名古屋駅を出てから向かったのはこちらも久々となるスージースヴェルト。鈴木さんから「コラボバッグ用の革が入荷しました」とご連絡をいただいたので、rainyforestと一緒に伺ってきました。鈴木さんとrainyforestが会うのは初めてのことです。とりあえず腹ごしらえと言うことで、アトリエ近くのカレー屋さんへ。
鈴木さんはシアサッカーのジャケットにいつものブラウンスエードのローファーというスタイルでした。
インド料理店では大体ほうれん草のカレーを選ぶのですが、こちらは絶品でした。ナンもおかわり出来ましたが一枚でお腹いっぱい。
この日靴好きとしてはご法度の二日連続同じ靴を履いたのは、このmidnightを買おうか迷っているときに鈴木さんもとても気に入られていたので、今度お会いする時に履いていきますと約束していたのです。スージースヴェルトのアーカイブにも黒のボックスカーフとスエードのコラボバッグがあったようで。この日はパープルのホーズと合わせています。
食事の後はアトリエへ戻って、入荷した革の確認。SusieSvelt×Oboistはダークグリーン・トープ・ブラックの三色展開ですが、今回はブラック以外の二つが先に入荷。鈴木さんもお忙しくてまだ中身を見ていないとのことでしたので、ドキドキの開封の儀。スワッチで確認する限り良さそうな革なのは間違い無いのですが、鈴木さんも実際に丸々取り寄せて扱うのは初めてのレザーですので、歩留まりなどは未知数。
まず最初に広げたのはトープのシュリンクレザー。早速触って、嗅いで、質感を確認・・・うん! 間違いなく良い革!
鈴木さんも熟年の感覚で革を確認していきます。繊維の伸びもなく、非常に作りが良いと太鼓判。端の方は製品には使えませんが、元々想定していた「一枚でバッグ二つ」というノルマは達成出来そうです!
事前アンケートで圧倒的人気を誇ったトープ。私のカメラストラップのライニングはぺリンガーのシュランケンカーフのトープですので、並べて比較してみました。この写真では分かりにくいですが、よく似ていながらも完全クローム鞣しであるぺリンガーに比べ、国産はコンビ鞣し。揉んだときの適度な弾力感があり、長年使っても美しく経年変化していってくれるのではないかと。
続いては個人的注目度ナンバーワン、自分用に採用する予定のダークグリーン。これもまた素晴らしい色でした。
深い緑。室内で見ると深海のようでもあるし、明るいところでみれば芽吹きはじめた草木のように生き生きとして見える表情豊かなカラーです。単体で撮るよりも比較物があった方が良いと思いまして、これまたスージースヴェルト謹製のエレファントストラップを装着したロレックスのチェリーニとともに。
サイズを測り、バッグ用にどんな革の取り方をするか考える鈴木さん。繊維の向きで革の引っ張り強度は異なるため、適切な箇所に適切な方向で使わなければなりません。
二つの革に、どんな色のステッチを使うか。糸については既報の通り、ドイツ製のポリエステル組紐を使用することになっていますが、使えそうな色を一通り買ってあるため実際に革に当てがいながら考えます。
左からブラック・グリーン・ダークブラウン・ハバナ・ベージュ。革は上からダークグリーン・トープ・ブラックです。鈴木さんが事前に手縫いのサンプルを作っておいてくれましたので非常に分かりやすい。皆様はどの組み合わせがお好きでしょうか。
rainyforestもサンプルを見ながら考えてくれています。
私は個人用にはほぼ即決でダークグリーンの革に一番明るいベージュのステッチを選びました。ともすると雰囲気が重くなりがちなダークグリーンも、優しい色合いのベージュで軽やかさを演出することで通年持ち歩いても馴染みやすいかなと。A/W専用に仕立てるのであればダークブラウンも良いかもしれません。手縫い用のステッチはこの5色から、お客様に選んでいただけるように出来ないか現在スージースヴェルトと調整を進めております。もちろん、ダークブラウン以外のカラーでもOKですが、ご注意いただきたいのはこちらは手縫いVer.を買われたお客様用のサービスになりますので、マシンステッチVer.をご購入いただく方には私たちが独断と偏見で最適だと思われる色合わせを考えていきます。使う糸が異なるため、手縫いVer.とマシンステッチVer.では完全に同じ色の糸はございません。
こちらは、前回のビスポークバッグでも採用したスペシャルなラムナッパ。rainyforestは触れた瞬間に気絶してました。ずっと触っていたくなる極上ラムナッパ、裏面のスエードもそのまま表革として使えそうなくらい良い革です。
また、シュリンクレザーとラムナッパにサンドウィッチされてバッグ全体のハリを生み出す裏打ちには、堅牢でハリとコシのある革として有名なワルピエ社のブッテーロのトコ革を使用することにしました。以前検討していたブライドルレザーのトコ革は、両面漉きであることから強度に疑問が残り今回は採用をパス。
ボトム部などより強度が必要な箇所には、オボイスト提供素材である栃木レザーを贅沢に使います。見えない部分にも抜かりなく拘りまくる。スペシャルなコラボレーションだからこそ出来る限定サービスです。
アトリエのカーテンを留めていたスージーお手製のタッセルが、今回検討しているバッグチャームと形状が似ていましたのでサンプルのバッグにつけてイメージを膨らませます。当初、キークロシェットの代わりにオボイスト会の定番お土産であるブートニエールを持ち運び出来るチャームにしようと考えていましたが、脱落防止のためチャーム専用の意匠として取り外しなどは出来なくなるかもしれません。こちらはアトリエにあったタッセルにブートニエールを挿してみただけですので、実際の製品版とは異なります。
他にもまだまだお知らせしたい内容があるのですが、現時点で公開できるのはここまで。色々と検証を重ねながら、製品に採用出来る仕掛けだと判断出来次第皆様にお伝え出来ればと思っています。次は専用バッグチャームの試作と、スージースヴェルトアトリエ用サンプルの製作です。各種SNSで大変楽しみにしてくれている読者の方が多数お見えになるのを分かっているからこそ、絶対に満足いただける作品になるよう今後も企画を前へと進めて参ります。
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