しくないけれど、相変わらず原田マハの美しい小説を読んでいると心が落ち着きます。何がいいんだろう、よく分からないのですが、瑞々しくて静かな情熱が心地よい。
これまで一枚の絵を見て心が動くような経験がないことが勿体無いような気すらしてきます。それほどまでに、原田マハの描く人物たちは絵画を前にしてキラキラして見えるんですよね。どのストーリーも読みやすいですし、オススメです。

コメント

タイトルとURLをコピーしました