MIYUKI CRAFTS-SUITS PASTORAL×Oboist ①

MIYUKI CRAFTS-SUITS PASTORAL×Oboist

素直に白状します、下心が全くなかったかと問われれば正直ちょっと狙っていました。

読者の方々からは度々「ブログコラボパンツ、是非作ってください!」とメッセージをもらってきました。(みんオボアンケートではgohkitiさんポテロンさんからも) 私は今のところパンツ専業の職人さんとの繋がりがありません。尾作さんのパンツの既製品をネット通販で買ったくらいです。その他パンツも作れる職人さんというとFumiya Hiranoさんくらい。以前大塚さんに相談した際も「パンツは工場の関係で難しいかも」と言われていました。(その流れでオボイストシャツコラボが決まったのですが)

だから、元々ふるさと納税でもスーツを作っていた御幸毛織のパンツセールを聞いた時は、もちろん実用的に仕事で使いたいのが一番でしたが、御幸とのコネクションが生まれたら良いな・・・なんて期待も実は多少ありました。懺悔します笑 だって、ここまできたら全身オボイストコラボ作品で揃えてみたいではありませんか。

で、実際そんな簡単に行くわけがなく、パンツの納品時もそんなそぶりは見せずに大人しく帰ってきたのですが、少し前に御幸毛織の直営サロンであるパストラルのInstagramアカウントがフォローをしてくれました。私もフォローバックすると、ご丁寧にパストラルを運営する西村錠さんがメッセージをくれました。そこからやりとりが生まれ「せっかくですから一度いらしてください」ということで先日おかてつさんと一緒にお伺いしてきたのです。もちろん伺う時点ではコラボ作品を作りましょうなんて話は一度も出ていませんでしたが、パストラルへ向かう道中おかてつさんには「この面談で私は貪欲にコラボ実現の道を模索します!」と宣言していました笑

そして実はこの日、すでに西村さんとは意気投合し、是非一緒にやりたいですねという話にはなっていました。しかし今回はこれまでの靴・鞄・シャツと違って一人の職人ではなく、100年以上続く大手企業とのコラボレーション。さすがに西村さんとの話だけで「やります!」とはこちらに書くことが出来ず、しばらく待っていましたところ「是非前向きに進めさせていただきたい」と再びご連絡をいただきました。というわけで、実際に発売まで漕ぎ着けられるのかはまだ未定ではありますが、やります! その名も“Oboist Trousers”!!!

最初は一回限りの面白イベントのつもりでしたが、コラボ企画を重ねるうちに段々と考えも変わってきました。趣味であるブログですから、これを使って一儲けしてやろうという気持ちは相変わらずサラサラありません。むしろコラボを繰り返すほど私は金欠になります、交通費も含め基本自腹なので笑

しかし、自分が欲しいと思うものを実際にカタチにする楽しみ(通常のビスポーク)だけでなく、それを読者の皆さまにも還元し“これイイネ!”と参加型で楽しんでいただける試み自体が、私の喜びにも繋がってきたのです。

それだけでなく、僭越ながらこれまでのコラボレーションでは各職人さんたちが過去にやったことのない仕様の作品作りに、共に意欲的にチャレンジし、3人とも基本的にとても喜んでくれました。私のような小規模ブロガーですら多少は宣伝にもなりますし、腕もセンスも良いのに作ることに忙しく発信する時間がない彼らの手助けにもなったかもしれません。

これまでのコラボレーションはこちらから。
https://theoboist.net/?page_id=6080

西村さんと最初にお会いした時に話していたことですが、御幸毛織という歴史のある会社でも、最近は柔軟に新しい試みにもチャレンジしていく体質になってきているようです。それこそ、ブロガーとのコラボなんて今までやってきたことはないはずですし、有名人ならまだしも一般企業勤務のアパレル未経験者となれば尚更。この企画が進み始めること自体が異例中の異例のことだと思います。私としても、地元愛知の老舗である御幸とのコラボレーションには意義があると思いますし、何よりパンツを作るとなれば生産する工場も必要。それが御幸の工場となれば、企画次第ではとても良いパンツを作ることが出来るはずです。

今回は、企画の進行を見ながらにはなりますが基本的にはパストラルの西村さんと私のコラボレーションになります。

そんなわけで、Oboist Trousersの企画が動き出しましたので、二度目の打ち合わせ前に既に私はデザインや仕様を考えていました。例によって妹に参考資料の写真をたくさん送り、電話で話しながらIllustratorでデザイン画を作ってもらいます。

