Fumiya Hiranoの為ならば・・・

Clothes

お久しぶりです。丸っと1ヶ月、ブログのお休みをいただいていました。色々とネタは溜まっているのですがなんとなくブログを書く気にならなくてインスタやXへの投稿で済ませてしまっておりました。休暇をいただいている間にも、韓国へ旅行に行ったりずっと探していたダウンコートを手に入れたり、10年以上?私のブログを読み続けてくれているとある読者の方とようやくお会い出来たりと色々あったわけですが、とりあえず活きの良いネタから投下していきます。「これは流石にブログに書かなきゃまずい」と背中を押してくれた服がやってきました。

今年7月にもトゥモローランドの狂気のセールでFumiya Hiranoのスーツを手に入れた私ですが、またしてもやってくれましたよ、トゥモローランドさん。まさか前回よりもさらに安くFumiya Hiranoの手縫いのスーツが手に入るとは思ってもみませんでしたが、きっかけは服好き靴好き仲間のMAXさんからのDMでした。表に出ている(SNSのアカウントを持っている)中ではおそらく最強のビスポーク経験の持ち主の一人で、私がここで紹介するまでもなく有名な人ですが、私たちは同世代で勝手に親近感を覚えています。

「トゥモローがまた暴走しています」と数枚のスクリーンショットとともにメッセージをいただき、確認してみるとまたしてもFumiya Hiranoのスーツがいくつも出品されています。慌ててオンラインショップを確認しますが、確かにタイムセールになってはいましたがFumiya Hiranoのスーツは1種類しか見当たりません。どうやらMAXさんが教えてくれたのは常連向けのファミリーセールのようで、私のように大手セレクトショップとほとんど縁が切れてしまっているような人間には参加の権利すら無いものでした。

「残念ながら私には見れないようです、徳を積んでおくんでした。。。」と諦めにも似た気持ちでMAXさんに返信をすると「サイズも見ますし、代行しますよ!」と神対応DMが返ってきました。写真をアップにしたスクリーンショットや、サイズの詳細についても私が質問するとお忙しい中すぐに返信してくれて。そこまでしてくれる神の手を振り払うことなど私に出来るはずもなく、お言葉に甘えてセール対象から厳選した1着の代行購入をお願いしました。配送先も私の住所と氏名をお伝えして、オンラインショップから2日ほどで到着。

私が選んだのは、2016年9月のMen’s EXでも特集が組まれていたホーランド&シェリーのレッドストライプが入ったネイビースーツです。Fumiyaさんがイギリスで独立されたのが2015年6月、私が初めてお会いしブレザーをオーダーしたのが2015年10月。2016年秋といえば、10月にブレザーの中縫いを終えてから一緒にBoleroへ行きFumiyaさんが初めてのビスポークシューズとして黒のダブルモンクを頼んだ日を思い出します。もう随分と前のことなんだなあと自分のブログを読み返しながら(写真は消えてますが)感じました。

スーツが届いたのは11月24日の金曜日でしたが、実は29日に会社でとある収録がありまして、それに間に合えば最高だったなあと・・・しかしだからと言ってお直しを適当なところにお願いするわけにはいきませんし、いつもお願いしているヨツワヤさんは早くても2週間はかかるはずなので、流石に無理だよなと思いながらも。。。簡単に諦めないネチッコイ性格の私は、某大塚さんに「信頼出来る方で5日以内に本切羽袖直しと裾上げしてくれる方なんていませんかね?」と相談してみました。すると大塚さんからは「青木先生ならやってくれるかも。電話してみますね」とすぐにLINEの返信があり取り次いでくれて。「ところで青木先生ってどなたでしたっけ?」と確認してみると、岡崎市にある老舗のテーラーでした。細い路地の中に佇む古い民家で、大塚さんの紹介だから間違い無いのは分かってるけど本当に大丈夫かなとちょっと心細くなりながら早速指定された時間に向かってみます。

