妻のためにできること、全部。

Diary

2月3日は妻の誕生日。付き合い始めてから一緒にお祝いするのは12回目、ひと回りすると既に大抵のことはこれまでにやってきたつもりです。今年は「今、妻が本当に欲しているものは何か」という点に焦点を絞って、私のできる最大限のお祝いを。

当日の朝はまず二人でSusieSveltへ。こちらは既に本人も分かっていることでしたが、まず「一番欲しい形の鞄」をプレゼント。鈴木さんと妻とで何度か打ち合わせを重ね、遂に仕上がった新作バッグはショーケースの中で鎮座していました。

それがこちら、FAVORIです。モデル名のFAVORIは妻のインスタアカウント名が由来となっています。レザーモックの打ち合わせ時に妻の選んだベルギーのマシュア社を代表する皮革サドルプルアップのブラックで仕立てていただきました。私自身も非常に気に入っている革で、カメラケースやバッグ等色々持っていますが、しっかりとしたハリと美しい艶は唯一無二。特有のトラも魅力的な素材ですが、妻の好みに合わせて鈴木さんがなるべくトラの少ない部分を使ってくれました。ボトム部は駒縫い、良い仕事されてます。

アンティークシルバーのジップにブラックステッチもバッグの印象にカチッとハマっていて、流石ストイックなayaの選んだ組み合わせに間違いはありませんでした。昨年もSusieの財布でしたので、プレゼントは2年連続でビスポークのレザーアイテムとなりました。

この端正なデザイン性と使い勝手を両立したFAVORIの構造は、既に鈴木さんが特許庁に実用新案権の申請を済ませています。エクセラファスナーの動きも非常に滑らかで、片手でバッグを持ったまま容易に内容物の出し入れが可能です。

ファスナーを開くと現れる持ち手の補強部品にはSusieの刻印、そしてバッグ底部には財布と同じくA.Y.Aの刻印をそれぞれシルバーで入れてもらいました。本当なら私も兼用で使いたいくらい素敵なバッグなのですが「ダメ」と言われているので私はまた違った素材を使って自分用にオーダーすることにしています。これは決定事項です

ちなみにバッグ本体と一緒に「誕生日プレゼントです」とおまけしてくれたのはサフィールのクリームでした。鈴木さんの奥さまノブコさんお手製のペーパーバッグの持ち手はデュプイのマローカーフで作られています。「靴みたいに磨けるくらいしっかりした革のバッグが欲しい」という妻の思いを聞いて、鈴木さんが適切なケア用品を選んでくれたようです。

自然光の下ではよりこのバッグ特有のキリッとした表情が際立ちます。本当にちょうど良いサイズ感、ボトムのマチは広いため意外なほど荷物が入ります。以前の記事でも触れたかもしれませんが私のカメラもちょうど収まり、財布などその他の荷物を入れてピッタリくらいです。中身が入っていてもいなくても、外観には変化が全くなく美しいデザインが維持されます。

鈴木さんの愛と技術が詰まった新作バッグFAVORI、間も無く一般向けにもオーダー受付を開始する予定とのこと。昨年の時点では財布が「今までで一番嬉しい」と言ってくれていましたが、今回はそれを軽く飛び越えてしまうほどのプレゼントを贈ることが出来ました。鈴木さん、本当にありがとうございます。

スージーのアトリエを出てからは焼肉の美味しい百寧へ。オボイストブリーフケースが完成した時にも鈴木さんと二人でお祝いをしたお店で私にとって縁起の良いところです。一応この日のスケジュールは「鞄取りに行って終わり」と妻には伝えていたので、ここからがサプライズ演出。

カレーか焼肉のランチが選べるのですが、私たちは焼肉ランチにしました。隣席のお客様がカレーを頼んでいて、それがとても美味しそうだったので次回はカレーにしようかな。注文後に妻がお手洗いに行っている間に、納品されたばかりのバッグに認めておいた手紙を忍ばせ、、、たのですが、戻ってきた瞬間にバッグを開けられバレてしまいました。この後の目的地に向かう車の中くらいで判明してくれると思っていたのですが、甘かったです。その場でさっと手紙を読んで「上手く書けたね〜」と茶化されながら、タンからお肉を焼き始めます。

百寧の肉の美味しさは以前来た時にも体感済みでしたが、改めてクオリティの高さに驚かされます。お野菜も美味しく、量もちょうど良い。スタッフの方の気配りもとても心地良くて、Susie近くに行かれた際には是非行ってみてほしいお店です。

ランチ後は日帰り旅行で下呂温泉へ。手紙の中で下呂へ行くことは書いてあったので妻にはこの時点で分かっていることですが、露天風呂付き個室で日帰りプランのある旅館で良さそうなところが愛知県内には無く。道中の路肩にはまだ溶けていない雪が残っていましたが、幸い大寒波は過ぎ去っていましたのでノーマルタイヤを履いた私のクラウンでも問題なくたどり着くことが出来ました。

