人生は分からないものです。2ヶ月前まで接点のなかったアーティストと、私が大切に繋いできた仲間を通した縁で出会い、意気投合し、ブログのコラボレーションが決まるとは。「“今”の気持ちを大事に生きよう、楽しもうぜ」とEDOさんはよく口にします。この高揚とスピード感を反映させたアイテム作りをしていきたいと思います。その前に、濃〜い時間を過ごしたこの日のことを順を追って振り返っていきます。
この日はEDOさん、YUMEKAさんとスージースヴェルトやボレロに行く予定をしていましたが、YUMEKAさんから「私の妻が作っているアクセサリーを見てみたい」とメッセージをいただいたことから、妻がちょうど出店していたマルシェに行くことに。車でご自宅付近までお迎えにあがりました。
EDOさんのお母様へのプレゼントにとアクセサリーを選ぶYUMEKAさん。ただ立っているだけでも人目を引きます。
普通にしているだけで目立つのはEDOさんも一緒。私たちにコーヒーをご馳走してくれたのですが、こちらでもお店の方から「普通のお仕事・・・ではないですよね・・・?」と質問されたようです笑 今度妻はこちらのコーヒー屋さんが主催のマルシェに出店すると聞いていたので、こちらもご挨拶をしておきました。
マルシェの後は3人でスージースヴェルトへ。マルシェで買ったリースは鈴木さんの奥様へのプレゼントだったようです。こちらも喜んでいただけて良かった。
納品されてから初めて対面するSusieSveltに飾られているEDOさんの作品。EDO&YUMEKAさんの作品は基本的に合作ですが、お二人の担当する割合はそれぞれで異なるそうです。SusieSveltの絵については、鈴木さんから絵に入れて欲しいモチーフの指定がいくつかあったのを、デザインが得意なEDOさん主導で制作されたものです。crocodileをもじった“CROC OR DIE”キャンペーン(オボイスト命名)については時期がこればSusieから発表されることと思います。
そして・・・EDO&YUMEKAさん、私との交流を題材に素晴らしい絵を描いてくださいました。“いつか描いてもらいたい”とone and onlyに掲載したところでしたが、こんなにも早く手に入れてしまっていいものなのか。お二人曰く「表現は“したい”と思った時にやらないと。オボイストさんのご自宅に伺って、また話をして見えてきたイメージで描きました」というこの絵。テーマは“CONNECT”。
Lapelの絵と同じように、いやそれ以上に、自分の中の言葉という概念が奪取されたかのように、その場であわあわと立ち尽くしてしまいました。抽象画であるはずなのに、題材が“私”であるということは論理を飛び越えて感覚で理解出来ます。正直ブログに書くのも、写真に収めるのも勿体ないと感じるくらいの絵です。生の眼で見て心で感じるしかない。
この絵にはEDOさんが愛読されているというシャルル・ボードレールの詩が取り込まれています。重厚な韻文詩と、底が見えない多様な黒の表現が相まって唯一無二の存在感を醸し出しているように思います。詩の日本語訳を置いておきますので、よろしければ読んでみてください。
79 妄想 (Obsession) 偉大な森、君は大聖堂のように私を怖がらせる。 君はパイプオルガンのようにうなる。そして我々の 呪われた心、古びた喘鳴で震えている永遠の喪の 部屋のなかで、君の「深淵ヨリ」の木霊が答える。 私は君を憎む、「大海」! 君の跳躍と君の喧騒、 私の精神はそれらを自分のなかに再び見いだす。 敗北した男の、嗚咽と悪罵に満ちたその苦い笑い、 私はそれが海の巨大な笑いのなかに聞こえる。 なんて君は私を気に入ることだろうか、オー夜! 星がないならば、その光が知られた言語を話すのだが! 私は空虚と暗黒と赤裸を求めているから! だが暗闇はそれ自体画布であり、 そこでは親しい眼差しをした今は亡き人々が、 私の眼から幾千となく噴き出ては生きている。
私の家のリビングにある大きな窓でしょうか。内側から眺めているようにも、外側から覗き込んでいるようにも見えます。
鈴木さんと4人で蕎麦を食べて、アトリエに戻ってしばらく話していました。ラインナップを刷新するために作り続けている新作の1つであるクラッチバッグのサンプルを見せてもらいました。オボイストブリーフケースで採用したカーボンインサート製法やボトム部のスキンステッチなどはこの作品にも継承されています。
オボブリのタッセルを思わせるキーチャームはサムグリップとしてとても実用的。クラシックなクラッチバッグの欠点である持ちにくさ・バランスの取りにくさを見事に解消しつつ、デザイン上のアイコンとしても一役買っています。
まだ試作段階で、さらなる改良や工夫が盛り込まれる予定とのことですので、気になる方は是非チェックを。そう遠くないうちにスージースヴェルトで発表になると思います。これまでのコラボ企画アンケートで最もご要望が多かった“クラッチバッグ”の最適解になるかもしれません。まずは私もよく知っている“あの人”が最初のオーナーになる予定ですので、製品版が完成したら見せてもらってこちらでも紹介させていただきます。(つづく)
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