いつもの癖でちょっと早く着いてしまって、待っている間にホームページがあったので見てみると国からも何度も表彰されている経歴の持ち主。玄関にはいくつも表彰状やトロフィーが並んでいました。玄関を開けると奥様が「ちょっと今犬の散歩行ってて、もう帰ってきますから」と優しく対応してくれて、ほとんど同時に青木先生がご帰宅されます。

「29日に着たいのですが間に合いますか」と尋ねてみると「彼(大塚さん)からの紹介だからね、やらないわけにはいきませんよ、ははは」と笑顔で特別に対応してくれました。ちなみにボタンホールも裾上げも全部手縫いで仕上げてくれて、料金は税込6,000円。トゥモローランドのセールも狂っていますが、青木先生もどう考えても破格過ぎる。値段表があったわけでも無いので大塚さんパワーなのかもしれないけど、とにかくびっくりです。「28日夕方ギリギリになると思うよ」と言われていたのですが、結局27日昼過ぎには「出来ましたよ!」と連絡が。その日は甥っ子たちと遊んでいたので翌日朝取りに伺ってきました。うん、ハンド仕上げのボタンホールが味わい深く、裾上げも完璧に仕上がっています。私は嬉しくなって、お直しが必要なFumiya Hiranoとサルトリオのジャケットを新たに2着、青木先生に預けてきました。その2着もそれなりに面倒なことを頼んだのですが税込4,000円でやってくれるとのことで、もう今後お直しはベテランの青木先生がいつの日かご勇退されるまで全部お願いしようと心に誓ったのでした。

というわけで、仕上がってきたのがこのスーツってわけです。トラウザーズはサイドアジャスター付きのベルトレス。このスーツもFumiya Hiranoが丸縫いした既製品ですが、ジャケットについては本当に私の体型にぴったりなんですよね。パンツはウェストが少し大きいのですが、こちらについてはベージュのスーツと違ってベルトで締めるわけにもいかないのでサイドアジャスターか、もしくはブレイシーズで吊って着ようと思います。

濃紺に入る鮮烈な赤いストライプ。近くで見るとはっきり浮き出てきますが、着ているところを鏡で客観視してみてもそれほど主張が強過ぎるようには感じません。初めて会った頃から今現在も変わることのない、清く正しく美しいFumiya Hiranoの一本筋の通った人柄がそのまま現れたような生地です。

着てみるとこんな感じ、ほら、そんなに目立たないでしょう。上2つがけの3つボタンが今は特に新鮮です。ビスポークほどのメリハリはありませんが、十分過ぎるほど快適に着られます。明日の取材にはピンクのボタンダウンシャツに赤系のネクタイを合わせて行こうかなと。鎌倉シャツ×DAVID EVANCEのネクタイが合いそうなので名古屋店に問い合わせてみたところちょうど在庫があったので、早速後で買いに行ってきます。(ちなみに明日の取材のドレスコードは“スーツ”“ノーネクタイ”と事前に案内が来ていますが都合の悪い日本語は読めない目と耳を持っているのでごめんなさい)

そしてもう一つ、このスーツを手に入れるために私は靴を2足とバッグを1つ手放しました。どうしても逃したくないチャンスが現れた時に、人はこれ以上ないほど無情で冷静に断捨離が出来るものです。お気に入りだったVASSのダブルモンクと、KOKONのスエードブーツです。靴は元々「KOKONのダブルモンクを手に入れられて使わなくなるようなことがあれば連絡ください」と言われていた足のサイズの合う読者のSさんに買っていただき、主にカメラ用として使ってきたポーターはおかてつさんが欲しいというのでお譲りしました。思い返せば私のワードローブの劇的な「破壊と再生」が2023年のテーマだったように思います。Fumiyaさんからも「ホーランド&シェリーを使ったスーツだったと記憶しています、たくさん着てあげてくださいね」と連絡がありました。みんなが繋いでくれたこのスーツ、私が責任持って大切にしますね。

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