コラボ2作目(企画始動順)のOboist Briefcaseは前作のビスポークバッグが元になっていますから絵はありませんでしたが、オボイストモデルもオボイストシャツも、ほぼ当初のデザイン通りの作品に仕上がっています。そんな中でもパンツの仕様を考えるのが一番難しかったです。やりたいことや方向性は決まっているのですが、具体的にどうしたらそれを実現出来るのかが分からなかったのです。

試行錯誤して出来上がったデザイン画がこちら。テーマは「クラシックなエラスティックトラウザーズ」です。イージーパンツは今やどこのパンツブランドでもこぞって作っている種類になりましたが、基本的にデザインはカジュアルなものが多いですし、ドローコード付きもウェストゴム仕様も一目で「イージーパンツだ」と分かるものばかり。最近の私の装いは90%以上タックインして着ることが多いですが、一般的なイージーパンツはタックインすると非常にダサいんですよね。だから前から「ぱっと見イージーパンツに見えない仕様」に拘りたかった。要は「パンツ版レイジーマン」です。

股上は深めにとり、アウトの2タック付き。余裕のある丸みを帯びたワタリと、程よくテーパードしたシルエットはルメールのパンツを参考にしました。バックポケットは右のみ、ボタンなしの両玉縁です。オボイストシャツの胸ポケットを彷彿とさせます。持ち出しは長すぎない程度に長めです、ボタンとループで留めます。

最大の特徴であり最大の難関は、インヴィジブルエラスティックサイドギボシストラップ。要はSewnオボイストモデルと考え方は同じです、ウェストベルトのパーツ内部に平ゴムを忍ばせ、それが見えないように工夫することで履きやすさとクラシックなデザインを両立しています。急いで、それもちょっとお洒落して出かけなきゃいけない!そんな時にも思わず手が伸びるトラウザーズにしたい。勝負服のビスポークジャケットにも合えば、Tシャツに合わせても格好良いちょうど良いトラウザーズ。そして何より、オボイストモデル・オボイストシャツ・オボイストブリーフケースに最も合うのがこのオボイストトラウザーズでなければなりません

今回コラボレーションする西村さん自身は、服をご自身で作ることが出来る御幸内の職人さんではありません。作ってもらうのは今のところ御幸の自社工場を想定していますが、ミユキソーイングの工場があるのは長崎と小樽ですから実際に出向いて説明するわけにもいかず。より具体的に説明するために、パンツの仕様書も妹に作ってもらいました。企業秘密なのでお見せすることが出来ませんが、さすがこの道のプロだけあって非常に分かりやすい図を作ってくれました。

上記に掲げたテーマのほかに「御幸の人と、御幸の生地で、御幸の工場で、御幸らしくないトラウザーズ」というのもサブテーマとして私は勝手に考えています。コラボレーションというのは両者の得意な面が生む相乗効果があって初めて良いものが仕上がると思っています。私の一方通行では決して良いもの作りは出来ないはず。国内で生地の生産まで自社で行う御幸ですから、もちろん生地は御幸にしかないものを使いたいと思っています。

今のところ候補は2つです。ひとつはウールデニム。ウール100%で作られた御幸独自の素材で、各所の反応を色々と調べても概ね良好なものばかり。通常のデニムと比べても綺麗な顔立ちになりますし、ドレスにもカジュアルにも使えそうなところが良いなと。

Twitterで実際にウールデニムでパンツを仕立てた方にも連絡を取りご意見を伺いましたが、「皺に強く吊るしただけで皺が消える。塵や埃にも強いというか、つきにくい・落としやすい・ついても目立たない。綿のデニムと違い色落ち・色移りはないので白・ベージュ系アイテムとも躊躇なく合わせられる」とのことでした。ちなみにこのメッセージをくれたたいちょーさんはボレロや平野靴店でもオーダーをされている方で、最近になって交流が生まれた方の一人です。貴重なアドバイスをありがとうございました。

そしてもう一つはバックサージサテン。ウールデニムも360g/mで重たい生地ですが、こちらは420g/mでさらにしっかりとした秋冬向け生地です。今回は受注開始を夏〜秋頃で予定していますので、今年の冬には実際に着られる素材で作りたいなと思っています。しっかりと打ち込みされて目が詰まったこの生地も、ドレスとカジュアルの垣根なく使える素材として有力な候補です。現時点では生地についてはまだ未確定ですので、読者の方で「こんな色・生地で作って欲しい!」というのがあれば是非積極的にコメントいただければ嬉しいです。

というわけで、コラボ企画第4弾となるOboist Trousers。これから打ち合わせを進めていく中で「やっぱ無理そう」となる可能性もありますが、なんとかカタチにして良い商品を作っていきたいと思います。頑張るぞー!

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