運転中、妻が何か静かにしているなと思ってふと隣を見ると、先ほど百寧内で読み終わったはずの手紙を再び読んで今度はなぜか大号泣。私は誕生日や記念日など、節目では必ず手紙を書くようにしています。ブログと一緒で、自分の中に書きたいことがあると便箋を目の前にすれば言葉が溢れてきます。自分で書いていても最後の方は感極まる部分も実はあったのですが、近年は手紙を読んで泣かれることがなかったのでちょっと驚きました。そして恥ずかしいことに手紙のラストの部分が妻のインスタストーリーに上げられていて、たくさんの方々からメッセージをいただいたそうです。ブログでは最後の方は恥ずかしいので、冒頭の部分だけを。。。笑 ちなみに便箋を入れる封筒はおかてつさんと選びました。

今回訪れたのは湯之島館、長い歴史を誇り有形文化財として登録されているお宿です。15時のチェックインに合わせてスタッフの方が出迎えてくれました。結構な坂道を登った上に聳え立つ旅館ですので、やはり雪が降る日にはスタッドレスは必須かと思います。

チェックイン手続きの後、趣のある待合室で座って待ちます。外国から来られたお客様も多いようで、どのスタッフの方でも英語で丁寧に案内されていました。FAVORIを携えた妻、和風の背景にもよく映えるバッグです。

最上階11階の十六夜というお部屋へ案内してもらい、早速内風呂に湯をためます。16時30分から妻のために全身オイルマッサージを予約してありましたので、それまでひたすらどっぷり浸かっていました。

露天風呂も楽しみにしていたのですが、窓を全開にした内風呂に1時間以上浸かっていたらもう満足してしまって、結局露天風呂へは行きませんでした^^; 今度伺った際の楽しみにしておこう。湯上がりに妻が買ってきてくれたハーゲンダッツを食べてから、いざマッサージ屋さんへ。普段立ち仕事をしている妻への癒しをプレゼントです。

事前に予約した時「妻の誕生日なので本人が望むようにやってあげてください」とお願いしてあり、見送った後私は館内を散策。広い旅館内は廊下の所々にある小窓から覗くと雪の積もった屋根がたくさんあり、勝手にバッグを持ち出して撮影して楽しみました。

ロビーではコーヒーマシンで自由に飲み物をいただきながら寛ぐことが出来ます。私がバッグと景色に酔いしれている間も、韓国人の旅行客が絶景に感嘆の声をあげていました。

部屋に戻ってマッサージ帰りの妻を待ちます。静かな部屋でこの日撮った写真を見返していると、時折ゴトっゴトっと屋根から雪が崩れ落ちる音がします。静かで良いところです、本当なら泊まりで来たかったのですが、今回は二人の仕事の都合で難しかったため、また違う季節に来てみようと思います。

そうこうしているうちに妻が戻ってきます。マッサージ屋さんに「こんなに凝り固まっている方初めてかもしれません、頭痛とか眩暈とかないですか?」と心配されたそうです。ほぐし方を教えていただいたので、これから時々私がマッサージしてあげなくちゃいけません。(今でも時々足はやってあげてるんだけど)

初春の懐石料理は豪華で品数もとても多く、二人してお腹いっぱいになりました。食べ進めるにつれ「本当に今日帰らなくてはいけないのだろうか」と段々と現実逃避したくなってきます。しっかり働くからこういうたまの贅沢が身に染みるんだよな。そういえば、妻が先日作ってくれた弁当と一緒に、ベートーヴェンの格言をaya accessoryのショップカードに書いて入れてくれたのですがとても良い言葉でしたので、一枚目のお品書き写真と一緒に添えておきます。仕事で苦悩していた私に向けて妻が贈ってくれたこの格言は私の心の支えになってくれました。

女将さんが「当館からの誕生日プレゼントです」と妻に湯呑みを贈ってくれました。ありがたく頂戴し、名残惜しいですが予定していた旅程が完了し帰り支度を。妻もとても喜んでくれて、こちらまで幸せな気持ちになりました。

家に帰るとポストには妻の友人たちからのお祝いが届けられていました。みんなから愛されて本当に幸せな人ですが、その分彼女は周りを幸せにする素質のある人間だと私は思っています。最愛の妻の生まれた日を今年も一緒に祝うことが出来、本当に幸せな一日でした。出会ってから20年、付き合って11年半、結婚して6年半。これからも妻に益々ときめいて、愛が深くなっていくことだろうと思います。妻にとって私もそうした存在でいられるよう、これからも努力していきます。

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