2013年6月に手に入れた、私にとって初めてのMTO靴であるKOKON422。社会人一年目から仕事でガンガン使っていたこともあって、他の靴と比べて状態が悪く、中でもインソールはボロボロで販売元に相談してもお手上げ状態、最近では履くこともほとんどなくなっていました。しかしアッパーに採用したコードバンはまだまだ元気で、処分するのも勿体無いな・・・と悩んでいたところ、まるすけさんがThe Asakusa Cobblerさんを紹介してくれました。
インソールを変えるということは一旦アッパーを外して釣り込み直しが必要となるはず、KOKONのラストも無いはずなのに一体どうやって?と不思議でしたが、出来上がりは素晴らしいの一言。早速生まれ変わった422をご紹介していきます。
昨年11月中頃に靴を発送し、約2ヶ月半で戻ってきた422。時間がかかっていますがそれもそのはず、今回の修理内容は、
- 中敷交換グッドイヤー製法(リブ付き)
- オールソール(手縫いベルギー産レザーソール)
- トップリフト
- ハーフミッドソール
- ダークブラウンシューレース
という大掛かりな内容。手縫いによる復旧を受けたKOKON422は、一言で表すならば、ぶっ生き返っていました。
力強いステッチを見れば一針一針手で縫われたことが分かります。
ガンガン使うことを想定して元々スペードソール(ハーフミッドソール)仕様でオーダーしていましたが、今は逆にその迫力が新鮮に映ります。新人の頃のようにがむしゃらに歩き回ったりすることは無くなり、テーブルで商談しているかデスクワークをしている時間が多いですが、この靴を見ていると「初心忘るるべからず」と気が引き締まるようです。
まだ歩いていないのでこのベルギー産のソール素材がどんな歩き心地なのかは分かりませんが、十分なかたさがあり耐久性がありそう。
チャネルはオープンですが、手縫いであることがここからも分かるので、手縫いフェチな私にとっては好都合。縫い目を見ていると「絶対に見捨てない」という石郷岡さんの気合が伝わってきます。
トップリフトなども特に指定せずお任せでしたが、ご覧の通り非常に美しく仕上がってきました。
待っている間に何人か「修理に出したけど残念な出来だった」という方が周りにいたのでちょっと心配していたのですが、完全に杞憂でした。確かに私の422に違いないはずなのに、魅力が増している気がする。
ピッチドヒールで仕上がってきました。こちらも全部お任せです、靴の雰囲気を見てこうしてくれたのかな。ずっと見ていられそうな尻。
肝心なインソールももちろん新品に。足の発汗量が多いのですぐに黒ずんでしまうのですが、履き込まれたアッパーには似つかわしくないほど綺麗です。
ブラウンのシューレースも指定したわけではありませんでしたが、今回は平紐のものを付けてくれました。アッパーも磨いてくれて、コードバンが生き返っていました。
まるすけさんと石郷岡さんがいなかったら、思い出のたくさん詰まった大切な422を処分してしまうところでした。お二人にはこの場を借りて改めて御礼申し上げます。もし難しい靴の修理をご検討されている読者様がいたら、諦めずにまずはThe Asakusa Cobblerさんに相談されてみてはいかがでしょうか。きっと大切なあなたの靴を、ぶっ生き返してくれるはずです。
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