Naoya Hida TYPE1Cをオーダーしてから早いもので3年が経過しようとしています。あの時計は私にとってのアガリ時計だと記事にしてから、その思いは今でも変わらずに持ち続けていますが、同時にTYPE1Cを手に入れたことによって時計好きの方々との交流が一気に深まりました。世界には私が知らない素晴らしい時計ブランドがまだまだ無数にあることに気付かされ、時計を趣味としている人々の感性に触れたことによって気になる時計が他に一本も出てこないのかと問われれば、もちろんそんなことはありません。私が独立時計師の浅岡肇さんを知ったのも飛田さんとの出会い以降になりますので、その浅岡さんがデザインを手掛けるクロノトウキョウについて知ったのもまだこの数年です。アガリの時計とは一味違う、普段使いに心地良い同ブランドの新作“34mm”を幸運にも手にすることが出来ました。
私のブログ読者層は時計マニアばかりではないと思うので簡単にこのブランドについてご紹介。独立時計師アカデミーの正会員である浅岡肇さんは、日本で初めてトゥールビヨン機構を搭載した時計を発表した日本で最も有名な独立時計師の一人。ゼロから仕上げるHajime Asaoka名義の手の込んだ時計は世界中のファンがデリバリーを待っているような状況ですが「作っている浅岡さん自身が普段使い出来る時計」を目指して開発されているのがKURONO TOKYOシリーズと言われています。浅岡さんがデザインされている時計群ですが、汎用ムーブメントを搭載しお手頃な価格に抑えられているのが特徴。元々は時計店とのダブルネームでCHRONO TOKYOとして国内向けに展開されていましたが、現在はKURONO TOKYOと表記が変わり世界に向けて発信されています。
“34mm”は昨年1シーズン目が限定販売されて1分以内に完売したとされる特別なモデルで、現代の時計では珍しい小ぶりなサイズ感とヴィンテージ調のデザインが評価されている時計です。2シーズン目に当たる今回のシリーズでは、従来モデルの色違い2色に加えて、新たにセクターダイヤルデザインの2モデルが追加されました。世界同時発売開始前に、日本国内向けには青山サロンで先行抽選販売が行われており「どうせ当たらないだろうけど・・・」とダメ元で申し込んでみたところなんと当選! デリバリーされる日を今か今かと楽しみに待っていました。
海外ユーザー向けの日本ブランドということで、パッケージには和を感じさせるテイストが随所に盛り込まれおり、文字盤のブランド名も34mm以外のモデルは共通してカタカナで“クロノ”と入っています。豪奢な梱包ではありませんが、他の時計ブランドにはない粋な開封体験は非常に好印象。
転売対策にオーナー名が記載されたボックスを開けると、オフホワイトのクリーニングクロスの下からいよいよお出ましです。4色ある中から私が選んだモデルは、、、
こちら。セクターダイヤルモデルのパーシモン(柿色)です。今回は特に新作のセクターダイヤルモデル2種が人気のようですが、冒頭で書いたように時計好きの方々と交流したり投稿を拝見していて「サーモン系ダイヤルの時計が一本欲しい」と思っていたところまさにドンピシャな色合い。お洒落なサーモンピンクというよりも「ニッポンのシャケおにぎり」って感じのカラーリングが妙に愛らしく親しみが湧きます。味付けは塩でシンプルに、いつの時代でも美味しい定番レシピ。
34mmというサイズは私がこれまで手にしてきた時計の中で最も小さなものになります。手首周りが細いとはいえ、当初は「小さすぎるだろうか?」と少し心配だったのですが、意外にもとてもしっくりきています。自動巻ムーブメントが搭載されたぷくりと膨らみのあるこのモデルは、直径の数字以上に適切な存在感を残しています。これが薄型手巻きムーブメントだったら、ガタイの良い私には軽すぎて逆に違和感を覚えたかもしれない。
「終わりの始まり」TYPE1Cと並べて記念撮影。多分私の手首に最もマッチするサイズは37mmのTYPE1Cなのだと思っていますが、同じ日本ブランドであっても全くキャラクターの違う2本ですから喧嘩することは無さそうです。ちなみに碌々産業さんのYoutubeに、飛田さん浅岡さん両氏の対談動画が上がっています。全編見ましたがお二人の人柄や考え方が伝わってきて非常に面白い動画ですので、ご興味のある方は是非見てみてください。
スクリューバック、またしても“透けないケース”です。私が自分で買った時計は全てソリッドバック。偶然ですが、ムーブメントを眺める趣味は私にはありませんので潔くて気に入っています。
与謝野晶子の詩がコラージュされたEDOandYUMEKAの作品と、オボイストアートスカーフのオレンジを背景に写真を撮ってみました。ブラックの型押しカーフストラップにはホワイトに近いベージュのステッチが入っています。化繊のため光の元ではもっと白っぽく見えますが、文字盤色と上手くマッチしていてなかなか良い雰囲気。7つ穴のあるストラップでも、私は一番小さな穴で丁度良いくらいです。このままでも良いのでしょうが、いろんなストラップと付け替えて楽しみたいので近くSusieSveltに相談に行こうと思っています。
腕に乗せるとこんな感じ。どうでしょうか、非常に控えめでありながら確たる芯のあるデザイン。ファンが多いのも頷けます。写真で表現するのは難しいですが、丸みを帯びたケースは眺める角度によって見え方が変わり奥深いものがあります。
これまで時計はチェリーニとTYPE1Cの2本がメイン使いになっていましたが、34mmは間違いなく私のコレクションの中でもレギュラー軍に入る時計になると確信しています。
これで私の元には6本の時計が残っていることになります。妻がくれたknotと、父がくれたハミルトン(これだけ裏スケ)は最近は着用することはなくとも私の大切な時計なのでずっと取っておくモデルです。自分で購入した時計4本(左からtudor,rolex,kuronotokyo,naoyahida)は最大でもチェリーニの39mm以内に収まっています。何十本も時計をお持ちのコレクターの方もいらっしゃいますが、私は靴と同じ考え方で自分で使いこなせる数以上に集めてしまうと精神的に重荷に感じるので時計も増えたとして右端の空白を埋める一本のみかなと。とはいえ現時点でお目当てのモデルがあるわけではありませんし、時と場合のよっては左の4本が入れ替わる可能性も0%ではないと思っています。以前の私ならば大切な思い出の詰まったアイテムを手放すということには強い抵抗感を覚えたのですが、最近は少し考え方が変わってきたように思います。(例によってこれも完全にマークチョーさんの影響を受けています)
34mmはダントツで気に入っているTYPE1Cの隣のボックスに収めることに。それにしてもストラップをどうしようか、既にSNSに上がっている様々な写真を見て想像していますが・・・ダメだ、居ても立っても居られない。とりあえず今から、鈴木さんに連絡します。私がこの時計にどんなストラップを合わせるか、是非楽しみにしていてください。
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